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【役者紹介】三谷陸人

今回web部は皆さんに更なる公演の魅力をお届けするべく、役者にインタビューを実施しました!
6人目は姉のために奔走する弟を演じるこの人!
それでは、どうぞ!


まず役名と芸名を教えてください。

役名は桂木かつらぎハルト、芸名は三谷陸人みたにりくとでやらしてもらってます。

よろしくお願いします!


自分と自分の役を比べたときに、似ているところと違うところを教えてください。

自分と自分の役?似ているところ…。

設定みたいなところでいくと、俺も姉がいて、ハルトも姉がいて…。
我孫子あびこやったときみたいに内向的な役をすることが多かったから…。
(※我孫子は2023年度冬の自主公演第2弾「となり、空き缶ひとつぶん。」で演じた役で、普段は内にしまっておくタイプなのに、婚約直後に上司をブン殴ってクビになった、不器用な男)
自分の、得意って言ったら良いのかな。自分も自分の中でブワァーって考えることが多いから。それはすごいハルトと似てんのかなって思うな。
そう、姉が好きとかさ、いわゆるシスコンみたいな、龍太郎(主宰)には言われてないんだけど、そういう風に作ってるかな。そこは、最初から自分と似てたから、家族とか含め…かなぁ。

違うところは、性格以外から言うと、(ハルトは)重心低いってところ。落ち着いてるってところ。
あ、そうだ、似てるところでアレあるわ。
結構自分を傷つけちゃう…なんて言ったらいいんだろうな。自分の中で誰にも話さずに考えちゃうことが多い。それで自分まで傷つけちゃう人と、傷つけない人がいるじゃん、うまいこと。
俺は割と傷つけちゃうことが多いから、自分のこと。そこは似てるかも。
まあ違うところでいうと…本当にハルトが真面目っていうところ。割と俺もね、真面目って言われるのよ。人とご飯行くと。
でもハルトは本当にクソ真面目というか。頭下げたらずっと下げてるし。
いや、そう、結構役作りとして、俺がハルトに対して共感できるところまで持っていくから、ちょっと難しいんだよな。共感してるから、あんまり違うところが特段無くて…。 違うってなったら共感できるまで持っていくから。

さっき、重心が低いって話してたのは?

そうだね、俺は基本わちゃわちゃしてるからさ、でもハルトはわちゃわちゃしないっていう。そこでアクトとか、読みとか難しかったな…。
まあもちろん、姉が死のうとするとか、家族の過去の部分がめちゃめちゃ重いってところはやっぱ今、役作りで大変なんだけど。
あとあれだね、結婚とか。
やっぱりどうしても、俺が自分で周りで結婚してる人とか、映画とかで見た結婚観、価値観しかないから、まあ、難しかったっていう面で違うのかな…。

その経験があるかないかの違いは大きいですね。

だね。


今まで撮った、或いは撮られた中で一番印象に残っている写真は何ですか?

今までで…か。 一つだけってのが難しい…。
思いついたのからポンポン行っちゃうと、まず一番に出てくるのは成人式の前撮りだな。母さんと撮ったのよ。それがすごい好きな写真で…。
あと今回とちょっと似てるとこでいうと、次女が結婚してて、結婚式のときにとった全体写真とか。みんなおめかしして。そう、やっぱ俺もね、家族が好きだから、人とそうやって、家族と撮ってる写真っていうのは好きだなぁ…。
そういうところでもハルトは作りやすかったかもしれない。
あとは、母さんがずっとLINEのアイコンにしてる小4くらいのときの俺。
野球グローブ持った写真。


(他にもいろいろ探し中…)

あ!これも好きよ、わたくし。

二劇3年生の同期
今年4月のオリテン祭で撮った写真

最近じゃん!
これ良い写真だね確かに。

これはもう本当に、このメンツいて、撮ろう!って。
俺はマジで他の同期含め…。
あ、そう、なんかさ中学生のときの関係がずっと続くってあるじゃん。俺はあんまり中高に、まあ仲良かったんだけど、特に良い思い出が無かったから。

…本当に二劇でいろんな人に出会えて良かったですね。

ね!こんなに親友親友ってさ。言ってる人いないから。
あれ、前撮りの写真どこだっけ…あ、これですね。

あー、でも良い写真だね。

こうやってね、(前撮り写真を)何枚か撮ってもらったんだけど、一個だけ、せっかくね、花束も親戚のお母さんからいただいて「せっかくだし、お母さんも撮りましょう」って。

あ、俺、これも好きだ。
(次女の子どもと撮った写真)

陸人の中で大事な写真って全部家族だね。
家族との思い出が深いのかもね、割と。

そうかも。
俺、野球部っていうのであんまり良い思い出が無いから。絶対に売れてエピソードにしてやろうって思ってんだけど。
俺、総体出てないのよ。
俺の代、そもそも3年生が8人しかいなくて。別に強豪校で50人くらいいて背番号もらえませんでしたとかそういうチームじゃなかったんだけど。

