#12 コンクリートの不具合・ジャンカ・砂すじ
ジャンカ
コンクリートの不具合でコールドジョイントと同じように問題になるジャンカ(豆板、す)についての説明です。
「この大根、すが入っている」と言いますよね。
あれに似た状態でコンクリートがすっかすっかで骨材だけが残った状態がジャンカです。
ジャンカの発生原因
ジャンカが発生する原因のひとつは充填ミスです。
特に型枠の隅の充填が不十分な場合に発生します。
そのため、打込作業(コンクリートを枠に流し込む作業)では棒を使って隙間が発生しないようにします。
もうひとつの原因は型枠の密閉度不足です。
型枠は水が流れ出さないようにしっかりと密閉性を高めますが、これが不十分だとコンクリート中の水分だけが流れ出し、骨材だけが残ります。
この状態で固まるとジャンカになります。
ジャイカの問題点
コンクリートの強度は密度が一定以上必要です。
ジャイカは空間があるため構造体としての強度が不足します。
さらに表面に大きな空間があるため容易に空気の内部への侵入を許します。
そのため、ジャイカは状態により修繕方法は違いますが、必ず修繕を行う必要があります。
ジャイカの修繕方法
程度によりますが、基本はジャイカになっている部分を除去(はるつ)後に樹脂セメント等で充填します。
コールドジョイントの修繕と原理は一緒ですが方法が違います。
コールドジョイントは線状に修復しますが、ジャイカは面で修復します。
砂すじ
基本はジャイカと発生原因は同じです。
コンクリートの成分セメント、水、砂(細骨材)、砂利(骨材)でしたが、型枠の隙間から水だけが滲みだした際に起きる現象です。
ジャイカは骨材が残り、砂すじは砂が残った状態です。
水が染み出すため筋状に発生するため砂すじと言われています。
ツルツルのコンパネ表面を触っているとざらざらとした部分があります。
それが砂すじです。
その他の不具合
これ以外にも目違い、ピンホールなどの不具合があります。
恐らく試験に出る可能性は低いと思いますが、現象と原因だけは覚えておきましょう。
目違い
打込時に重量のあるコンクリート側圧に耐えられずコンパネが孕むとパネルごとに段差ができてしまう現象が発生します。
これが目違いです。
張り出していることが写真からもわかりますよね。
この場合、孕んでしまった部分を削り(はつり)、補修をすることになります。
ピンホール
コンクリートを打込んだ後に振動等による脱気が不十分な状態で硬化が進むとコンクリート内部に空気が残ります。
外観上の見栄えの問題もありますが、気泡内部のヒビなどは確認できません。
修繕方法は樹脂やコンクリートで表面を上塗りした上で削り、磨くことで穴を埋める方法があります。
マンション躯体の基本構造になるコンクリートについて打設現場の作業から試験に関係する知識をまとめました。
次回はコンクリートと鉄筋の相性をまとめます。