勝ち癖について



こんにちは、たちばなです。今回は私が人生で最も大切にしている考え方のうちの一つである「勝ち癖」について話していきたいと思います。前に書いた「人生における競争について」にも通じる部分があるので合わせて読んでもらえれば、と思います。



【勝ち癖とは】


結論から述べると、私が考える勝ち癖とは



「達成可能な目標に対する努力のプロセスに再現性を持たせること」



です。これだけだと何のことかさっぱりなので具体例を交えて解説していきます。


この前TOEICの記事を書いたのでここではTOEICを具体例として挙げたいと思います。今回の例は大学生のA君の成功体験です。さっそく見ていきましょう。


【具体例】



①A君は大学生になったのでTOEICの勉強を始めようと考えています。センター試験では筆記リスニング共に9割も取れていて英語には中々の自信があります。なので3ヶ月後に900点を取ることを目標にして参考書を集めました。



②次に、そもそもTOEICを解いたことがないので腕試しに模試を一回解いてみました。敵を知り己を知る、というやつです。その結果は500点台で目標には400点近くのギャップがありました。途方もない道のりに思えますが、いきなりハイスコアを出せたら苦労はしません。

ここで一旦、センター試験のときはどのように英語を勉強していたか思い出すことにしました。その結果、単語の暗記に最も時間をかけて、残りは過去問10年分の演習に振り切っていたことに気付きました。ということはTOEICも同じ要領で勉強すれば良いと考え、単語を覚えた後に模試演習に取り組むことを決めました。



③やることが決まったのであとは毎日の積み重ねです。A君は家では集中出来ないので毎日図書館に行くことにしました。また勉強に関しては、短期集中型というより長期継続型が合っていると考えていたので毎日19-21時はTOEICの勉強に充てました。




④以上の計画でコツコツと努力して、体調管理も怠ることなくいよいよ試験当日になりました。しかしA君は本番で緊張しがちです。なのであらかじめリラックスする方法を準備していました。自分の好きな匂いの香水を付け、着慣れている服を着て心身共に準備万端です。
落ち着いて試験に臨んだ結果、A君は無事に900点を取ることが出来ました。



以上がA君のサクセスストーリーです。出来過ぎな話なのは百も承知ですがとりあえず言いたいことを全て詰め込んでみました。



【解説】




まず①の部分は、冒頭で述べた「達成可能な目標に対する努力のプロセスに再現性を持たせること」の「達成可能な目標」に該当します。



これが何か成し遂げる上でコアの部分になります。木で言うところの根っこです。これがないと何事も始まりません。


A君は高校時代に英語が得意であったという経験を基に900点というハイスコアを目標に掲げています。これが「センター試験で2割しか取れてないけどなんとなく行けそうだから3ヶ月で950点取ってみよ」なんて言ってたら流石に無謀に感じると思います。


また、いくら英語が得意だからといってTOEICの知識がゼロの状態から1ヶ月後の初受験で満点を取ることを計画していたらこれも困難に思えると思います。


つまりここで必要なのは自己の現状把握と時間制約を見誤らないことです。今の自分の実力はどのレベルなのか、基礎が出来ているから応用から進めて良いのか、試験までに十分な時間は確保できるのかetc...。これらを全て加味した上で簡単すぎず難しすぎない、やりがいのある目標を立てます。 

簡単すぎないというのもポイントです。勝ち癖は達成欲に付随するものなので余裕綽々でこなせる目標はかえって慢心の原因になってしまいます。なので勝算が7割くらいありそうな目標を設定します。


次に②は、「達成可能な目標に対する努力のプロセスに再現性を持たせること」の「努力のプロセス」にあたります。


これは木でいうところの幹になります。ここで方向性が定まらなければ養分が上手く行き渡らず、細くてすぐに折れる幹になってしまいます。目標設定が上手くいっても広く浅く手を付けると台無しです。先程立てた目標までの一本道をズドンと決めることでどっしりとした太く安定感のある幹が形成出来ます。


では何が努力の方向性を確定させるのか。これはずばり言うと過去の成功体験です。


A君はセンター試験で「高得点を取れた」という成功体験があり、その時の勉強方法を今回の試験に当てはめています。このように一度でも何かを成し遂げた経験があると、「あ、そういえばあの時はこういう風に勉強したな」とか「前もこの時期にスランプに陥ったな」という風に現状を俯瞰して見ることができます。自己を客観視することで現状を冷静に把握し、ゴールまで迷子にならずに済みます。

まだ成功体験が無い人はなんでもいいので競争に揉まれると良いと思います。論理だけが一丁前で失敗を恐れて挑戦しないのは失敗よりも罪が重いです。




③は「達成可能な目標に対する適切な努力のプロセスを一般化して再現性を持たせること」の「再現性を持たせる」に当たります。



木でいうところの枝になります。


A君は「図書館で勉強」と「短期集中ではなく長期継続型」が自分の適正だと考えて勉強しました。これは他の座学にも適用出来る努力の仕方でしょう。つまりここで言いたいことは他の分野にも適応出来て、かつ自分に合った努力の仕方を見つけてそれを体に染み込ませるということです。


これが出来ていると努力以外の部分で悩む必要が格段に減ります。勉強する環境や時間帯というのは直接試験に関わることではなく、勉強の前準備に当たるのでここに毎回時間を取られていると勿体ないです。努力する環境を決めていればあとはすべきことを淡々とこなすだけで良くなります。




④はおまけ的な要素ですが、これは本番に向けたマインドセットになります。肥料や水やりの部類に該当します。いくらきちんと努力していてもやはり人間なのでどこかでモチベーションが低下したり当日の緊張に襲われることは避けられません。


そこで本番で100%の実力を出せるようにマイルールを作っておこうという訳です。イチローがバッティング前に行う一連の動作やスケート選手が右足からリンクに入る願掛けのように自分が信頼出来るモノをいくつか用意しておくのがベストです。A君は香水と服がそれに当たります。


【まとめ】

以上をまとめると

①自分の力量を正確に把握し、過大評価も過小評価もしない上で目標を立てる。

②今までの成功体験を基に目標までの方向性を一貫させる。

③再現性のある努力の方法を染み込ませる。

④本番で100%の実力を出すためのルーティンを作る。


これが私が思う「勝ち癖」の形成方法です。そして勝ち癖は成功体験によってしか身に付きません。なので複数の競争の中で一定の負けを重ね、試行錯誤の後に成功体験が作る必要があります。その中で自分なりの努力の仕方を学ぶということです。


目標を立てて努力を怠らず、最適なルーティンを確立させることで丈夫な根、幹、枝が形作られ、水やりと肥料を忘れないことでいずれ成功という満開の花が咲くと思っています。


以上で終わります。


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