監督から継投でお前も投げるから早めに準備しとけってことで2回くらいからブルペンで投げてたのね。 ときどき回の交代でベンチに顔出すくらいで。他はずっとブルペンで肩と気持ちを作ってて。 でも結局、2年生の次期エースの子がブルペンに来て、「あぁ、なるほど。」みたいな。
嫌な予感はしたけど。結局そいつがリリーフにいって、投げて、俺は結局8回くらいまでずっと肩作ってたけど、ついには(ピッチャーとして試合に)出せない、出られないってなって、バット振っとけって言われて、裏でバット振って、で、最後俺がネクストバッターサークル座ったのね。
9回裏2アウトで。それで目の前のバッターが三振、俺は3年最後の試合に出られずって状況になったんだけど。
そう、高校はピッチャー一筋でやってたから最後バッターで出すってのも意味わからなかったし。監督は試合に勝つためとかだったのかもしれないけど。まあそうやって最後信頼してもらえなかった自分を責めたり、ある種、諦めだったり、そのときが一番キツくて。

今回のハルトの気持ちもいろいろ考えたけど、自分はもっとやれたんじゃないかとか、ユキに対してね。でも結局、ユキは死ぬって決めちゃってて、俺は試合に出れなくて、結果諦めじゃないけど、「はぁ」っていうなんか、怒りを通り越した諦めみたいな。
それで周りがすごい怒ってくれる、今回だったら館山がめっちゃ怒ったりしてる、親が監督にめっちゃ怒ってるみたいな。でも自分に対しての怒りもあるからそこまで乗り切れないし。っていう複雑…だったけど、そういう気持ちは(ハルトと)似てるかも。
人が死ぬとか、自分が試合出れないとかレベルは違いはするけど、気持ちは似てるのかもしれない。


幼い頃の夢は?

幼い頃は、えーとね。
小6の時に地元のケーブルテレビの企画で将来の夢を発表するっていうのがあったんだけど。それで俺はプロ野球選手って書いてて。
まあ野球してたし、周りはパティシエとか言ってる中でじゃあ俺はプロ野球選手!みたいな感じで。
ま、ちゃんと考えてるわけでもないし、別に野球で食っていけるわけじゃないなってふと気付くとか、そういうのも無かったけど、まあ野球は多分しないなって中学生のときに思って、そこからは父親の跡を継ぐっていうので公認会計士になるって言ってた。ずっと。
まあ、敷かれたレールじゃないけど、ずっと小さい頃から親の跡を継ぐっていうのは、男俺一人だし、言われてて。

で、中学生のときに卒業生に向けて学年ごとに1時間くらいの劇を披露するっていうのがあったんだけど、劇団四季とかから引っ張ってきて。そこで俺は初めて役者して。目立ちたがり屋っていうのもあって。
結構いい役で。すごく楽しくてやりがいも感じて。そのときにって訳じゃないけど、それがきっかけで「あぁ、俺役者やりたいかも」「芝居やりたいかも」って思って。高2の途中くらいからだね、役者やりたいってなったの。
小1、小2くらいの小さい頃は夢は持ってなかったと思う。
で、小6でテレビ(の企画)があるってなって、まあプロ野球選手か…ってなったくらい。で、中学生になって、公認会計士だ、ってずっと言ってたんだけど…。

俺がね、新しい物好きというか、飽きっぽい性格で。服装も髪型も毎日違うのがいいし、文房具とか集めるの好きで、授業ごとに違うシャーペン使ったりとか。
なんかちっちゃくても大きくてもそういう刺激というか、毎回同じじゃないっていうのがすごく好きで。
もちろん、毎回違う人と関わって、いろんな人の話を聞いて、そのクライアントに合った提案をしたりとかそういう面白さはあるんだと思うんだけど。俺はどうしてもそこに面白さを見出せなくて、働いてる自分が想像できなくて。高2くらいで俳優になるってなったな。東京出なきゃチャンスも無いって思ったから、出てきて。
割とマジで公認会計士はなる、って思ってたから。
将来の夢はそうだね、会計士と、役者と…って。


死んだら天国に行くのと、死んだら星になるの、どっち派?

ほぁ~、なるほどね?天国か星かか…。
うーん、まあ、天国かな…。
てのもシンプルな話、小さい頃から言うじゃん、死んだら地獄か天国だよみたいな。今までのなかで、星になるっていうのをあんまり見たことが無かったから、想像したことが無いだけなんだけど。

変な話になるんだけど、俺は輪廻転生っていうものを信じてて。ま、今までに読んだ本とか漫画とかの影響が大きいとは思うけど、あんま天国、地獄っていうものを考えたことがなくて、死んだらたぶん違う誰か、動物だったり、人間だったりになるんだろうなみたいな。
前世、来世って考え方をしてるから。自分という存在は、歴史としては残るけど、この世界からはもう全く消えて、また違う魂として誰かの肉体に入って、また過ごすんだろうなっていう考え方をしてるから。
じゃあ俺が死んで、天国行ってわ~楽しいとか、地獄行って苦しいとか、そういうのはあまり考えたことがないなぁ。
星になってみんなにウェ~イみたいな…(笑)
星になるほど別に大したこともやってないしね、やりたいとかもないし。
けど、まあ、天国かな?っていう…。

いや輪廻転生で良いんじゃないでしょうか…!

