世界一の甘さと油で幸せを掴もう!

はじめに


突然ですが、幸せとは何でしょうか?

変な始まり方をしましたが、この記事は宗教・商売・政治的なアレソレとは一切関係ありません。安心してご覧ください。

で、そんな訳で今回は「特に意味も無いけど幸せを追っかけてみよう」というお話です。
ヤマもオチもイミもありませんけれど、危険な事も今回はあまりしませんので、とても人畜無害・安心安全な記事となっております。
因みにもし過激なのがお好きでしたら、以前上げたこの様な記事をおススメします。


さて、今回は幸せを追っかける回なのですが、追っかけるにはまず「幸せとは何か」について考えなければいけません。ある程度の形が分かっていなければ追いかけようがありませんからね。

しかし、「幸せとは何か、というのは非常に難しい問いである」という事はこれを読んでいる皆さんもお分かりの事でしょう。
この「幸せ」については遥か昔より、いろんな方がいろんな考えを持って論じてきたテーマで、その結論もまた人それぞれ。
絶対的な答えは、未だ見つかっていません。

よって、いささか強引ですが、今回私が幸せを追っかけるにあたって、私の私による私の為の「幸せの定義」を決めなければいけません。
さて、そんな訳で定義する「私にとって幸せとは何を意味するか」ですが、「外部刺激に対する脳内の反応であり、神経伝達を介して意識上に知覚される快感覚」の事を幸せと定義します。

呪文みたいですね。意識高過ぎてトんじゃった人のニオイを感じます。
当然このままでは宇宙人扱い待ったなしなので以下に説明します。
長いので面倒でしたら「コイツ宇宙人なんだな」と思いながら飛ばしてください。

まず幸せって「幸せな何か」が先に起こって、それに対して幸せだって感じるじゃないですか。
何も無い状態で急に「ああ~~~なんだか知らんけど最高に幸せ~~!!」とか多幸感に満ち溢れたらそれはそれで危ないと思うのです。
美味しい、とか、楽しい、とか、外部から嬉しい情報が入って、それに対して脳が「今良い情報入ってきた!幸せを感じさせろ!」と神経を伝達させる事で私達の意識に幸せが感じられる訳です。
大まかに言うと「外部からの好ましい刺激→刺激に反応して脳内で処理→神経伝達物質が流れる→幸せを知覚」という流れでしょうか。
ちなみにこの流れを利用して、「なら神経伝達物質をムリヤリ流せば何もなくても幸せを感じられるじゃん!」と利用されるのが麻薬と呼ばれる物です。
幸せは人工的に作れる、というのは、ある意味既に証明されている事なのです。

勿論、幸せの全てをそれで論じられる訳ではないです。
これはあくまで幸せの一つの側面をなぞった物に過ぎないのですが、まぁ他の側面は他の方にお任せするとして、今回私からはこの神経的な側面を前提として幸せを追っかけていこうと思います。

と言う訳で、幸せを生み出す脳内の仕組みを今回はハックしていきましょう!

β-エンドルフィンを出して幸せになろう!

β-エンドルフィン」という物質をご存じでしょうか。
名前位は聞いた事がある方もいるかもしれません。
このβ-エンドルフィンは、別名「脳内麻薬」と呼ばれていて、まぁ要はこれが流れると幸せを感じるというハッピー物質なのです。
これを脳内で生み出すには、例えば思いっきり頬を引っぱたいたりして痛覚を刺激するとか、疲労困憊になるまで運動をし続けるとかいう方法があるのですが、しかしこれらは物凄く体力を消費します。もしくは痛いです。

ではβ-エンドルフィンを出すにはそれ相応の苦痛を支払わないといけないのでしょうか?
いえいえ、ご安心ください。それとは別に、痛みも無くキツい思いも全くせずにβ-エンドルフィンを出す方法が、人間の体内には用意されているのです。

その方法とは、「甘い物や脂っこい物を食べる」。

甘い物や脂っこい物、つまりは炭水化物や脂質たっぷりのハイカロリーな物は、今でこそ健康の敵として忌み嫌われていますが、人が野生で暮らしていた時代ではまたと無いエネルギー源であり、生存にものすごーーく重要な食べ物でした。
で、そのせいかどうなのか、ヒトがそういった物を食べるとβ-エンドルフィンがガバガバ出る仕様になってしまったのです。
だから炭水化物+脂質の組み合わせであるラーメン次郎とかケーキとか、食べると超幸せになるのですね。あれは神経伝達物質的にも完全に合法麻薬なのです。

さて、じゃあ単純な疑問として、「それなら、超高炭水化物と超高脂質を混ぜたら超β-エンドルフィン出るんじゃないの?」と思いますよね。

という訳で、「世界一甘い食べ物を油で揚げたら世界一幸せになれるのか」
やっていきましょう!

準備

・グラブジャムン
・ラスグッラ
・サラダ油

「グラブジャムン」「ラスグッラ」とは、世界一甘い食べ物と言われているインドのお菓子です。
どちらもピンポン玉位の丸形ドーナツをシロップに沈めた見た目をしており、東京では新大久保なんかに行くと缶で売られていたりします。

作り方としては、グラブジャムンの場合「コア(インドやネパールの濃縮乳)1kg、小麦粉100g、砂糖2㎏」という、誤植を疑うような比率のドーナツ生地を捏ねて油で揚げ、それを更に砂糖シロップに漬け込んで完成。
食べると強烈な甘味が舌を刺すついでに口の中の水分が全て砂糖水に変わるという、ある意味貴重で激烈な体験を味わえるお菓子なのです。
Youtubeで検索をすると、数多のチャレンジャーが悶絶している姿が見られて面白いですよ。

ラスグッラの場合は、牛乳の固形部分を分離させて作った脂肪団子をグラブジャムン同様シロップに漬け込んだお菓子であり、こちらもまたYoutuber殺しで名高いやべー奴です。

さて、このまま食べても世界級の甘味は得られる訳ですが、先にも書きました通りβ-エンドルフィンは「高炭水化物」「高脂質」により放出されます。
つまり脂質が足りないですね。
という事で脂質を上げる一番簡単な方法、油で揚げてみましょう!


