映画 「なぜ君は総理大臣になれないのか」 を観て政治家とは何かを考えてみた

割と肯定的な意見、感想が多く見られて、尚且つ感動した とか こんな人を総理大臣にしたい とか そんな声が多かったので、わたしの感想を記したいと思う。映画サイトに載せた感想だけれど、そのまま載っけたいと思う。


正直者が馬鹿を見る世の中であってはならない。

とは思うけれど、小川氏は人を引っ張っていける器の人ではないだろう。政治家には向いていない、と母親は言うが、おそらくサラリーマンでも出世出来ないと思うくらい人が良すぎる。

個人的に政治家に清廉潔白さは求めていない。多少私腹を肥やしたって国民のために粉骨砕身働いてくれるのであれば、私個人は多少目を瞑ったっていいと思っている。別に政治家、まして総理大臣に年収300万で働いてもらおうなんて思っていない。

ただただ誠心誠意ひたむきに頑張ってますアピールされたって具体的に政策を語っている姿が(この映画の中では)見えなかったので、好感度があろうと総理の器ではないと感じた。

どんな職業でも向いていようがいまいが、努力する姿勢は素晴らしいと思う。けれど皆んな何らかの形で努力はしている。地べた這いずり回って苦渋を舐めて、そんなことみんな経験している。

清貧語って高邁な思想掲げたって結果が全て。これは政治の世界だけではない。

世渡り下手で処世術に長けていない人ががむしゃらに頑張っている姿は確かに涙を誘う。だけど政治家ってそれでいいの?それって政治家に必要な資質?最後、選挙に敗れて皆んなに慰められている姿は、甲子園を目指して頑張っていたけど夢叶わなかった高校球児を慰めているように見えた。

小川氏は確かに誠実な人だろう。こういう人が総理になって、彼を支える人たちもまた謙虚で献身的な人たちで国民もまた好意的な人たちであれば幸福に満ち溢れた世の中になるかもしれない。

だけどそんな世界は夢物語だと思う。

金と権力に塗れ、他人を蹴落としてでも這い上がりたい、という欲望渦巻く世界で、誠実さだけで生き残れる世界がどこにあると言うのか。

前評判も良く感動した、という声が多かったので期待した分がっかりした。こういう人は結局敗れ去るのか、と暗澹たる気持ちになった。

ただ、小川氏のような人を総理にしたいと思う人が多く夢や希望を託して選挙に行く人が増えるのだとしたら、これからの日本に一抹の希望は見出せるのかもしれない。


…と、まあこんな感想を述べたのですが、あまり支持、共感は得られていない。

確かに良く出来たドキュメンタリーだと思う。何しろ十何年も追い続けたのだから。時間かければいいドキュメンタリーが出来るわけじゃないのだろうけど、熱意は伝わるよね。

だけどさ、おれ頑張ってるでしょ、いい人でしょ、そういうアピールばっかり伝わってきてさ、肝心な「おれこんな政策考えてて、これやったら絶対日本良くなるから、だからおれ総理大臣になりたいんだよ」っていう気概が全く見えない伝わらないから

「なんだよ、いい人が頑張ってるのは知ってるよ」

そんな感想しか出て来なかった。

どんな人が総理大臣に向いているのか、相応しいのか知りませんが、どうせ夢物語を語るなら、漫画の『加治隆介』が相応しいと思いますよ。

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