No-40 ピロティー構造を知る
1階部分を複数の柱で支え、その上に住居部分を建てるピロティー構造のマンションは、敷地の確保が難しい都市部ではよく見かけるマンションの形態です。
駐車場や駐輪場として利用価値が高く、雨風を防げる利点も多くピロティー構造を一部採用するマンションを含めるとすぐに見つけることができます。
一方でピロティー構造は地震に弱いと言われます。
その理由のひとつが構造壁の面積が少ないことです。
躯体の重量を柱だけで支える構造は、地震には弱くそのため、補強に関する試験問題が度々、出題されています。
しっかり覚えましょう。
ピロティー構造が地震に弱い理由
ピロティー構造の模式図を示します。
重いマンションの躯体を柱で支えることで1階に広い自由空間を生み出す構造です。
柱には躯体重量と家具や施設の荷重がかかります。
コンクリートは圧縮に強く、水平の力(引張り)には弱い性質があり、これを補強するために内部に鉄筋(圧縮に弱く、引張りに強い)を入れることで両者の弱点を補うことができる鉄筋コンクリートがマンションでは利用されます。
地震発生時の柱
地震が発生すると躯体は揺れはじめ、水平力と捻じれ力が躯体を支える柱に加わります。
その結果、柱の耐力が耐え切れず折れたり、ヒビがはいります。
躯体は傾いたり、押し潰れりするため、大きな被害に繋がります。
補修工事
ピロティー構造の補強には幾つかあります。
1、柱そのものを補強
ピロティー構造の補強でもっとも汎用性が高い方法です。
炭素繊維を巻きつけることで、柱の剛性(曲げ・ねじりなどの力に対して歪(ゆが)まない性質)を向上させることが目的です。
これ以外にも柱の太さを大きくするなどの方法があります。
2、耐力壁をバランスよく配置
柱と柱の空間に鉄筋入りの耐力壁を配置する方法です。
この時、耐力壁以外の壁では補強できません。
3、ブレースの設置
ブレース(鉄骨製で筋交い構造)を設置する。
耐力壁より補強工事が容易にできる利点があります。
採光も得られことも魅力のひとつです。
4、設置場所は専門家が決める
耐力壁やブレースの設置場所は、躯体全体との耐震性です。
専門家が構造計算を行い、適切な場所に設置します。
5、ピロティー構造の注意点(試験のポイント)
以下の点がポイントです。
1)ピロティー構造の補強はピロティ構造がある階に行う必要がある。
2)補強は効果的な箇所に必要数を設置する必要がある。
3)補強には剛性の向上を目的とした柱の補強と空間を補強する方法がある。
では、過去問を解いてみましょう。
管理業務主任者 過去問解説 平成22年 問26
正解は「1」です。