秋のひとり46まつり
昨日は『映像研に手を出すな!』と『僕たちの嘘と真実 Documentary of 欅坂46』を立て続けに観た。これは「秋のひとり46映画祭」だなと思ったのだけど、その他にもいくつか46関連の出来事があったので、日記とは分けてこちらにまとめてみようと思う。
まずは献血に行った。受付に「ご希望の方はお申し付けください」と書かれたステッカーがあった。顔も名前も知らない女の子だったけれど、もちろん「これ、いただけますか?」とお願いしておいた。
献血後に渡されたのは銀色の袋で、中身は見られなかったので帰宅してから開封してみた。
賀喜遥香という娘だった。
申し訳ないが、まったく知らなかったので検索してみた。
乃木坂46の四期生だった。しかも栃木県出身。
何年かまえから、乃木坂46が「はたちの献血」のキャンペーンキャラクターになっていたが、その名の通り20代でないとポスターやクリアファイルはいただけなかった。
だから49歳のぼくもいただけたのは、栃木県民限定グッズなのではないかと思っていた。
ところが一夜明けて、さらに調べてみると「みんなの献血」のオリジナルグッズがこのステッカーで、5種のランダムらしい。なるほど、だから銀色袋だったのか。いかにもアイドルのグッズらしい。
そう思うと偶然とは云え、地元出身の賀喜遥香さんが出たのはラッキーかも知れない。
ちなみに他は齋藤飛鳥、梅澤美波、久保史緒里、遠藤さくら。
斎藤さんしかぼくは知らない。
その齋藤飛鳥が主演を務める『映像研に手を出すな!』を観るべく、宇都宮駅の西口から東口へ自転車で移動する。
TOHOシネマズ宇都宮。
去年の10月以来、およそ一年ぶり。
公開まえからたのしみにしていた『映像研に手を出すな!』を12時10分の回で観る。もちろん最前列。カードの更新に300円取られた。
原作こそ読んでいないが、アニメは毎週リアルタイムで観ていてハマった。
今風の絵柄のなかに、登場人物たちが思い描くアニメ作品がそれぞれのイメージに合うオマージュに溢れたタッチで描かれていて、そのふたつが見事に融合していて見事だった。
続いて製作されたドラマ版は、にわかファンにも関わらず「あの世界を描ききれるの?」と生意気に心配したりもしたが、杞憂に終わった。
主役の浅草みどりを演じた齋藤飛鳥が素晴らしすぎた!
齋藤飛鳥が乃木坂46のメンバーだとは知っていたが、こんなにもふっきれた演技ができるとは知らなかった。映像研の他ふたりも乃木坂メンバーらしいが、こちらもアニメのイメージからおおきく離れることなく良かった。
果たして今回の劇場版。
ドラマ版の延長というか、そもそもが劇場版が先に製作されていて、そのプロモーションを兼ねてテレビで放送したのかも知れないな。6話だけだったし。その辺のところは、まったくわからないし調べもしないのだけど。
そんなドラマを観たファンの復習かつ、はじめて観るひとへのイントロダクションになるよう、冒頭30分間は再編集された総集編でありあらすじ。
映画版での新たに登場した、気象予報部の晴子があまりにもかわいくて、「誰だ誰だこの娘は!?」とずっと気になっていたのだが浜辺美波だった。
そういえばドラマ版後半に流れた、劇場版の予告編で見て期待してたわ。
さらにドラマ版にも出演していた、音響部・百目鬼を演じた桜田ひより。
かわいい、と云うか好みのキャラクターがふたりもいる映画、最高だろう。
それはともかく圧倒的な存在感は浅草みどりであり、それを演じた齋藤飛鳥だ。全身全霊という言葉通り、憑霊と云えるほどの神がかった演技だった。
マンガ原作を実写化するといろいろと不満が出たりするけれど、個人的にはCGが生理的に苦手なうえに大袈裟すぎるので、いつも興冷めしてしまう。
本作も実写とアニメーション、そしてCGがふんだんに合成されていたが、ほぼすべてが効果的に生かされていた。
そもそもマンガ原作を実写化した場合、「いくらなんでもあり得ないじゃない」という感想を抱かざるを得ない作品が多い。
ただ、この作品に限っては観れば観るほど「うわ、マンガじゃん」としか思えなくて、それが最高の褒め言葉で大絶賛で圧倒的に最高すぎた。
ふだんパンフレットすら買わないのに、Tシャツ欲しいなと思ってショップを覗いたら、ポストカードだかブロマイドのセットしか残ってなかった。
次の作品まで約1時間あるので、かるく食事にする。
ふたたびTOHOシネマズに戻る。
さきほどが12時10分だったので、なんとなく15時10分からの上映かと思っていたが、15時ちょうどからだった。現在15時5分。慌ててチケットを買い、当然のように最前列。
『僕たちの嘘と真実 Documentary of 欅坂46』
完全に平手ちゃんの映画だった。平手ちゃんて書いてる時点で、ぜんぜんわかってないんだけど。「てち」って云うんだっけ?
あと、ついでに触れておくと渋谷の街の変遷を描いていた。
何かのドキュメンタリーで見たことがあったが、渋谷川をバシャバシャ歩くメンバーとか、解体中の渋谷駅をバックに撮られたミュージックビデオの撮影風景などが、数珠つなぎに見せられる。
これまでの48グループと同様、撮り下ろしたインタビューとドキュメンタリー映像の組み合わせ。
光の差すインタビュー場所もふくめて、AKB48の1作めに近い雰囲気。
引き出そうとしている答えはわかっていて、それを遠回しに厚いオブラートに包んだ質問をしているのか、メンバーの話も抽象的でわかりにくい。
ミュージックビデオの撮影やライブ映像が挟まれるが、いわゆるオフショットはほとんどない。
明らかに平手友梨奈を狙った映像が多く、ライブで全力で踊り、ときにはステージから落ちるなんてシーンもある。あとは紅白歌合戦だとか。
おそらくその過酷な状況を見せたいのだろうけれど、こちらはAKB48の2作めでの、いわゆる「野戦病院化」した西武ドームのバックステージを見せられている。たしか同じ高橋栄樹監督だったはず。その件については長くなるので割愛するけれど。
さらに後半は撮影に現れなかったり、ライブを休演したりし始める。
決して「戦犯」扱いはしていないが、「鬼才」というか、ちょっとエキセントリックに描いている気はする。
シングルが発売延期になったことは知らなかったが、彼女が脱退し、偶然とは云えコロナウイルスの影響で活動休止を余儀なくされ、スタッフもメンバーも行き詰まってしまったのではないだろうか。
最後は活動を再開した配信ライブの模様で終わるのだが、その最後に「欅坂46」を捨てるという宣言をする。そこまでのひと区切りとして作られた作品なんだろう。
そしてすっかり変わってしまった渋谷をビルの屋上から、ドローンがどんどん上昇していく。カメラは地上に降り、人通りのすっかりなくなった渋谷の街角。マスクをして自転車で走り抜けるデリバリースタッフ。
これまでのシリーズと比べて、ライブの映像が多かった。劇場の大音量で聴けたのは、たいへん満足だった。ただ、よくCMで流れている「欅共和国」の映像が一切なかったのは、やはりパッケージを売りたいのかな。
上映終了後、こちらもおそらく一年ぶりにHMVに立ち寄る。
日向坂46のサイン入りパネルが展示してあった。でも、もうCDを手に取ることはない。
ただ、目のまえを46のグループが通り過ぎた一日だった。