029‐マン管過去問 平成14年度問5、違反行為
問題
解答
4
解説
設問1
設問を読むと何?と思うかもしれませんが、迷惑行為等の被害がある時は、誰でも相手を訴えることはできます。
これはマンションに限ったことではありません。
今回の設問は、区分所有者の誰でも個人として占有者から被害を受けたと思えば訴えることができると書かれています。
また、法人として、管理者として、総会で選ばれた人が訴えることもできます。
以上のことより設問は〇になります。
設問2
この問題はかなり難しい設問です。
おいおい、賃貸人まで訴えるとは聞いてないよ。
そうですね。
確かにこれまでの説明では訴える人は占有者と説明していました。
法律の定めと実務の違いと考えてください。
賃貸人は迷惑行為を続ける賃借人に信頼関係の損失を理由に賃貸借契約の解除を求めますが、賃借人が応じない場合、強制的に退去させることは事実上不可能です。
このような過程は管理組合も当然に把握していて、占有者(この時点で無権占有者になっている)の退去が賃貸人とっても利益になります。
そこで、契約関係にある賃貸人、賃借人を同時に訴えることになります。
以上のことより設問は〇になります。
意地悪な質問ですが、これも試験です。
設問3
これは簡単ですよね。
総会、あるいは総会前に関係者に対して迷惑行為を続ける占有者から弁明の機会を与える必要がありましたね。
ただし、弁明の機会を与える必要があるのは、区分所有法58、59、60条に定めている生活の場を奪うような強い請求をする場合に限定されます。
区分所有者は、迷惑行為をしていません。
ただ、行為の停止を要求しても辞めなかった占有者に対しては賃貸借契約の基本である信頼関係の欠損にあたり、契約の解除を要求することが一般的です。
賃貸借契約は賃借人がとても優位な契約です。
そのため、設問3のような手法が取られます。
以上のことより設問は〇になります。
設問4
何とも間の抜けた設問ですが、迷惑行為を止めても、その後も止める保証はありません。
訴訟、判決が確定されている以上、確定事項です。
管理組合から温情を与えることがあるかもしれません(聞いたことはありませんけど)が、被告である当事者が引渡しを拒否することはできません。
以上のことより設問は✖になります。
設問2が難しかったかもしれませんが、設問4は容易に✖とわかります。
問題としては簡単な部類ですね。