ファラッフォーとフェタサイン
前回の日記でシェアした味噌汁じゃないほうの写真は、じつはイスラエル料理です。中東の料理が食べたくて、息子の卒業式の帰りに寄ったのでした。ちょっと気軽に寄った風に書いていますが、当時は渡米する前にとことん調べてこのお店にたどり着いたのです。感慨深かったです。
カフェ・ランドバーは2022年春の時点では確かイスラエル料理店でした。今は(いろいろ微妙だからか)地中海料理店だそうです。
ここで私が注文したのはファラッフェル。ひよこ豆のコロッケです。
美味しそうに見えないかもしれませんが、これが香ばしくてスパイシーでとっても美味しいのです。
ピタパンにはさみ、たっぷりついてきたフムスをバターのようにつけて食べます。確かここのお店のフムスは作り立てで美味しいとレビューで評判だった記憶があります。
フムスはこれまでスーパーのものから無国籍料理店のものまでいろいろ味見してきましたが、ここのが断トツで美味しいと思いました。そもそも豆腐を筆頭に豆豆したものが苦手な私なので、豆料理のフムスやファラッフェルも本来は苦手なはずなのです。でもスパイスが効いていたり、ちゃんとしたお店のものだったりすると得意になるようです。
逆に息子はスパイスの効いたものがあまり好きではありません。このときも自分はパスタを注文すると息巻いていました。正確には「あ、パスタがある! ほ。。」
オーダーを取りに店員さんがやってきて、私は早々と注文を終えました。息子は店員さんと何やら長いことごちゃごちゃやっています。そうしてやっと注文の最終確認。
「ファラッフォーとフェタサインでよろしいですね?」
ファラッフォーは全然いいのだけど、フェタサインって何?と思って息子を見ると、息子は微妙な表情で小さく頷いています。店員さんも微妙な表情のままテーブルを去っていきました。
フェタサインって何?と息子に尋ねると、いやよくわからん、、と言うのです。自分はクリーミー・フェットチーネ・ボロネーゼを注文したと。でも「フェタチーニ」が全然通じなくて、メニューの fettuccine を指差したら「フェ・・フェタサイン?」と確認されたのだそうです。
確かにイタリア語の fettuccine を英語読みするとフェタサインなのかもしれません。どう考えてもフェタチーニなんだけど、、と息子は頭を抱え、代わりに出てくるかもしれない謎のフェタサインを想像して憂いていました。
そうしてやってきたフェタサインは幸運なことにフェットチーネでした。しかし真っ赤で、アメリカによくあるあの恐ろしく塩気のない、トマトの味しかしないどぎついトマトソースのパスタにしか見えません。
黙ってフェタサインを見つめていた息子も「完全に失敗した、、」と思っていたことでしょう。
一方、私のファラッフェルは、見た目も香りも何もかもが想像通り! 香ばしくて美味しい! 息子には申し訳ないけど笑顔が止まりません。フムスも新鮮でクリーミーでコクがあって本当に美味しい。今まで食べていたフムスは何だったのかと思うほど美味しいのです。そこまでフムスを食べてきたわけではありませんが、数少ない経験のなかで断トツです。
フェタサインを黙って口に運ぶ気の毒な息子に声をかけると、なんと「これびっくりするほど美味しい!」とな。トマトソースにしか見えない真っ赤なソースは、クリーミーで、トマトの味は一切しないそうなのです。塩気もちゃんとあるし、ボロネーゼだけあってミートもかなりしっかり入っていて、今まで食べたボロネーゼのなかで一番美味しいそう。
なんだかよくわからないけど、よかった!
ボストンでの最後のごはんが美味しくて本当によかったよねと言い合いながら食べたあの日と、中東料理と、フェタサインが今とっても懐かしいです。
美しき5月の思い出です。