登-16 質権と抵当権の違いって何?
物件は理解できましたか?
今回は質権と抵当権の違いについて理解しましょう。
担保物権を知る
質権も抵当権も担保物権です。
担保物権とは、お金を借りた人(債権者)に対して債権の担保として債務の弁済が済むまで担保として提供します。
債務の支払いが滞った時は、担保の処分により優先的に弁済を受ける物権です。
質権とは
質権と言えば「質屋さん」が有名ですけど、利用したことがありますか?
質種(しちぐさ)というお金を貸す価値があるものを質屋に持っていき現金を借りる方法です。
一定期間に債務を支払う、あるは利息を支払うことで預けた品の所有権を失わずに済みまずが、返済が滞ると預けた品の所有権を失いますが、債務も完済されます。(これを質流れと言います)
質権の特徴は
お金を借りる時に担保を債権者に預けることです。
預けてしまうとお金を借りた側は、完済するまで自由に使用することができなくなります。
これが質権の最大の特徴です。
抵当権とは
有名な抵当権には不動産売買契約に伴う抵当権設定契約があります。
金融機関から自宅購入を借入、担保として購入した物件に抵当権を設定する方法です。
返済が滞れば抵当物件は競売にかけられ、借入額が弁済されます。
抵当権の特徴は
質権と違い抵当権には担保を債権者に預ける必要がありません。
債務の返済中も自由に使用することができることが質権との違いです。
また、担保を売却することができる点も大きな特徴です。
(抵当権物権でも売買はできますよね)
覚えて欲しいこと
質権も抵当権も債務に担保を提供する点では同じですが、質権は担保を預けるため債務の返済までは自由に使用することができません。
これに対して抵当権は担保を預ける必要がなく、債務者は返済中も自由に使用すること、利益を生む行為もできる、所有権の売却もできる違いがあることを覚えましょう。
契約の性質が違う
質権は担保を渡す必要があるので要物契約になります。
渡すことを約束しただけでは契約は成立しませんので注意してくださいね。これに対して抵当権は当事者間の了承だけで成立する諾成契約になります。
物上保証人
質権、抵当権に債権者に提供される担保は、債務者の所有物である必要はありません。
質権に物上保証人があるって知ってましたか?
「これ貸して、質に入れてお金借りる」
彼氏と彼女の会話にありそうな話ですけど(笑)
第三者が債務者のために所有物を担保として提供することも可能です。
この第三者を物上保証人と言います。
*連帯保証人とは違いますよ。抵当権はあくまでも返済が滞った時に売却により弁済する契約です。
提供した担保は売買されますが、それ以上の請求を受けることはありません。
求償権
第三者がわざわざ、担保を提供してくれたのに、返済を滞った場合、担保は処分されてしまいます。
「おいおいおい、せっかく応援したのに・・」
「どーするの、必ず返すって言ったよね」
まー当然、そうなりますよね。
第三者は、債務者に弁償を要求しますよね。
この権利を求償権と言います。
大体、他人の物でお金を借りようとすること自体が間違いです。
しっかりと求償権を使って回収してくださいね。
次回は不動産の質権ってあるの?
抵当権についてさらに深く理解しましょう。