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RC造、コンクリートと鉄筋の相性

コンクリートの強度の弱点を鉄筋が補強していることはわかりましたね。
逆に言えば鉄筋の弱点である圧縮に弱い性質をコンクリートが補強しているとも言えます。

熱膨張の相性

異物同士で構造体を造るわけです。
建築物は特に躯体の基本構造を造るコンクリートです。
気温差による膨張は内部にひびや空間を生み出す原因になりかねません。
熱膨張係数は熱による体積の変化です。

内部の鉄筋が外気温度で体積を変えるとコンクリートの強度が低下してしまいます。

コンクリートと鉄筋は体感が同じ
誰が考えたか知りませんがよく考えられているRC造。
コンクリートと鉄筋は熱膨張係数がほとんど同じです。
1.0×10^(-5)・・・この意味は体積が1℃で10の‐5乗分膨張すると言う意味。

この数値は覚える必要はありませんが、それほど難しい数字でもありませんので覚えても良いと思います。

と言う訳でコンクリートと鉄筋は同じ体感だと覚えましょう。

鉄は熱に弱い

昔から「鉄は熱いうちに打て」と言いますが、鉄は熱で簡単に曲がります。
コンクリートは不燃材、熱で溶けるようになことはありません。(実際は溶解点はありますけど。)
使用上、火災等の高温でもコンクリートは溶けません。

そこで熱に弱い鉄筋をコンクリートで覆うことで弱点を補います。
RC造は「補強されたコンクリート」でしたが、引張強度をアップしてくれる代わりに鉄筋の弱点を守っていると言うことです。

鉄は錆びる

鉄は科学的にそれほど安定した物質ではありません。
その辺に放っておくと勝手に錆びちゃいますよね。
あれは酸化されて酸化鉄になる腐食です。
化学的には錆びるためには水が必要で、水があると鉄が溶けだし空気と反応して酸化鉄になります。
もうひとつ、鉄は酸に弱い。

鉄は水と空気(酸素)に弱く、特に酸性下ではあっという間に錆びます。
・・・
コンクリートはアルカリ性でしたね。
鉄にとっては錆びにくい環境を提供してくれるありがたい存在です。

コンクリートは水和反応で水を消費しているので硬化中に水分を消費します。そのため、含水量は少なく、鉄が溶けだす環境を防いでいます。

RC造の凄さがわかりましたか。
コンクリートは鉄筋と相互に弱点を補いながら強固な構造物を造っているわけです。

ちなみにSR造は鉄筋より引張強度が強い鉄骨を更に加えた工法です。
材料費も高くなるため用途は限られています。
その上にはコンクリート自体を鉄鋼で覆う構造の工法もあります。
いずれの費用対効果を考えた時にRC造がもっともコストパフォーマンスが良いため汎用性が高いと言えます。

このような相思相愛の鉄筋コンクリートの仲を裂くような奴がいます。
それがヒビです。

ヒビは鉄筋にとって住みやすいコンクリート環境を破壊する悪い奴です。
次回はヒビの話です。
恋愛の話になるかも・・だって「恋仲にヒビが入るっていいますよね」



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