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#11 コンクリートの不具合・コールドジョイント
打設作業についてはイメージできましたか?
あれだけ手間暇をかけても打設作業では不具合が発生します。
その代表がコールドジョイントです。
コールドジョイント
![](https://assets.st-note.com/img/1673258190405-YwkauHderA.png?width=1200)
写真からのわかるように壁に地層のような境が確認できます。
これがコールードジョイントです。
発生原因は打設作業を理解していれば分かりますね。
何らかの理由でコンクリートの打込間隔が空いてしまったことが原因です。
コールドジョイントの問題点
コンクリートのつなぎ目は強度的な問題もありますが、どちら層も圧縮強度が規格以上であれば構造体としての荷重に対する強度不足が問題になります。
しかし、隙間がある以上大きな荷重によって地滑りのような事態を招くこともあり、致命的な欠陥と言えます。
もっとも重要な問題はコールドジョイントは隙間(境界線)だと言うことです。
一般的なヒビはコンクリート表面に発生しますが、その深さは比較的浅く、コールドジョイントの様に壁全体に存在することは稀です。
![](https://assets.st-note.com/img/1673258987743-PpdXmaDJZI.png)
この隙間がコンクリートの内部まで水分や二酸化炭素を運ぶ通路になります。
ヒビとは影響が桁違いに大きく出ます。
コンクリート内に水や二酸化炭素が入り込むとコンクリートのアルカリ性は徐々に中性化します。
その結果、コンクリート内の鉄筋を腐食される環境が早期に出来上がり、建物全体の劣化を早めることが問題になります。
鉄筋が錆びるメカニズム
コンクリートのヒビから水や二酸化炭素が鉄骨に直接作用して錆びる訳ではありません。
コンクリートが中性化した結果が鉄が錆びやすい環境になるためです。
この点は試験でよく出る部分です。
鉄筋コンクリート内では鉄筋は完全にコンクリートと密着した状態にあります。
そのため、空気(水)に触れることはありません。
鉄筋とコンクリートの相性は非常に良く、鉄はアルカリ性では錆が起きにくく、コンクリートは弱アルカリ性の環境を提供します。
しかし、コンクリート表面にヒビ等の亀裂があるとその隙間から空気(水、二酸化炭素)が入り込みます。
徐々にアルカリ性は失われ、その範囲は奧に広がり、最終的に鉄筋部分まで影響を与えます。
アルカリ性環境を失い、水が存在すれば鉄は酸化し、錆はじめ、強度を失い、体積も膨張します。
これが鉄筋が錆びるメカニズムです。
決して二酸化炭素が直接に鉄を錆びさせているわけではなく、アルカリ性環境を破壊することで鉄が水と反応しやすい環境にしてしまうことが原因です。
コールドジョイントの修繕
![](https://assets.st-note.com/img/1673332261703-kxRcrW5H6k.png?width=1200)
基本的にヒビの修繕と同じです。
修繕範囲が広いこと、コールドジョインの状況によって修繕方法が異なることがありますが、もっとも代表的な方法は外気と接する部分を除去(はつり)中の空間にポリマーを充填、同じ組成のコンクリートで埋める方法です。
この方法はヒビでも用いられる方法です。
試験にも出題されています。
しっかりとイメージを頭に入れてください。
次回はジャンカジャンカジャンカジャンカ♪