実行

最初から高温の油にブチ込む勇気は無いので、フライパンに油を十分に引いた状態でグラブジャムン及びラスグッラを並べてコンロのスイッチオン。

画像1


ああ^~~音ぉ~~~~^

ほんのちょっぴり焦げ目がついたら裏返し……。

画像2

出来上がり!

予想以上に美味しそうじゃありませんか!?
見た目だけで言えばどこかのお菓子屋が高級生スイーツとして売っていてもおかしくありません。とても私の作った料理とは思えない。
成分的に見ても、糖分と脂肪分を糖分に漬け込んだ物を更に脂肪分で揚げたハイカロリー仕様となっており、これはβ-エンドルフィンに対する高いポテンシャルを感じられます。期待大ですね。


では、まずグラブジャムン(茶色)から頂いてみましょう。
β-エンドルフィンへの期待を馳せ、いざ実食!


くぁwせdrftgyふじこl!!!!!!!!!!!!!!!!



……えっとですね。
何が起こったかというと、『噛んだ瞬間まず熱さが口を襲い、熱っ!と声に出そうとした瞬間激烈な甘さが舌を刺し、悶えそうになる所に断面から油が溢れ出てついでに謎のインド香が鼻腔に抜けて、もう熱いのか甘いのか脂っこいのかインドなのか、何をどう叫んだら良いか分からずひたすら奇声を上げながら悶えるしかない』という地獄みたいな状況が一瞬で展開されました。
端的に言って地獄。
β-エンドルフィンっていうよりノルアドレナリンとかコルチゾールとかですねコレ!どっちもストレスで増える奴!

いや、あれですね。
もうこの時点で確信したんだけど、幸せとはクソ程遠い。


続いてラスグッラ。
なんかもう答えは分かっている気もするけれど、今度はせめて熱さだけは回避できるよう気を付けて……。


……うん。
あったかくてクソ甘いスポンジ。
噛む度にキッシキッシ言いながら、水飴を3倍位甘くしたクソ甘汁と油がグシャァ……と溢れ出て来て、口の中が一色のペンキで塗り潰されるかの如く甘味それだけが支配していく……。

端的に言って、普通に不味い。幸せどころの話じゃない。
えっこれ全部食うの?ええ……

(追記:このあとひと月かけて完食しました。
ご馳走様でした。もう二度としません。)


反省と考察

さて、今回は惨憺たる結果に終わった訳ですが、一体何故そうなったのでしょう?
恐らく聡明な皆様ならお分かりの通り、そうですね、砂糖と油の量が多過ぎたのだと思います。
というか8割甘味ですね。甘味が全てを焼き尽くしていました。

さて、ここで問題。

「甘いという刺激でβ-エンドルフィンが出るならば、最大級の甘味刺激を与えれば良いという訳では無かった」

一見当たり前の事に思うかもしれませんが、しかしよくよく考えてみると不思議な事だと思いません?
だって弱刺激で1エンドルフィン出るなら、強刺激で5エンドルフィン位出るんじゃないかと思うじゃないですか。
でも実際はそうならなかった、どころか不快な気持ちになった。その仕組みは何故でしょう。
その理由になりそうな仮説をちょっと立ててみたのですが、やっぱりクソ長いので読み飛ばしboxに入れますね。

上に「人体にとって重要な物を摂取するとβ-エンドルフィンが流れる」と書きましたが、逆に腐った肉など、人体に毒となる物を口に入れた場合、大抵の人は不味くて吐き出しますし嫌な気持ちになりますよね。
そういった「人体にとって重要な物を口にすると気持ち良くなる」と同じかそれ以上に、「人体とって毒となる物を口にすると不快感が生じる」というのは人体を守る為の大事な機能なのです。
さて、では今回の「砂糖と油てんこ盛りボール」はどうでしょう。
結論から言えば「あまり身体によろしくない」です。
以下に理由を書くのですが、長い上で細かいので読み飛ばし推奨。
さて、ヒトの身体に大量の砂糖を一気にブチ込むと、もれなく血糖値が短時間で爆上がりします。
これを「血糖値スパイク」というのですが、これを何回も繰り返すと血管が痛んでしまうのです。
さらに大量の糖分が入って来た事で、身体さんは「血糖値高スギィ!下げてどうぞ」と大急ぎで指令を出して、血糖値を下げる「インスリン」という物質を出します。
……のですが、血糖値が急に爆上がりすると、焦ってインスリンを多く出し過ぎてしまうのです。
そしてその結果、かえって低血糖になってしまって怠くなったり動悸や冷汗が出たりする訳です。

とまぁそんなノリで、要はこの「砂糖と油てんこ盛りボール」を私の脳は危険物だと判断して不快感を呈したのではないかと思います。
意外と人間の身体は良く機能していますね。

まとめ

・甘味と油の摂取でヒトは幸せを得られるが、最大濃度のそれらを摂取すると地獄を見る。
・快刺激も強過ぎると不快になる。
・世界一甘い食べ物を油で揚げて食べるのは、本当に、心の底から止めておいた方が良い。

以上!解散!!

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