DAOって生産手段の社会化？社会主義、資本主義の対立を超えた新しい社会・経済の仕組みができるかもという話
生産手段の社会化
共産主義の理想は「生産手段」を「社会化」すること。これは日本共産党の綱領にも明記されている。
社会主義的変革の中心は、主要な生産手段の所有・管理・運営を社会
の手に移す生産手段の社会化である。社会化の対象となるのは生産手段
だけで、生活手段については、この社会の発展のあらゆる段階を通じ
て、私有財産が保障される。
生産手段というのはいわゆる資本財というものだが、これを社会化すべきという論理で、この生産手段を独占することで「搾取」が起こるのだとしている。
ビットコインと生産手段の社会化
Bitcoinを初めて知った時、最初に浮かんだのがこの社会主義の目指す方向だった。なぜなら、Bitcoinというシステムを「生産手段」と考えると、それを独占している人がいないのに、正常にガバナンスが保たれているという状態を実現しているからだ。
ソ連の解体を見るまでもなく、理想はあったとしても、生産手段を公共化するというのは結局、政権が生産手段を独占するとイコールになり、結局のところ、政府に搾取される構図に変わっただけというのが社会主義の失敗に見える。
であれば、この分散型で各々が自分の利益のために動いていることが、全体のガバナンスにつながるという仕組みを備えた政治システムというのは、社会主義が抱える矛盾を取り除き、実際に稼働する政治システムができるのではないかという理想も見えてくる。
専制を生まない生産手段の社会化は可能？
ビットコインやその他の仮想通貨は、億り人のような言葉とともに資本主義の権化のような見られ方をしているかもしれないが、内包する仕組みは、実は理想の社会主義を実現するための大きなヒントが隠れているような気がするのだ。
Axie Infinityを運営するSky Mavis社のホームページにはこう記している
We’re nation-builders
その上で、ユーザーファスト、ユーザーがオーナーシップを持てる仕組みを提供するとしている。ユーザーがオーナーシップをもって、国家の運営を行うという仕組み。ゲームという「生産手段」はコミュニティ、つまり「社会」のものという思想が含まれている。
なので、生産手段の社会化を本当に目指すのなら、DAOやブロックチェーンの技術についてもっと知るべきだし、社会主義を目指したい人は興味を持つべきだと思うのだ。
今こそ二項対立ではなく、第三の道を考える時
今、政治における左右というのは「理想主義」対「現実主義」のように見られているかもしれない。それは、その理想があまりに現実からかけ離れているから支持が得られないだけで、もっとその理想を現実にする手段を本気で模索すべきと思う。
そうであれば、世界中で実験が行われているDAOによる生産手段の社会化に目を向けることは自然なことではないだろうか。
DAOでゴルフ場を買収するという話もある。このゴルフ場という生産手段はこれによって特定の支配者がいない、「社会化」を実現する。
これ、共産主義を指向するみなさんが理想としていた社会の仕組みに近いのではないか？
私の親世代は高度成長期で資本財というのは工場のラインであり、高価な生産設備であった。その資本を投下できる人にお金が集まって「資本家」対「労働者」という対立が起こった。
少なくとも私には、政治はここから進んでいないように見える。
資本財を社会化する手段がもう目の前にある。
そして、それを中央の支配者がいない状態でガバナンスを保つ仕組みも様々に研究されている。
だから、あなたが目指す理想の世界は、本当に実現するかもしれませんよ。
共産主義、社会主義を理想として活動している人にぜひこのNoteが届いて欲しい、そしてこの新しい動きから、本当に理想の社会が何なのか。生産手段が社会化され、さらにそれが適切に動く仕組みというのは本当に作れるのか、そんなことを考えるきっかけにしてほしいと思う。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか？