041‐滅失による建替えへ反対した者への排除の手順(1)
問題
解答
3
解説
大規模滅失により建替えを選択した時の区分所有法62条(建替え議決)については説明しました。
建替え議決が終了すると議決に賛成した区分所有者と反対、あるいは意思表示をしなかった区分所有者(以下、反対者等と言う)は異なる立場になります。
賛成者は円滑な建替え工事の遂行を進めるたいと思いますが、その時に反対者等はある意味厄介な存在になります。
そこで、区分所有法63条では、反対者等をマンションから退去させる手続きを定めています。
最終意思確認
重要なポイントになりますが、建替え決議で反対、意思表示をしなかった区分所有者に対して「本当に反対で良いですね」と書面で確認を求めます。
最終意思確認を行うことがスタートです。
建替えでは、反対者に厳しい行動を迫ることになります。
建替え決議を主催した人は、書面、メール等の電磁的方法(事前に承認を求めることが必要)によって催告します。
返事の猶予期間は催告日から2カ月以内です。
覚えることは誰が、誰に、何を、いつまでに催告するかです。
誰が:建替え議決主催者
誰に:議決に反対、意思を示さなかった区分所有者
何を:参加しませんね
いつまで:催告日から2カ月以内
猶予期間の賛成者
催告を出して2カ月の間に賛成者は、次のことを準備します。
猶予期間が過ぎると反対者(不参加者)には、マンションから速やかに退去してくださいと物件の売渡を請求します。
退去を促す以上、退去後の生活費等に支障をきたすことのないように金銭を渡す意味もあります。
しかし、賛成者も被災者です。
その上、これから建替え費用も必要になります。
売渡し請求をしてもそのお金を出すことができない方も多くいるでしょう。
そこで、猶予期間に買取業者を選定する作業を行います。
この業者のことを「買受指定者」と言います。
「買受指定者」には、賛成者全員の同意が必要になります。
*復旧議決の買取指定者の合意と同じです。
2カ月間後
催告の猶予期間は2カ月です。
その間に反対者は次の生活の準備を行うことになります。
あるいは、意思を変える方もいるでしょう。
金策を含め簡単に「賛成します」とは言えません。
しかし、建替え議決の通知からここまで4カ月以上あります。
そろそろ決断するべきと法律は定めています。
催告に対して返事をしない場合も反対と見なされます。
猶予期間が過ぎる建替え議決に参加する人と不参加の人がはっきりわかります。
ここからが、不参加者への強い請求行動がはじまります。
売渡請求
参加しないならとっととマンションから退去してください。
専有部分と敷地利用権を売渡してくださいと請求することが出来ます。(区分所有法63条5項)
建替え議決後の流れです。
*参考までに
2023年までに実際に建替え議決まで行われたマンションに関するデータでは、売渡請求に進んだ区分所有者の割合は1%だそうです。
ほとんどの方は、建替えに参加され、不参加を選択した方も売渡請求を受ける前に自主売却され退去する方が多い結果があります。
設問への回答
復旧議決の際は、復旧工事に参加しない人が賛成者に自分の専有部分と敷地利用権を買取請求が出来ました。
今回の建替え議決は、建替えに参加する方が参加しない方に売渡請求ができると定めています。
この請求は断ることが出来ず、請求を受けた時点で契約は成立します。
強制力が強い請求です。
今回の設問にある「区分所有権の譲渡はいつ行われるか。」と言う点では、請求が届いた時に譲渡は行われることになります。
当然、請求を受けた側は、代金の支払いを求めますが、支払に滞りが生じないように売渡請求を行う前に買受指定者を決め、速やかに同時履行ができる状況を事前に準備します。
と言う訳で答えは3になります。
建替え議決を定めた区分所有法63条には続きがあります。
1、売渡を求められた者の保護を定めた条文(6項)
2、建替え工事に支障が発生した時の進め方を定めた条文(7、8項)
これについては、042で説明します。
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