いいのかな。じゃあ、輪廻転生ということで…(笑)


今までの人生でいちばん楽しかった瞬間はいつですか?

楽しかった瞬間か……。
え~、いやマジで今かもしれない。二劇かもしれない。
さっきのさ、将来の夢とも繋がるけど、今考えると公認会計士っていうのは俺がやりたいっていうよりかは、親がそうなんだから、息子は俺だけなんだから当然みたいな考え方だったんだけど。
俳優になりたいっていうのは初めて自分がなりたい!と思って見つけた夢なのね。これから絶対楽しいことが待ってるだろうと思ってるから、今、ほんとに楽しいと思えているのは夢決めて、役者やれて、しかもこんな仲良い友達がいる今…かもしれない。
仁太とかアキがここにいたら爆笑されそうだけど(笑)
いやでも、本当に。大真面目に言えるくらいそうかも。楽しい。

嬉しい、それを聞いて。
それは素晴らしいことだから。大事にしてください。
なるほど、じゃあ「今」ということですね。

そうだね、どんどん更新されていってる感覚かな。もっと楽しいことが未来にあるって思ってるし…。じゃないとやってらんないし。


最後に、「有頂天」はあなたにとってどんなお話ですか?

はぁ~、難しいの続くねぇ…。
まぁ最初読んだときはわかんないことが多かったね。共感もしにくいし。
あんまり俺、演劇で死を扱うことが好きじゃないから、本来俺はハッピーエンドが大好き野郎だから。
まあそう、あんまり共感できなくて。でもハルト(を演じる)ってなって、すごい共感できる部分が増えて。
うーん…。自己犠牲?
俺にとって有頂天という話は、1個テーマをつけるとしたら…うん。
俺の中で共感できる部分として自己犠牲っていうのがある、な。
別に自己犠牲してるなっていう感覚は無いんだけど、なんの見返りも求めてないし、自分が楽しいからやってるだけなんだけど。
ふと見返してみると、結果だけ見たら自己犠牲、っぽくはなってる。
今回の話なんて、その最上級じゃん。
まあ上手くフィクションに落とし込んで…。

うーん、まあだから、そうだね…。あんま他人事として意外と捉えてないっていう。これは一つの物語だって感覚はあるんだけど、今まで自分が出たどの公演よりも、いちばん自分事として捉えてるかも。
姉が死のうとする、とか、そんなシチュエーションは今の人生では起こらない、と思うし、起こってほしくないんだけど。
はたまた違う世界線で、パラレルワールドみたいな感じで、起こってる感覚でやってるから。
自分にとって有頂天とは、実際起きていたかもしれないもう一つの世界。
って、ガチで思ってる公演かもしれない。
一番最初は全く共感できなかったけど今は共感できてる。

質問は以上になります。
ご協力ありがとうございました!


インタビューを終えて

陸人は去年の秋公演で演出助手をやらせてもらって以降、だいぶ話すようになりました。それで気心が知れてるせいかわかりませんが、いちばん長く話してくれたのが陸人こいつでした。
ただ話がとっ散らかってるだけかもしれませんが…。
でもいろいろ話したいって思ってもらえるのも、信頼の証かなと思うので。

随所にも出てきたように、この男は同期のことが大好きなんですね。
「親友!」ってまっすぐ言ってくる大学3年生見たことありますか??
私の知る限りでは陸人こいつだけです。恥ずかしい。

デカすぎて遠近感狂う

正に「愛すべきバカ」とでも言うべきでしょうか。
愚かさが目立って近頃その愛想も尽かされつつあるような気がしないでもないですが、それでもやっぱり、素直でひたむきなところは陸人の良いところだと思います。

今までのどの役よりも「自分事」として演じられる桂木ハルトが、舞台上でどのように生きるのか?
自分と重なる部分を存分に利用して見せつけてほしいな、と思っています。
よろしければぜひ応援してやってください。
それでは、劇場にてお待ちしております!



ご予約はこちらから承っております!
公演概要は以下をご参照ください。



【公演情報】

2024年度春公演『有頂天』
〈脚本・演出〉一角龍太郎



〈日程〉
6/13(木)18:00
6/14(金)18:00
6/15(土)14:00/18:00
6/16(日)12:00/16:00

※開場・受付開始は開演の30分前でございます。
※上映時間は約90分を予定しております。
※途中休憩はございません。

〈劇場〉
新宿THEATER BRATS[シアターブラッツ]
http://www.theater-brats.com
JR新宿駅・西武新宿駅より徒歩15分
都営新宿線 新宿三丁目駅より徒歩7分
東京メトロ丸ノ内線 新宿御苑前駅より徒歩5分

〈料金〉
前売・当日共に1500円


最後まで読んでいただきありがとうございました!
皆さまのご来場を座組一同心よりお待ちしております!!



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