#21 ヒビの幅別、修繕方法の解説
前回は、外壁タイプによるヒビの特徴を説明しました。
打ちっぱなしでもモルタル塗装でもヒビは幅によって修繕方法に違いがあることは理解できましたか。
今回は修繕現場の写真を見ながら修繕方法を頭に留めてください。
試験で絶対役立ちます。
ヒビの幅別の修繕方法
1、被覆法
0.2mm以下のヒビは樹脂等をヒビの隙間に充填することが難しいため、面として埋める方法になります。
この方法は細かなヒビ(蜘蛛の巣上)がたくさんある時に使われます。
溝に充填出来ないから表面をコートしてしまう方法と理解すると良いでしょう。
被覆法はヒビは修繕後も存在しています。
目的はヒビの隙間から入る水、空気(CO2)を被膜で防ぎ、内部に侵入させないことです。
2、注入法
注入法には手動式、機械式、自動式の方式と注入する厚手分類する高圧注入法と低圧注入法があります。
用途はヒビの状況で異なりますが、マンション関係の試験にはそこまでは出題されません。
高圧、低圧の違いはヒビの大きさと充填する材料の粘性で決まります。
低圧注入法は粘性が低く、少量の充填剤を注射器等で充填する方法です。
高圧注入法はエポキシ樹脂など高粘度の充填剤を高圧ポンプで注入します。
機械的に押し込む為、樹脂が固まらない限り連続的に行うことができます。
(注入圧、1MPa~35MPa以上)
人の力では押し込むことが出来ない、0.2mm以下のヒビに使用されることもあります。
試験には主に低圧注入法が出題されています。
コンクリートの壁に針治療を行っているみたいです。
非常に修繕方法がよくわかる図と写真ですよね。
注入法はヒビの隙間にポリマー等を充填して水、空気(CO2)の侵入を防ぎます。さらにヒビ表面をシール材で覆います。
充填材
ヒビの修繕に使用される充填材は、エポキシ樹脂が使用されます。
また、シール材も(パテ状)エポキシ樹脂が使用されます。
形状が異なると覚え、ヒビの修繕はエポキシ樹脂が主役と覚えれば良いでしょう。
そのため、注入法はエポキシ樹脂注入法と言われることもあります。
可とう性エポキシ樹脂
特徴は0.2㎜以下の小さなヒビにも入り込む優れものでです。
柔軟性がある樹脂で細かいヒビが広がっている時に使用すると効果が大きいと言われます。(建築の世界ではヒビの挙動性に追従する・・と言うらしいです)
試験にも出たことがあるので可とう性エポキシ樹脂は覚えてください。
充填法
ヒビの幅が1.0mm以上と広いため、ヒビそのものを取除くことを目的にしています。
ヒビが発生している部分を幅10㎜、深さ15㎜程度に削り取ります。
*斫(はつ)るわけではないので注意してください。
これでコンクリート表面にあるヒビはなくなります。
奧にヒビが残っている場合、注入法で埋めることもありますが、充填した樹脂がヒビの内部にも入るのでそのままにすることが一般的です。
削り取る形状がU字型をしていることからUカット充填法と言われます。
Uカットした部分にシール材やエポキシ樹脂を充填します。
表面をモルタルセメンで埋めます。
図では可とう性になっていますが、充填材は様々です。
斫り法
ヒビが大きく充填では塞ぎきれない場合、あるいは鉄筋までヒビが到達しているような場合に使用する修繕方法です。
ヒビが鉄筋まで影響している場合に部分的にコンクリートを破壊して修理します。
削り取るとの違いを理解するために掲載しました。
次回はサイディング外壁の修繕です。