よくわからないほどよくわかるし
僕、あまり得意ではないのです。
Youtubeでいきなり発表とか何かの数を稼ごうとするとかそういうの。
お互いわかっていればいいじゃんとかで多分、知らないところで勝手なイメージや憶測を保たれて自分が損するタイプ。
苦手だったんだよな。
「発信しないことは何もしていないのと同じだから」とか言ってくる人とか、プロフィールに経歴書かないでSNSやる意味あるんですかとかそういうの。
身近な友達とか、近所の人とか、大事な仕事仲間とか、親族とかそういう人が幸せになっていて、楽しそうで、それを見ていられたらいいタイプです。
だから、「イケてるともだち」というzineを作ったんですよ。
どうしても広く、遠くまで声を出そうとしたら、自分が思う以上に声が大きくなりすぎちゃったり、強弱を見誤ったりするので、みんな近いところでは大事なものがあるでしょうと。いうのを知りたくて、それで、もう一回身の回りを見直してもらいたい本が欲しかった。
そんな時に、表紙イラストをお願いした赤羽さんに原稿を読んでもらい、意図を伝えたら、伝書鳩に、手紙を書こうとしている机がやってきた。完璧か。さらには小さく中に収められている22の物語に登場する小物まで出てきた!
素敵な原稿たちと、最高の表紙イラスト、デザイナーの皆様の各ページともう、面白かった要素が揃ったなと思ったんですね。
でも、並べてみると少し違和感を感じたり、何か足りないなって思いながら悶々とすることもあるのです。vol.3の時も然り。
それは主張や文脈を必要以上に語り、相手に求めてしまう部分がサブカル達にはあるのです。
サテツのメンバーは文化的なもの好き度合いが少し強めで、話長いんですよ。必要なところだけわかればいいとされる世の中です。それが正解だと本屋に並ぶ世間の中で、間違いなく「必要なところだけ抜き出して」と普段から言われそうな人たちが多い。
それは相手への必要以上の強要を強いることになるので、ちょっと大丈夫っす。となりがちな時もあるんですね。
距離感のTPO。
そんな時、別に意図していなくて、そこを狙いついたわけでもないのだけど自然とバランス感覚と目を持っている人がいると、柔らかめな表現物になったりします。
vol.3と4でディレクションをしてくれたマリナさん。
4で我らがバンドを離れるのですが、僕たちが単なるサブカル強め文集で終わらずに「読み手に何も強制しないで、好きなように好きな時間に読めるからなんか愛おしい」と手に取っていただいた方からお便りを頂けたのはこの方のすごく俯瞰的な目で「サテツマガジンという本は何か」を言ってくれたりしたからなのです。自分含めた誰よりも理解して見てくれた。
俯瞰。大事。
渋谷の喫茶店でキラキラITベンチャーの先輩がおそらく大学のOB訪問か何かでしょう。面と向かってずっと輝かしいキャリアを説明していたのですが、「好き嫌いは主観。届けたら俯瞰」という凄まじいパワーワードを言っていたんですけど今わかりました。
そういう関係ってどうしたらできるのでしょうか。とか考えていたんですけど、最初から愛に溢れて全部OKでとかだと息切れするんですよ。人間関係って。だいたい初回で大盛り上がりする場合は社会で言われる持続的な関係性とかそういうやつ、あんまりもたなくて、最初に「なんだかよくわかんないけどとりあえずやってみる」だとか「少し嫌だけど、のぞいてみたい」の方が長続きするのではと思います。
相手を知ろうとするし、知っていく楽しさもあるし、意外なところの発見が新しい会話につながったりする。初めから全部出しは一見さんで終わりがち。期待値を見つけていくのと、下げていくのでは大きな違いがあるので、最初から200点は怪しいと思う。が世の中です。
という時間を過ごしたのですが、だから読んでくれた人が嬉しい反応をくれたのかもですね。
どうでもいいことしか書いてなくて、でも「こういうのが読みたかったのよ」ってところをついて来てて嬉しい。
最高の褒め言葉か。
僕はマリナさんとものを作ってなんとなく感じて欲しかったのはそういうところだと思っていたので伝わった感があって嬉しかったのです。
よくBeatlesはどう終わっていったのかとか話していたのだけど、はっぴいえんどもだけど、別に同じ名刺持っていなくてもしゃべるしむしろそういうのもいいし。
という中でできた本かもしれませんね。
品薄感、ありがたいことに出てきました。
サテツマガジン - vol.4 イケてるともだち という本、お見かけしたらなんとなしに見てみてください。
売っている場所と買い方は↓に
今、東京は嫌なくらいの雨なんで、外出する気分でもないんですけど、やりたいことはあるので外にこれから出ます。