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#23 社会保険適用拡大に向けてやること③

今日は「社会保険の適用拡大に向けてやること」の3回目、以下の項目のうち、9番目~12番目について解説していきます。

✅令和4年4月~10月にやったこと

企業規模によりますが、当社では、新たに追加となる人数と、他の仕事との兼ね合いを勘案し、凡そ、次の手順で令和4年の4月から準備を始めました。

  1. 事務担当者が理解する

  2. 当社が10月1日より特定適用事業所となることを全従業員に周知する

  3. 適用拡大対象者を洗い出す

  4. 適用拡大対象者に現況確認届を送付し、記入した後、返送してもらう

  5. 適用拡大対象者の保険料を調査する

  6. 想定される保険料や等級を適用拡大対象者に通知する

  7. 適用拡大の対象となる被保険者および被扶養者から資格取得に必要な書類を提出してもらう

  8. 回収した書類をチェックする(不備は再提出を依頼)

  9. 9月30日までにできるだけ取得届、被扶養者異動届を下書きしておく

  10. 10月1日以降、申請する(当社は電子申請)

  11. 取得確認通知書、被扶養者異動決定通知書が届いたら確認する(通知書はデータまたは書面で保管)

  12. 健康保険証が届いたら記載事項を確認し、誤りがなければ通知書と一緒に発送する


✅9月30日までにできるだけ取得届、被扶養者異動届を下書きしておく

適用拡大の対象者には10月1日から使える「健康保険被保険者証(被扶養者証)」が交付されます。70歳未満の人は厚生年金の被保険者(70歳以上の人は70歳以上被用者)にもなりますが、生活に直結する「健康保険証」をできるだけ早く本人の手元に届けるには、取得申請を早くする以外に方法はありません

従って、適用拡大対象者から集めた書類のチェックを進めつつ、申請が可能となる10月1日より前に、できるだけ、取得届と被扶養者異動届を「下書き」しておきます。

当社は「電子申請」なので、ここで言う「下書き」とは、
・申請情報を入力しておくこと
・届出に必要な添付書類を電子ファイル(PDF)化して保存しておくこと
を言います。

特に、一度に取得者が集中するこういった適用拡大期日直後は、申請書類が集中するため、出足が一歩遅れると、2番手、3番手の申請は年金機構側の処理が更に遅れる可能性があり、可能な限り、10月1日に申請できるように予め準備しておいた方が賢明です。

なお、給与計算システムや勤怠システムからダイレクトに情報を移行できる場合は、誤りがないよう確認しながら手順に従って必要な情報を移行させておきます。

✅10月1日以降、申請する

前述のとおり、当社は「電子申請」です。
企業によっては、まだ「紙」で申請しているところもあると思いますが、ある程度人数がいるのであれば、国で推奨している企業規模未満であっても電子申請に切り替えた方が、結果的に人件費の削減に繋がるのではと思います。

電子申請、圧倒的に「楽」で「早く」て「簡単」です。

でも、もしかしたら、電信申請になって一番「楽」で「早く」て「簡単」になったのは「離職証明書」の作成かも知れません。
1人1人手書きで数字を埋めていくあの作業、本当に苦痛でしたから・・・

話を元に戻しますが、数百人、数千人の規模であっても、10月1日までに必要な情報を入力し、必要な添付書類を保存しておけば、当日は申請者情報を入力するだけで、申請できます。

参考までに、上は「e-Gov」、下は日本年期機構が提供する「届書作成プログラム」のページを掲載しておきます。

ただし、後出しで申し訳ないのですが「電子申請」にはデメリットも少なからずあります・・・。

「システムトラブル」があった場合には、どうしようもないです・・・。
システムが復旧するのを待つしかありません。

それと、手続きが集中する時期は、どうしても手続きの「完了が遅くなる」傾向があります。社会保険の得喪はそれほど遅さを感じたことはありませんが(電子申請事務センターの方のお陰!)、例年、4月初旬の雇用保険被保険者資格の取得手続きには時間がかかります(厚労省も「時間がかかる」と公言しています)。

もう1つ、私がデメリットに感じているのは、申請直後に申請内容の「誤り」を発見した場合であっても、後日、処理側から「電話で確認がある」か、「誤りによる返礼」があるまで再申請ができないことです。

中には、誤った申請を取り下げる前に、もう1度「新しい申請」として申請し、後から「最初の申請を取り下げる」こともできる場合もあるようですが、過去に「間違いの元なので、そう言うことはしないでください」と言われたことがあります・・・。

ごもっともですよね・・・。
私が悪かったです・・・。


✅取得確認通知書、被扶養者異動決定通知書が届いたら確認する

無事、被保険者資格の取得と、被扶養者の追加が確認されると、「e-Gov」または「届書作成プログラム」に「被保険者資格取得確認通知書」「被扶養者異動決定通知書」届きますので、内容を確認します。

給与計算システムや勤怠システムの情報をダイレクトに電子申請プログラムに移行して取得している場合にはまず間違いはないと思いますが、確認は必須です。

✅健康保険証が届いたら記載事項を確認し、誤りがなければ通知書と一緒に発送する

健康保険被保険者証(被扶養者証)が届いたら、記載されている内容を改めて確認します。

「紙」で申請していたときは「外字」を使う従業員の氏名に誤りがあったこともありましたが、今は「マイナンバー」で同期されているので、氏名の誤りは殆ど皆無になりましたね。

ただし、外国人の氏名は漢字を使う国の方以外は、アルファベットではなく、「カタカナ」で氏名が記載されていますが、住民票やマイナンバーカードに「カタカナ」の記載がない(つまり、他の書類で確認できない)場合は、本人が記載した履歴書や、雇用保険被保険者証の氏名を確認すると良いかと思います。

最後に「発送」についてです。
個人情報の保護から、「普通郵便」ではなく、「追跡機能」がついた方法で発送するか、本人に「手渡し」できる場合は「受け取り記録」をとるなどして確実に本人の手元に届いたことを証明できるようにします。

普通郵便で送って届かなかった場合に、それを探す手間や、再申請する手間、本人が使えなくなってしまう期間の機会損失、本人の会社への不信感の増大等を考えると、1人当たり数百円の送料は「必要経費」と考えた方が良いかも知れませんね。。


今日も、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
次回のお題は、今最も熱い話題、マイナ保険証を採り上げます。
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