にし茶屋街の表と裏【金沢市増泉一丁目】
尾山神社前のバラック商店街を訪ねた(https://note.com/ca31500625/n/n4ba429ba462e)後は、タクシーでにし茶屋街へ。
ひがし茶屋街、主計町茶屋街に比べ知名度は劣るにし茶屋街、規模もそんなに大きくなく本当にすぐ回れてしまいます。
実はここ、表は古い街並みですが裏は連れ出しスナックの面影を残す色街なんです。
にし茶屋街の古い街並み
リノベーションして新たに商売を営んでいるところもあれば、普通に住居として使われているところもあります。
すぐ手前は人形ミュージアム、その隣は甘味処。
ここは宿泊施設のよう。泊まってみたい。
奥まで進むとそれまでの日本家屋とは雰囲気の違う建物が現れます。
ここは「西検番事務所」。芸妓の稽古場で、今でも使われているみたいです。
「検番」ってどこかでも聞いたなあと思ったら、片山津温泉にもあるんですよね。西検番事務所は部外者は入れないようですが、片山津の検番事務所は内部が体験コーナー・展示コーナーになっていた覚えがあります。
片山津にはもう芸妓さんはいないので、観光客向けに改装したということでしょう。
実は片山津温泉もなかなかディープな場所です。遠くて行くの大変なんですが、また再訪したいと思います。
左の小上がりを上がると稽古場なのかな?
壁には芸妓さん(もしくは舞妓さん?)の名前が書かれたうちわ。
夏祭りの際に使ってるんじゃないかなと思いますが。
日本の伝統文化が色濃く残る貴重な例ですが、一方で「児童労働」とも批判される芸妓文化。確かみんな15歳とかで入るんでしたっけ。
売春はしない(表向きは)といえども酔客相手の商売ですからね・・・
スナック街に行く前に、寺町寺院群近くの生活地域を少しだけ歩きます。
西検番事務所を左手にそのまま進んでいくと、こういう昔ながらの家屋がそのまま残っているところが多く認められます。
それにしてもここはデカい、2階の窓の形からしても普通の住居じゃなさそう。
観光地化された茶屋街とは違う趣がありますね。
これ、隣の石垣の正体も見ておくべきでしたが(確かお寺だったような?)、あいにく大雨で体力を削られていたので廻りきれませんでした。
さて、ここをもっと進むと道路に出るのですが、そこを向こう側にまたぐと寺町寺院群です。
そこも隅々まで廻りたかったですが、いかんせんiPhoneの充電が黄色信号だったため、寺院群は次の機会ということで。
踵を返してスナック街へ向かいます。
にし茶屋街の「裏」連れ出しスナックの面影
小さな橋、「いしさか2のはし」。ここを渡るとスナックがぽつぽつと。
ここら辺は地元の人には「石坂(いっさか)」と呼ばれ、ちょっとしたピンク街であることも周知のよう。
「スナック あい」。
無論、ここ「いっさか」でいう「スナック」とは「楽しくお酒を呑むところ」ではありません。いわゆる「連れ出しスナック」、早い話が風俗店です。
「従業員と客の自由恋愛」という建前のため、警察も黙認(?)しているというわけ。
ただ、気まぐれでたまにお店がしょっぴかれてます。
なので、ピンク街といってもここ石坂にはほとんどお店は残っていません。
この「スナック あい」、いまだ現役なのかは分からず・・・夜行けば分かるけどその元気も勇気もなく。
ネットには男性諸氏による体験レポートが載ってました。※下ネタ注意
https://pinsalo.info/reports/kmb_tyon.htm
https://pinsalo.info/reports/rpp_tyo2.htm
「ギャル系も増加傾向の模様!」とのことですが、このレポートも既に15年以上前のもの、今はどうなんでしょう。
知恵袋にはこんな質問もあります(笑)
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1188186971
その「あい」の隣、「ミルキーウェイ」
何が織姫と彦星なんだかさっぱりな外観ですが、ここもかつては「あい」と同業者だったと。
ネットでもあいにく情報は見つからず。扉の前には誰も通さないと言わんばかりに枯れた植物みたいなのが大量に。
このまっかっかなドアノブがまさにピンクなお店という感じでそそります。
「スナック 夜空」私が今回見て回った中では最も現役感が強かったところ。
写真で見る以上に1階部分が新しい感じで、何なら女性の私でも入ってみたいと思ってしまうような清潔感がありました。
残念ながら「夜空」単独の体験レポートはありませんでしたが(何を調べてるんだ私は)、以下に少しだけ登場します。
