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No-33 受水槽で覚えるポイントは何?

専有水道、簡易専有水道で利用される受水(貯水)槽ですが、受水槽の構造要件は建築基準法で定められています。

試験でも比較的よく出題される設備です。
正しく、覚えて確実に点数に結び付けましょう。

六面点検が基本

受水槽は以前は地下に設置されていましたが、改訂で6面(上下左右前後)点検が出来ることが設置要件になりました。
各壁面から60㎝以上の保守空間の設置義務もあります。
要は、各床壁から60cm以上、離して設置することです。
天井からは100㎝以上離して設置することです。
これにより、受水槽外側の目視点検は可能になります。

点検は内部におよぶ

受水槽内部の点検が必要です。
内部を確認するためには、中に入る必要があります。
人が中にはいるためにタンクには梯子が必要です。
また、出入り用の入口が必要です。
これをマンホールと言います。
マンホールの設置要件を皆さんは2箇所、直径60㎝、10㎝以上の立ちあがりと覚えますよね。
しかし、2箇所以上は要件ではなく、「望ましい」と言う定義です。

ところでなぜ2か所なのでしょうか。

受水槽を清掃中、館内は断水するでしょうか。
答えは「しません。」
なぜなら、次のような文面が定められているためにです。
「貯水槽は清掃時に断水しないように、2基もうけるか、又は2分割する」
多くのマンションでは敷地有効利用のために2分割タイプの受水槽を採用しています。
・・はい、マンホールが2箇所、付いているわけが理解できましたね。

多くの受水槽は内部で分割

受水槽は故障や汚染への保険として内部に2つの独立槽を持っていると考えてください。
片側に何か起きても断水をせずに片側が稼働するシステムを採用しています。
見た目は1基でも中は2基あると考えてください。
各基は一定時間ごとに交代で稼働します。
ポンプの耐久年数を長くするための配慮になります。

受水槽の材質規定

受水槽の材料は特定されていません。
「水質に影響をおよぼさないもの」と定められています。
主に使用される材質としてはステンレスと樹脂(FRP)です。
光を通さない材質が一般的ですが、透明にすることで内部の様子が確認しやすいと言う理由で透明樹脂を使用することがありますが、植物の光合成があきるため注意が必要になります。

受水槽への給水

受水槽の給水はオーバーフロー法が用いられます。
トイレの給水タンクと原理は同じです。
(ボールタップを使用します)
使用された量を補充、一定の高さになると給水が止まります。
オーバーフローした水は受水槽に取付けられたオーバーフロー管(越流管)から排出されます。

受水槽で覚えるポイント

どのテキストに書かれていることですが、管理業務主任者とマンション管理士では覚えるべき範囲が異なります。

管理業務主任者向け
1、受水槽の流入管(水道管との連結部)には遮断弁の設置が必要。
2、吐出空間とは給水吐出口の下部からオーバーフロー管上部の空間の事で吐出口空間と言う
3、受水槽の有効容量は管内給水ポンプの上部からオーバーフロー管下部までの容積。
4、点検口は防水密閉マンホールの設置と施錠が義務。
5、オーバーフロー管と排水管は直接つなぐことは禁止。
6、排水管はトラップ(受け口)の設置が必要。
7、オーバーフロー管排出口には防虫網を設置する。
8、受水槽には1つ以上のの通気管の設置が義務、先端は防虫網を設置する。
9、受水槽の底部に水抜き用の弁を設置する。
10、底部水抜き用排水口は、排水管と直結しないこと。
11、排水管はトラップ(受け口)の設置が必要。
12、排水管口空間(排水管直径の2倍程度 最小150mm 以上)を確保すること。
13、受水槽の底部は、1/100以上の勾配をつけること。

以上です。

マンション管理士は+次の知識をインプット
1、地下に受水槽を設ける時は底部に漏水検知器等の設置をすること。
2、受水槽の上にポンプ、空調設備の設置をしないこと。
3、受水槽のふたは1/100以上の勾配をつけること
4、受水槽には水位維持のために電極棒が設置され、満水、減水等の長さがことなる電極が設置されている。

以上です。

次回は高所水槽と給水システムです。






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