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「ルーツしまねを通じて人の繋がりが生まれるのが好き。」大学時代に生まれた島根に対する思いとは

大阪の大学に進学したことをきっかけに、地元・島根に対する自身の思いに気づき始め、一般財団法人 地域・教育魅力化プラットフォーム(以下、魅力化PF)で現在インターンをしている田坂日菜子さん。島根をルーツに持つ人との出会いや、留学を経験する中で見えてきた「島根に関わりたい」という思いが現在のお仕事に繋がっています。
日菜子さんが感じた島根の魅力や島根の若者コミュニティが持つ価値とは?今回お話を伺いました。

▼「島根に関わりたい」と気づき始めた大学生時代

ー現在のお仕事内容について教えてください。

今は「ルーツしまね」のコミュニティマネージャーとしてインターンをしています。
ルーツしまねは、島根にルーツを持つ若者のコミュニティです。「島根を離れても島根と関わり続けたい」という思いを持ったメンバーが、東京や大阪で交流会をしたり、オンライン上イベントを企画したりして、自分なりの島根との関わり方を探しています。

コミュニティマネージャーとは、コミュニティをどんな場にしていきたいか指針を示したり、メンバーのコミュニケーションを促進したりする仕事です。主にイベントやプログラムの企画運営をしています。大きな仕事としてはルーツしまねの3~5年後を見据えた長期構想の目標を定めたり、ビジョンやミッションの作成を行ったりしました。
プロのライターさんにお願いし、コミュニティの立ち上げ人やコミュニティマネージャーである私の原体験を、約1ヶ月半かけてビジョンやミッションに落とし込んでいきました。

ロゴ入り集合写真

―県外の大学に進学しながら、ルーツしまねと関わるようになったのはなぜですか?

まず、島根に関わり始めたきっかけは、大阪の大学に進学した時、 友達に「島根出身だよ」と言うと「え、それどこ?」ということがよくあって(笑)。
周りの関西出身の友達と比較する中で 「私、結構島根のこと好きかも」と思い、自分の島根に対するアイデンティティや愛着みたいなものが浮き彫りになっていきました。
そんな中、大学1年生の冬に島根の大学生が集まるイベントで、田中輝美さんという島根出身のローカルジャーナリストの方に初めてお会いしました。その方は元新聞記者で、地域で暮らしながら発信をする活動を聞き、「島根でもこんな面白い生き方が出来るんだ 、 こんな働き方って出来るんだ」と分かり、それは自分にとってかなり衝撃的な発見でした。
そんな思いをずっと持ちながら念願であった留学に行き、サークルやバイトなど全ての「やるべきこと」から一旦離れ、この先自分が何をやりたいかゆっくりと考えました。これから頑張りたいことを取捨選択する中で「自分は島根の活動にもっとちゃんと関わりたい 」という思いが芽生えました。
留学先ではSNS で情報を集め、そこでルーツしまねのアカウントを見つけました。こういった地域おこし関係の団体って、結局大人の人たちがやってたり、行政が主導をしていたりで中の人たちの顔が見えにくいんです。だけど、ルーツしまねでは同世代の大学生が活動の中心にいて、親近感を感じ、純粋に「楽しそうだな」と思いました。
そして留学中にルーツしまねの人と連絡を取り始め、オンラインでミーティングなどに参加するようになりました。帰国後は、ルーツしまねの夏合宿を企画したり、今までの東京拠点に加えて、関西拠点の立ち上げをしたりしました。関西拠点のキックオフは、ルーツしまねでやってみたいことの一つだったので、実現できて嬉しかったです。約一年間、関西や島根で様々な活動をしてきて、今に至ります。

12月交流会

ー2019年12月に、大阪で行った交流会ー


―実際にルーツしまねの人と関わってみてどうでしたか?

島根という共通項があるので、すぐに仲良くなれました。「将来こんなことやりたいよね」という真面目な話や熱い話もできれば、同世代としてくだらない話も出来て、出会ってからの年月に関わらず、いい関係が築けているなと思います。大学の仲間とも、地元の友達ともちょっと違う居場所になっていて、私にとっては居心地がいいと感じました。


▼魅力的なプラットフォームの人たちに囲まれて

―そこから、どのように魅力化PFでインターンをするようになったのですか?

帰国後、しばらく島根で過ごしていました。そのときに、島根で何かおもしろい仕事がないかなと探していたら、ルーツしまねでも関りのあった事務局長の尾田さんから「それなら、うちで働いてみなよ!」と声をかけられたことがきっかけです。

夏休みの1ヶ月を使ってインターンをし、その後大阪での学生生活に戻りました。今年また半年間島根で生活することになったので、再びインターンとして戻ってきました(笑)。


ー大学時代の経験が今に繋がっておられるのですね。実際に魅力化PFの人たちと働き、どのように感じましたか。

魅力化PFで働く人たちはとても魅力的で、インターンを通じて人脈が広がっていく感覚があってすごく刺激的でした。みんな、地域や生徒、学校にとって何が本当に大切かをずっと考えてるし、お互い仕事仲間を尊重し合ってる雰囲気もあって、働く大人としてすごくかっこいいんです。
フラットに接してくれる人ばかりで、話していておもしろいです。リモートワークが多い中、週1回魅力化PFに出勤することがの私のひそかな楽しみになっています(笑)。

奥田さんバースデー

ー2019年8月、魅力化PFで職員の誕生日を皆でお祝いー


▼人や世代が循環していくコミュニティをつくりたい

ー田坂さんが思う、ルーツしまねの良さとは何ですか?

ルーツしまねを介して人が繋がっていくのがすごく好きです。最近だと大学1、2年生の子たちがルーツしまねのイベントで新しい出会いを得たり、そこから自分のやりたいことの背中を押してもらったりするという場面がありました。
ルーツしまねを場所として上手く使いながら機会や仲間を得て、また次の新しいステップへと踏み出していく様子を見られるのが、とても楽しみなんです。

ルーツしまねはそういった仲間と機会が得られる場だと思っています。チャレンジし、それがたとえ失敗しても許容される場を提供出来ることが一番の価値かなと思っています。
そして島根を離れる人も多くいますが、その場にいないからといって関わりがなくなるのではなく、島根との新しい関わり方を一緒に探していけるような、「場所にとらわれない」というのもルーツしまねの大きな価値の一つだと考えています。

ー最後に、今後の目標を教えてください。

12月から、大学生向けに 3ヶ月間の「しまね大学生スタートアップゼミ」というプログラムを開催します。ルーツしまねの先輩メンバーや社会人の力を借りながら、自分の興味関心を発見したり、自分のプロジェクトを育てていくプログラムです。プログラム内で人の循環や世代の循環を作りたいという目標があります。

そして島根をルーツに持つ若者が、自分が挑戦したいときにやりたいことを自己実現させていける場を、コミュニティとして作るのが長期的な目標です。
コミュニティの人が代わり世代が代わったとしても、その環境が担保されているような、再現性を持たせるようなコミュニティを作っていきたいと考えています。

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田坂日菜子さん
出雲市出身。高校卒業後、大阪の大学へ進学したことをきっかけに島根への興味に気づき始め、留学から帰国後、一般財団法人 地域・教育魅力化プラットフォームでインターン。現在はルーツしまねの事業に携わっている。【田坂さんのnote】
https://note.com/hinako_tsk
インタビュアー/山根若菜
島根県雲南市出身、大学1年生。県外の大学へ進学後、島根の大学生コミュニティや運営に関わるようになる。現在、ルーツしまねの「しまね大学生スタートアップゼミ」で自分のプロジェクトを作成中。
好きなことは文章を書くこと、映画を見ること。

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