https://pinsalo.info/rpt11/5ro_tyon.htm
坂を下った先に煌煌と光る妖しげな行灯。小川と交差する辻で婆に声をかけられます。視線を返し、首をかしげるとそれを契機に「スナックあい」から婆、娘、娘。十字路を背に隣の「夜空」から婆、娘、娘。総勢6名に囲まれます。前方の婆。お遊びして行くの?と問いかけてきます。背後の婆。女の子はどこで入っても一緒だから。と。※補完しあってる?らしきニュアンス,平凡そうな子をチョイス。二十代半ばだそうです。
「あい」と「夜空」は同盟みたいです(笑)
ここといい全国的に有名な新地といい、こういう祠があるところが多い。
ちなみに片山津温泉にも「愛染寺」というお寺があります。ハート型の絵馬があるとか。そこと何か関係があるんでしょうか。
そして愛染寺のすぐ手前は「喫茶 英国屋」。もちろん飲食するほうの喫茶じゃありません。
「心」ここはもうやっていないそうです。体験レポートも見つからず。
連れ出しスナックとは思えない玄関のオシャレさですが、人は住んでいるのでしょうか(おそらく住んでますね)。
「幸」「静香」看板にはご丁寧に「萬歳楽(白山市の純米大吟醸)」「軽食」とありますが、どうかしら。
どうやら別のブログや体験レポートを見てもこの両店はいかがわしいお店ではなく、普通に食事処だったようです。
一線を交える前の腹ごしらえといったところ?
「円」ここもそうでしょうか?
ただ、先ほどのレポート(https://pinsalo.info/rpt11/5ro_tyon.htm)では終盤にここの名前が出てくるので、連れ出しスナックだった可能性もあります。
「第三飲食街」なんて出てくるものだからここでまたちょっとしたバラックが見られるかな?とワクワクしたのも一瞬。
寂れ気味の住宅街という感じでした。
このあたりの記憶が早くもあやふやなのですが、確かこの「円」のすぐ近くで工事していて、あんまりウロウロするのは憚られました。
あと、この付近に同じくスナックである「美咲」もあったのですが(既に廃業)、工事のお兄さんが何やら出入りしていたので目の前をサーっと通過して終了。
以下、「円」の近く(だったはず!)のスナックの名残を紹介します。
この辺りなんですが、2019年頃までにこの増泉一丁目付近を紹介したブログ記事には載っていないはず。
かつての連れ出しスナックの建物が外国人向け民泊にリノベーションされていました。
この建物がまだスナックだった頃に右側で見切れてる写真を別のブログで確認しましたが、1階部分はかなり改装してます。2階部分は割と残してるっぽい。
このモザイクタイル。ここがかつて「連れ出しスナック」あるいは「遊郭」だった何よりの証拠。
そのお隣はこんな感じ。普通の住居になっているのかなと思われます。
ここも同じく目を惹く鮮やかなモザイクタイル。足元は3D仕様ときたもんだ。
これは「連れ出しスナック」ではなく「遊郭」あるいは「置屋」と言ったほうが近いですかね?
この辺りはかつて「猫窓」と呼ばれ一部界隈で有名だった建物があるのですが、数年前に解体されました。そこももれなくおしゃれなモザイクタイルが施されていた物件です。
あ、猫といえば、この辺りをぶらぶらしていたら突然民家の窓が勢いよくガラガラーッ!!って開いたもんだから、ついに怒られるかと思って見たら、猫が開けただけでした(;^ω^)心臓が飛び出るかと思いました。
何とも美しいアメリカンショートカットの子でした。こういう街並みに映えますね。
写真撮りたかったけど、飼い主さんも一緒にいたもので、さすがに失礼だろうということで自重。
そうこうしているうちに増泉一丁目緑地の方向に出ると、すぐ目の前に「金沢アイネ」というラブホテルが出現します。
もちろん「スナック」の皆様の御用達。
で、これまた無計画に歩いたのが悪いのですが、この増泉一丁目緑地のすぐ近くに赤いテント?屋根?で有名な「スナック千代」「スタンドバー忍」があったようです。生で拝見したかったのに残念。
にし茶屋街の周りばっかりに気を取られました。
なお、この辺りはスナックに限らず、理容室やアパート(嬢の方も住んでるのか?)等々も昭和の面影を色濃く残しており、歩いていて飽きないかと思います。
おまけ。
どうもいまは現役ではないらしい美容室の、回るアレ(名前が・・・)。
iPhoneの充電残り1%という状況で、せめてこれだけは撮っておこうと思い撮影。
2枚目に見える大通り、この本当にすぐ向いに「アイネ」がありました。