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#24 健康保険証とマイナカードの一体化はこれを読めばOK
今年の12月、正確には「令和6年12月2日」に今の健康保険証の仕組みは廃止され、「マイナ保険証」による医療機関等の受診を基本とした仕組みに変わります。
これは「1961年(昭和36年)」から続いてきた、健康保険証を医療機関に提示して医療サービスを受けるという仕組みの中で言えば、とても大きな制度改正と言えます。
✅一体化の問題点
ただ、実際にはいくつかの問題(下記に記載)が解決されないまま(推進派の政治家は「全く問題がない」と考えているようですが・・・)、結局はこのままスタートを迎えるのでしょうね・・・
システムの不具合や運用の混乱
マイナ保険証を取り扱うシステムの不具合やトラブルが報告されています。例えば、保険証情報が誤って登録されたり、正しい情報が反映されないケースが過去にありました。これにより、医療機関での受付等がスムーズに行えないなどの混乱が懸念されています。デジタル弱者への対応不備
マイナンバーカードを取得していない高齢者やデジタル機器に不慣れな人々が多く存在し、彼らが適切にマイナ保険証を利用できるかどうかが懸念されています。また、カードの紛失や忘れた場合にどうするのか等、課題となっています。プライバシーとセキュリティの懸念
マイナンバーカードに含まれる個人情報が適切に保護されるかどうかが懸念されています。特に、健康情報などの機微情報が流出するリスクが懸念されています。医療機関の対応準備不足
医療機関側でもマイナ保険証への対応が進んでいないケースがあります。システムの導入やスタッフの教育が十分でないため、導入後の運用がスムーズに行えるかが課題となっています。カードの普及率の低迷
マイナンバーカードの普及率は直近で約8割となりましたが(下図)、全ての国民が適切にマイナ保険証を利用できる環境が整っているとは言えない状況です。
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✅一体化の流れ
全国健康保険協会が今年の5月29日に開催した「令和6年度第1回評議会」で公表した資料によると、制度改正後の医療機関を受診する方法や健康保険証等を使用できる期間は次のとおりです。
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当初、従来型の健康保険証は今年の12月2日で「廃止」と言われていましたが、昨年末の閣議決定で「令和7年12月2日」と正式に決定された経緯があったと記憶しています。
なお、協会けんぽ岡山支部が今年6月に開催した「令和6年度算定基礎届事務講習会」で配布した資料には、「マイナポータルをPDF化したもの」と「マイナンバーカード」の組み合わせでも医療機関を受診できると記載されていますが、「岡山ルール」なのかどうかは不明なところです。。
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この2つの表を見ると、今後、医療機関を受診するための方法がいくつもあり、しかも皆が初めてのことばかりですので、特に医療現場は混乱するのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。。
この一体化の流れについて更に細かく書かれている資料を見つけましたので添付しておきます。これは5月に協会けんぽがどこかの講習会で配布した資料の一部です。
ちなみに、「協会けんぽ」や「健康保険組合」、業種ごとで運営されている「国民健康保険組合」だけでなく、自治体が運営する「国民健康保険」もこの制度に移行しますが、高齢者医療制度に移行する前の高齢者たちがこれを見て理解できるのかどうか、怪しいところですよね。。
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✅「資格情報のお知らせ」の交付
一連の流れの中で、「資格情報のお知らせ」というものが新しく交付されます(イメージとしては下の画像のとおり)。
・令和6年9月9日(月)~令和6年9月30日(月)に1回目
(=6月中旬までに資格取得している被保険者)
・令和7年1月22日(水)~令和7年2月3日(月)に2回目
(=6月中旬以降に資格取得する被保険者)
が事業主宛に発送され、事業主が全被保険者に配布することになっています。つまり、郵送料は「事業主負担」。。
この「資格情報のお知らせ」は以下の2つを行うことができます。
①健康保険の各種給付金等の申請に必要な健康保険の記号・番号を確認することができる。
②オンライン資格確認システムを導入していない医療機関等で、マイ ナ保険証と併せることで受診できる。
特に②は重要で、マイナ保険証が使えない医療機関で受診する場合は、これを持っていないと、受診することができません。また、「資格情報のお知らせ」単独では受診できません。
なお、今年の12月2日以降に被保険者資格を取得する場合は、この「資格情報のお知らせ」が事業主に交付され、事業主が今まで同様、被保険者宅へ郵送することになるそうです。
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「資格情報のお知らせ」には、医療保険のデータベースに登録されてるマイナンバーの下4桁が表示されていますが、マイナンバーの未提出等により、協会けんぽが正確なマイナンバーを把握していない場合は記載されていないません。
マイナンバーが記載されていない人については同封されている封筒を使って、自分のマイナンバーを協会けんぽに提示する必要があります。
そう言えばこの前テレビかラジオかネットニュースかYoutubeか忘れましたが、マイナ保険証は持っているのにオンライン資格確認ができない停電時に「資格情報のお知らせ」を持っていなかったり、棄損汚損してて内容が確認できない場合どうなるの?という話がありました。
どうなるんでしょうね・・・?
多分、健康保険証を持っていない場合と同様の措置が採られ、「10割負担」するか「1万円等を一旦支払い」、「療養費」を申請して後日返還されるか、1万円の領収書と引き換えに病院窓口で正式な医療費を支払うかどちらかになるのではないでしょうか・・?
✅「資格確認書」の交付
資格確認書はマイナンバーカードを取得していない人々のために設けられる一時的な措置で、資格確認書を使用することで引き続き医療機関での受診が可能になります。
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「資格確認書」はマイナンバーカードへの移行期間における救済措置として設けられてるものですが、今後の状況次第では、運用方法に変更があるなど、利用方法の改定があるのではないかと言われています。
それにしても、従来の健康保険証と同じ要素しかない(こちらは4~5年の有効期限がある)のだから、わざわざ新しいのを交付しなくても良くない?って思いますよね・・・
これが、直近で国から公表されている一体化の流れと方法ですが、マイナ保険証の関連は、今後も内容の改定が行われる場合があります。最新情報は厚生労働省や総務省、デジタル省、日本年金機構、全国健康保険協会等のホームページ等で確認して下さい!
今日も、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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