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分譲マンション管理組合の監事って何するの?(5)理事会の対応

「おいおい、辞めることを勧めるとは何だ!!」

理事長や他の役員から批判があることは十分承知していますが、人の心のありようは様々です。

病んでまでマンション管理組合の役職はやるべきことなのでしょうか。

マンションを買った時のわくわく感の果てがそれでは悲しすぎます。

永遠にやらないと言っているわけではありません。

人間の相性やその時の心の状況で病むぐらいだったらその期間は辞めて次の時に義務を果たせば良いと言っています。
とは言え、辞められた理事会や管理組合は大変です。

そこで、このような事態が発生した時の対応方法を説明します。

説明は2つです。

事前に準備する

事前に規約や理事会細則で役員の辞任への対応を記載することには賛否はあります。

辞めても次はいると思えば辞めやすい環境になるのではないかと言う意見です。

確かに言われることもわかりますが、転出を前提に考えれば備えておくべきです。

臨時総会を開催する手間暇を考えてください。

1、予備役員を選出しておく

この方法は来期の役員を選任する時に転出等に備え、1~2名程度の予備候補を選出しておく方法です。

その上で、規約に転出等により役員に不足が発生した場合、理事長は理事会の承認の上で予備候補が転出等により辞任する役員の職を引継ぐものとすると記載すれば良いでしょう。

この時の任期は辞任した者の後任と言うことになります。

2、役員数に幅を持たせておく

規約には理事〇名、監事〇名と書かれていることが一般的です。

この記述を現在数より少ない数からに変更します。

現在理事5名、監事2名であれば、理事4~5名、監事1~2名と変更します。

監事はどうしても複数体制にする必要がある点が問題になりますが、臨時総会を開くよりは良い方法とも言えます。

3、規約に対処方法を記載しておく

おそらく、もっとも多くの組合が採用している方法だと思います。

規約に次のような文面を定める方法です。

「組合員である役員が死亡、転出、その他の事情により任期途中で欠員が生じた場合には、組合員から補欠の役員を理事会の決議で選任することができる」

これにより役員(理事と監事)に欠員が生じても理事会の議決で後任者を決めることができます。

*理事会が監事を選ぶことへの批判

理事会を監査する立場の組合員を理事会が選ぶことに異論を唱える方が多くいます。

確かに言われることは良く分かりますが、元々管理組合は組合員で構成された団体です。

その中から各役員を選出するルール(標準管理規約)が示されている以上、違法と言えないと思います。

発生した後に対応する

規約で事前に準備をしていない場合は、臨時総会を行う必要が生じます。

臨時総会で不足した役員を選任することも良いでしょうが、今後に対処できるために、規約の改定を一気に実行してしまうことがお勧めです。

その理由としては、役員の欠員になると臨時総会が必要なことが組合員にも周知出来、同様の事態が生じる度にこれを繰返すことになると説明すれば規約に改定に対して合意は得やすいのではないでしょうか。

この場合、規約の変更になるため、出来れば事前の説明会を開催して変更点を説明します。(臨時総会をスムーズに終わらせるため)

規約変更では特別議決(3/4以上の合意)が必要になりますが、それが難しい場合には、理事会運用細則として上程すれば普通議決(過半数以上)で承認を得ることが出来ます。

避けるべき方法

役員や監事の不足状態で理事会を運営し続けることは避けるべきです。

役員が規約で定めた数を下回った状態で理事会を運営することは法的に違法ではありません。

その理由は標準管理規約が法律ではなく指針であり、区分所有法では法人管理組合以外の理事会制を規定していません。

これは監事についても同様です。

法人管理組合以外が監事を設置しなくても法的に違法ではありません。

ただし、組合員から監事を設置していない組合の運営が、監事が在籍していない期間の運営が無効だと訴えられる可能性があることは知っておくべきでしょう。

まとめ

役員に欠員が発生した場合の管理組合に対処方法をまとめました。

臨時総会のように時間がかかる運営を行うことは、組合員にとっても利益になることは少ないと思います。

そのために理事会内で対処が出来る様に事前に規約、理事会細則等に定めておくことを説明しました。

次回は監事の2つの監査業務を説明します。

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