僕たちはみんな大人になれそうでなれなくてもなるんだよね。
人との出会いのきっかけは言葉だったり、音楽だったり、服だったり、出来事だったり、職場だったり色々な出来事から起きると思う。
つまりは、意図していない偶発性からなるものかもしれない。
これまでの人生は、だいたいがそうで、意識的に人を集めようだなんて、そもそも、仕事での採用活動だとか、何かしら目的と空席があった場合ってくらいでさ、なんとなくそこには利害関係やお互いの目的意識があるんだよなって思ってた。
相手と出会った瞬間に、だいたい共通することがある。
それは言葉にできない皮膚感覚っていうか、なんとなくよくわからない言語化がとても難しいものだ。
裏付けのされていない出会いと人間関係というのかな。そんな感じかな。
そもそも、人生において、これまで目的意識を持って出会いに行くとかあんまりしたことなくって、「口説きたい」だとか「この人と喋りに行きたいから頑張って夜出かけます」ということがほとんど皆無に近い。
どうでもいい会話から、関係性が始まったり、たまたま友達の友達がなんとなく近しい好みを持っていたりだとか。そんなもんだ。
映画を見た。2本みた。
東京での暮らしや、大人になること、人間関係に関する話題だ。
1本は、「僕たちはみんな大人になれなかった」。
もう1本は、「スパゲティコード・ラブ」。
どちらの作品にも共通することは、「東京で何かをしたい、何者かになりたい」人たちが多数登場することだ。
「僕たちはみんな大人になれなかった」。
これは、主人公の実体験に基づいた人生のロードムービーのようなもの。
90年代にデザイン事務所(と言っていいのかな)で働くこれといった目的のない男性が、
小沢健二の曲からインスパイアされたハンドルネームの女の子と文通を始める。
舞台は原宿や渋谷でのデートシーン。
これ、きついっしょ。その当時をリアルに知る人にとっては踏み絵のようなもの。
わかりやすい90年代に雑誌の世界で憧れるデートコースが次々と現れる。
僕は1980年生まれなので、まぁ、そんな世界をギリギリ知っている世代だ。
なんせ、タワーレコードの渋谷で人生初のサニーデイ・サービスのアルバムは買わないといけないと思って買いに行ったくらいのステレオタイプ。
どうしていいのかわからないがままに、東京でのカルチャーを体現すす夢のようなデートを繰り返しながら、自分たちの居場所を見つけ出して、そのまま世界にどっぷりと浸っていく。
彼女から、「君は面白いよ」と言われるがままに、普通であることを拒絶する。
拒絶するっていくか、受け入れないことで自分が東京の暮らしに染まらないように防御線を張る。
後者、「スパゲティコード・ラブ」は、東京に夢を求める人たち、夢を叶えられないと現実を突きつけられて知ってしまった人たち、何か叶う魔法のような場所として一方的に信じる人たちが現れる群像劇。
誰もが、自分を偽りながら、その中で置いてかれまいと必死に振る舞う。
そこで少しでもメッキが剥がれることを常に不安に感じながら、自分ではない自分を、「東京の自分」にしていこうとする。
それって、楽しいのかと言われれば僕は楽しくない。辛いと思う。
苦手なことは苦手だし、したくないことはしたくない。
でも、なんでしたくないことを頑張ることが美徳とされるのか。
仕事においては利害関係のみで割り切って「今、必要だから」ということでパズルのように当てはめていくことを求められたりする。
それ、間違いじゃない。以下に与えられた役割の中で努力できるかが評価につながる。
もう一度言うね。それ、間違いじゃない。
やりたいこととできることは少し違う。残酷だけど、それは現実。
でも、無謀な努力を一生続けるのもそれはそれで厳しい。
その間を埋めるために、僕たちは友達がいたりする。依存ではなく、共有できる相手としての友達。
そこにあるのは皮膚のふれあいというか、空気感と価値観の共有みたいなもので現実と理想の間を繋げてくれる役割を果たしてくれたりする。
いつだったかな、台湾にいこうとして、飛行機のフライトを間違えて、高雄にいくつもりが、台北にいくことになったことがある。
そこでもちろん拙い英語で会話することになるのだけど、案外通じる。好きなものが近いから。
まぁ、なんとでもなるのですよ。大好きなコミュニティの輪の中で振る舞えば友達、できるので。
仕事と友情は同じではないと思う。友達とは目的達成のために逆算して暮らさない。
これからの未来を信じながら、積み上げて人生の時間を共有する。
仕事仲間は気が合わなくても、今必要だったら関係性が始まる。
両方、うまいこと折り合いがつけば楽なんだろうけどね。
そういう間を浮遊することも悪くない。
帰り道、なんか東京が怖くなってカリフォルニアの太陽を浴びたくてビーチボーイズのレコードを買った。そんなもんさTokyomixtape。
映画が終わった後に学生時代から通っていたコーヒーショップで本を読んだ。あんま変わらなかったね。景色。
でも、明日やることは完遂できたのでなんとなく進んでる。
新しいzine作るか、旅行行きます。