多数派同調バイアスの魔力
最近「みんなと同意見であることに安心する」人があまりにも増えてきたように思います。
それって危険だなぁって思うんですよね。
皆さんは多数派同調バイアスという言葉をご存知でしょうか?
多数派同調バイアスとは、
行動に迷った時、とりあえず周囲の人に合わせようとする、みんなと同じにしておけば間違いないと考えること
例えば有名な「沈没船ジョーク」というのを例にあげると
世界各国の人々が乗った豪華客船が沈没しかかっています。しかし、乗客の数に比べて、脱出ボートの数は足りません。したがって、その船の船長は、乗客を海に飛び込ませようとしますが…。さて、船長が各国の人を飛び込ませるために放った言葉とは何でしょう?
アメリカ人に対して・・・「飛び込めばヒーローになれますよ」
ロシア人に対して・・・「海にウォッカのビンが流れていますよ」
イタリア人に対して・・・「海で美女が泳いでいますよ」
フランス人に対して・・・「決して海には飛び込まないで下さい」
イギリス人に対して・・・「紳士はこういう時に海に飛び込むものです」
ドイツ人に対して・・・「規則ですので海に飛び込んでください」
中国人に対して・・・「おいしい食材(魚)が泳いでますよ」
日本人に対して・・・「みなさんはもう飛び込みましたよ」
お国柄に違いがあるものの、とりわけ日本人は周りとの同調意識が強い国民性であることがこのことからものよくわかると思います。
そしてその傾向は、SNSの普及によってますます強くなっているように思います。
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改めて「みんなと同じでいることに居心地の良さを覚えてしまった人たち」が増えたように思います。
そりゃ、まわりが仲間で囲まれたら安心でしょう。
でもその人たちは本当の仲間でもなければ(もちろん本当の仲間もいますが)死ぬまであなたのそばにいてくれるわけでもありません。
またいずれ別の居心地の良い場所を見つけてはそこに集まろうとするのです。
それはさながら街灯に集まる蛾のようではありませんか。
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この多数派同調バイアスというのは芸能人の不倫批判や、コロナ禍の誹謗中傷、果ては選挙や宗教、投資などあらゆる場面で起こりうる問題です。
「〇〇さんが言うんだから間違いない」
「みんな〇〇を買ってるから自分も買わないと」
果たしてそれは本当にあなたの意思ですか?
安易に流れに乗ろうとするのではなく、本当の自分はどっちなんだとまず自問自答するべきです。
自分の本心はなんだ?
みんなが良いものが自分にとって良いものとは限りません。
インフルエンサーの言うことにただ同調するだけの人、そしてそれを自論とする人。
あなたもそうなってませんか?
これだけ情報が溢れているとそれらを精査する力が個人に求められます。
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大事なのは自分の信念と直感だ。
そう、1番カッコいいのは自分の感性だ。
多数決で決めた結果というのはケツを拭く者がいない無責任な結果に等しい。
誰もが自分のせいにされたくないから「みんなで決めよう」ということになるのです。
結果がどうあれ「みんなで決めたことだから」と納得する。
これこそ多数派同調バイアスの魔力の最たるものと言えます。
「みんなで決めたからこの選択は間違ってはいない。」
「誰も文句を言う人などいないだろう」
こんなの何の意味もありません。
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みんなが恐れているのはネットで叩かれることです。
他人と違うことをさらされ、否定されるのを恐れていませんか?
その心配には及びません。
アンチは明日の今ごろにはもうあなたのことなんて忘れています。
自分が何者かになろうとするのなら他者から求められるのはあなた独自の意見です。
ググれば出てくるような手垢まみれの答えなどではなく、本物の生のあなたの声です。
声を上げろ、多数決の答えに飲まれるな。
自分の意見、価値観に責任を持て。
なんだか今日は熱く語ってしまいましたね。