ホープフル〜夢のようなお話〜
※ホープフルSの考察記事では無いのでそこはご了承ください。
暮れの2歳G1ホープフルSに出走予定馬の中に非常に気になっている馬がいるので、今回ご紹介したいと思う。
偶然見た小倉の新馬戦からはや3ヶ月。まさか暮れの2歳G1ホープフルSに出走してくるとは思わなかった。その馬は
ヴェルトライゼンデ
この馬は非常に興味深い。いろいろご紹介していこう。
父はドリームジャーニー、母はマンデラ。
馬主はサンデーレーシング、生産牧場はノーザンファーム。厩舎は池江泰寿厩舎。
父ドリームジャーニーは特徴あるピッチ走法でグランプリ春秋制覇し、G1を3勝あげた名馬。ステイゴールド産駒の初G1馬であり、池江泰寿厩舎の初重賞馬かつ初G1馬。そして1番有名であろうオルフェーヴルの兄である。
母マンデラは、ワールドエース、ワールドプレミアの母である。ワールドエースは、ゴールドシップの世代の馬でダービーで1番人気になるなどかなり期待された馬だが屈腱炎に泣かされた。ワールドプレミアは記憶に新しいと思うが2019菊花賞馬。マンデラは質の高い牝馬であることは間違いない。
ワールドエース、ワールドプレミア共に父はディープインパクトである。ヴェルトライゼンデとは半兄の関係。
種牡馬の知識がある方なら分かると思うが、ここで1つ疑問が浮かぶ。
何故これだけ質の高い牝馬をドリームジャーニーに?
ドリームジャーニーの種牡馬実績は正直言ってダメ。しかも実績は全く無いレベルで産駒の重賞勝ち馬も1頭もいない。受胎率も低く言わば失敗種牡馬だ。有名な産駒馬だと今年のエリザベス女王杯に出走し8着だったアルメリアブルー厶がいるが一般的な認知度は高くない。アルメリアブルー厶は来年引退予定らしいがエリザベス女王杯で騎乗した武豊騎手がG3なら勝ち負けできると言っていたので少々楽しみである。
話が脱線してしまったので話を戻します😅笑
ドリームジャーニーにした理由は単純だ。
オルフェーヴルとの種付けが上手くいかなかった
先程紹介したようにドリームジャーニーはオルフェーヴルの兄。オルフェにつける予定だったのだろう。
さらに驚くことは、この年のドリームジャーニー産駒は競走馬登録出来たのが僅か3頭しかいない。
ヴェルトライゼンデ
スワーブドン
キャンディダム
以上(笑)たった3頭である。3頭の内の1頭がG1に出走というだけでも凄い。
何故3頭かというと、種付けシーズン中に暴れてキ甲を骨折し、1シーズン種付けを棒に振ってしまったからである。対した種牡馬実績もない為一度離れたお客は戻っては来ない。翌年からは復帰したものの需要もなく今はプライベート扱い。要は広告出しても需要が無いので、連絡来ればやるよという感じ。恐らく格安。
先程の3頭の内ヴェルトライゼンデ以外を見てみよう。
スワーブドンは、近親に重賞G1馬が数多くおり親戚含めるとオレハマッテルゼ、エガオヲミセテ、エアグルーヴ、アドマイヤグルーヴ、ドゥラメンテ等という良血馬である。ドリームジャーニー産駒であるのに8700万という凄まじい高値で取引され、中内田厩舎に所属している。馬主はスワーブリチャードでお馴染みのNICKSであり期待が伺える。現在勝ちきれないながらも2戦とも2着2回。勝ち上がって来ると思う。
キャンディダムは2017年産駒唯一の牝馬であり、白老ファームの生産馬である。白老ファームはドリームジャーニーの生まれ故郷であり、実家のようなところ。毎年生産されていて思い入れを感じる。まだまだ細いのでデビューは来年になりそうだが、兄弟は2勝、3勝クラスと複数勝利を上げており、キャンディダム自身も未勝利で終わるような馬では無いだろう。
3頭しかいないが、3頭とも逸材の可能性がある。今後に期待したい。
脱線ばかりしているので、そろそろ本題に入ろう。もう一度言うが
ヴェルトライゼンデは
ドリームジャーニー産駒でありながらノーザンファームの生産馬であり、サンデーレーシングの持ち馬なのである。
意味が分かるだろうか?
サンデーレーシングといえば、現役だとラッキーライラック、クロノジェネシス、フィエールマン、アルアインなど凄まじい名馬ばかりである。さらに馬主リーディングも1位ととにかく凄い。
さらにサンデーレーシングといえば一口馬主を募集しているのだけれど
種牡馬実績ほぼ皆無のドリームジャーニー産駒で一口募集する意味を考えてみてほしい。
リスクが高すぎて、普通に考えれば誰も申し込みしないだろう。
しかしリーディング1位の馬主が
ドリームジャーニー産駒を一口に出したということは恐らくこの馬は走ると判断したのは間違いない。
実際、新馬戦は強い競馬だった。萩Sも勝ち2戦2勝。
ここからが特に読んでもらいたいと思っているのだけれど
先程からドリームジャーニーは種牡馬実績がほぼ皆無と言った。
つまりどういうことかと言うと
産駒のデータがほぼ無い
要は、下級条件戦レベルでの馬のデータはあるが、上級条件や重賞に出走する馬のデータは圧倒的に少ないのである。ましてやG1など数頭だろう。下級条件戦のデータでは中山得意と言われているが重賞になった時にそのデータが役に立つかと言わると?である。わからない。
良馬場の方が走ると池江調教師は言っている。恐らく荒れ馬場はあまり得意ではないのだろう。
しかし、今まで重馬場しか走ったことが無い。良馬場でどのくらい走るかも分からない。
しかも、重馬場で2戦勝ちきった。走ると言っていた良馬場ならどのくらい走ってくれるのか。ただ瞬発力というよりは、長く脚を使うタイプではあるかなと思う。
そして気になるのが池江調教師のコメント「現時点では、ワールドエースより完成度が高い」と以前言っていた。
どう走ってくれるのか楽しみである。ドリームジャーニー産駒の最高傑作になれる可能性もある。
現状、ヴェルトライゼンデはディープインパクト産駒でもハーツクライ産駒でもないので恐らくそこまで人気しないだろう。
調整でノーザンファームしがらきから短期放牧で帰厩している。忘れてはならないのが
この馬はノーザンの馬である。
コントレイル、ワーケア、オーソリティなど有力馬とどこまで走ってくれるのか注目して見てみたい。勝ち負けするかもしれないし惨敗するかもしれない。
また、予想の際ヴェルトライゼンデを世間ではどう評価されるのか楽しみにしたい。今の段階では産駒の特徴はあまり分からないし、馬場、コース適正も分からない。分かるのは調教と重馬場の2戦からの走り、後は返し馬とパドックぐらいだろう。恐らくデータはあまり通用しないのではないだろうか?
2歳G1に出れる程走れるというのは事実。この馬については今回の勝ち負けに関わらず注目していきたい。
ドリームジャーニーとオルフェーヴル
彼らは兄弟でありながら産駒の特徴は恐らく違う。そこも面白いところで、もしかするとヴェルトライゼンデとオーソリティの兄弟産駒で叩き合いになる可能性もある。
ヴェルトライゼンデが走ることを証明できれば必然的にドリームジャーニーの評価も上がり始める。かつて父が最初は評価が低かったように息子もそうなのかもしれない。夢のような旅路はもしかするとまだ終わっていない、いや始まったばかりなのかもしれない。
そうホープフル…希望に満ち溢れている。
長文読んでいただきありがとうございました。