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#17 社会保険適用拡大で事務はどうなる?

こんにちは!cacashi(かかし)と申します。
現在、某民間企業で人事・労務の仕事に携わっています。
noteでは、今までの経験や、経験を通して得た知識、そして読んでくれた方の為になる情報等を発信していけたらと思っています。
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さて、労務に関して最初の投稿内容をどうしようか考えたところ、今1番タイムリーな話題の1つである『社会保険の適用拡大』について書いてみたいと思います。

✅適用拡大の要件

もう色々なところで報道されていますし、対象者には勤務先から既に通知等されていると思うので詳しくは書きませんが、令和6年10月1日から、厚生年金保険の既存の被保険者が「51人以上」の企業で一定の要件(下記参照)に該当する働き方をしている人は、社会保険への加入が義務化されます。

厚労省・日本年金機構リーフレット

注意点としては、

・被保険者数は事業場ごとではなく、同じ法人番号である法人ごとの被保険者数で判断します。つまり、支店や営業所ごとではなく、多くの企業では会社全体の被保険者数で判断されるということになります。

・被保険者数が常に51人以上である企業には、既に年金機構から通知が届いていると思いますが、51人前後を行ったり来たりしている企業については「直近12か月のうち6か月で基準を上回った段階」で適用対象となります。

・適用対象後に被保険者数が51人を下回っても、原則、引き続き適用されます。ただし、使用される被保険者の4分の3以上の同意(※)を得て、「特定適用事業所不該当届」を提出した場合は、特定適用事業所に該当しなくなったものとして扱われます。この場合、全ての被保険者の資格喪失手続きを行うこととなります。

(※)同意には以下のうちいずれかを添付
・同意対象者の4分の3以上で組織する労働組合の同意
・同意対象者の4分の3以上を代表する者の同意
・同意対象者の4分の3以上の同意

✅適用拡大後に増える事務

実はうちの会社は令和4年10月1日の適用拡大の対象事業所でしたので、既に特定適用事業所としての対応を、日々、行っています。

パートやアルバイトが多い業界なので、適用拡大前に比べ、被保険者数は約1.6倍に増えました。

被保険者数が増えるとどういう事務が増えるかと言うと、ざっと以下のとおりです。減るものはなく、増えるだけ・・・。

  1. 被保険者資格の得喪手続き数が増える

  2. 被扶養者の追加・削除の手続き数が増える

  3. 被扶養者収入確認調査の対象者が増える

  4. 70歳以上被用者該当・不該当の手続き数が増える

  5. 定時決定、随時改定の対象者が増える

  6. 賞与支払届の対象者が増える

  7. 傷病手当金の対象者が増える(割合でみれば手続き数も増える)

  8. 産休・育休の対象者が増える(割合でみれば手続き数も増える)

  9. 保険証の再発行希望者が増える(割合でみれば手続き数も増える)

特に、所定労働時間が短くなると、入社してもすぐ辞める人が多くなるので、得喪手続きはかなり増えています。

しかも最近は世間の時給が上がっているので、少しでも良い条件のところを見つけたり、仕事の環境が自分に合わないと考えると、すぐに退職して行きます(逆もしかりですが)…

そんな訳で、今回、適用拡大の対象となっている企業の担当部署や、社会保険事務に直接携わる担当の方の中には、事務量の増加や適用拡大前後の状況を考えると不安を感じてる方もいらっしゃるのではないかと思います。

でも逃げる訳にもいかないし、従業員に迷惑をかけるわけにもいかないので、何とか滞りなく取得手続きが済むようにと思っていることでしょう(私もそうでしたので…)。

次回は、令和4年10月1日からの適用拡大に向けて、そして適用拡大を経て社会保険事務が軌道に乗るまで自分が「何を」「どう進めてきたか」について書いて行きたいと思います。


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