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No-25 開口部に使用されるガラスの特徴を覚える
開口部に設置される設備は、扉と窓ですが、扉は防火扉、サッシは構造と交換工事を説明しました。
今回はサッシに使用されるガラスです。
ガラスは開口部から光を取込む重要な役目がありますが、それ以外にも防犯、プライバシー、生活環境(温度)、防災、防音の役目もあります。
ガラスの名前は役目毎に覚えると効率的に身に付きます。
また、フィールドの日常生活で確認できる項目です。
ガラスの防犯性
ガラス自体に簡単に打ち破られない工夫がされたガラスを「防犯ガラス」といいます。
防犯ガラスは2枚のガラスの間に約0.76mm以上の丈夫な中間層を挟み込むことで、簡単に打ち破られない工夫がされています。
このように2枚以上のガラスの間にフォルムを挟む構造のガラスは合わせガラスと言われます。
防犯目的や防音目的に使用されます。
*泥棒が窓を割って侵入することを防ぎます。
![](https://assets.st-note.com/img/1675846606664-PQQTcO8biL.png)
合わせガラスの板ガラスの種類を変えると防犯性とともに他のガラスの特性(例えば省エネガラス)を持たせることができます。
ガラスの防火性・防災性
ガラスは熱に弱いのはご存じですよね。
火災時にガラスが溶ける状態はすでに火が全体に広がっています。
火災で怖いのは爆発などでガラスが破損、床に破片が飛び散り避難を妨げることです。(これは地震でも同じです)
この事態を避けるためのガラスが網入りガラスです。
また、ガラスに穴が開かないため、火の侵入を防ぐ効果もあります。
そのため防火設備に指定されています。
「ワイヤー入りガラス」「防火設備用ガラス」とも言われます。
多くのマンションでは共用廊下側に設置されています。
防犯用と誤解している方も多いので、しっかり覚えてください。
似たガラスに線入りガラスがあります。
商業用ビルに採用されている透明で綺麗に模様にような線が確認できるガラスです。
![](https://assets.st-note.com/img/1675847394897-3VK1PnkUXc.jpg?width=1200)
このガラスは防火設備には認定されていません。
網入りガラスと線入りガラスの違いを覚えてください。
防火や防災に利用されるガラスに強化ガラスがあります。
耐風圧強度は、約3.5倍~4倍と大変強くなります。
また、万が一割れた場合でも、ガラス全体が粒状に割れますので、避難時や破片による負傷を防ぐことができる安全なガラスです。
ガラスの遮音性
合わせガラスの中間膜に吸音性の高いシートを使用します。
先程も合わせガラスの防犯性で説明しましたが、合わせガラスは挟むシートによって特徴を変えることができます。
ガラスの耐熱、断熱性
最近話題の省エネガラスに使用されるガラスが複層ガラスです。
二枚のガラスの間に乾燥空気層を入れる特徴があります。
熱伝導に寄与する水分を減らし、空気を媒介することで熱の伝わりを押さえることができます。
合わせガラスとの違いは合わせガラスはシートを挟み密着させる構造。
複層ガラスは二枚のガラスの間に空間がある構造。
この違いをしっかり覚えてください。
![](https://assets.st-note.com/img/1675849682021-9TT92hsIAs.png)
省エネガラス
複層ガラスのひとつに注目されている省エネガラスがあります。
別名Low-E(ローイー)ガラスと言います。
ガラスの表面にLow-E膜といわれる特殊な金属膜(酸化錫や銀)をコーティングしたガラスことで熱を遮断する効果があります。
Low-Eガラスにはタイプがあります。
![](https://assets.st-note.com/img/1676003645573-Ma4u03q4ke.png?width=1200)
外ガラスの内側にLow-E金属膜を塗布したガラスは太陽熱を室内に入れない効果があります。これを遮熱タイプと言います。
室内ガラスの内側にLow-E金属膜を塗布したガラスは室内の熱を外部に逃がさない効果があります。これを断熱タイプと言います。
両面に塗布したタイプもありますが、価格が高くコスパを考えるとどちらかのタイプを選択する方法が一般的です。
寒い地域は断熱タイプを使用するケースが多いですね。
以上が試験に出題されるガラスと用途についてです。
次回はすりガラスなどプライバシー、生活環境(温度)、結露と適正環境を説明します。