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退院支援の必要性について

今年から精神科救急病棟で働いています。そこで最近は退院支援について考えているのですが、今回はなぜ退院支援が必要か考えてみたのでまとめました。まだ途中なので、今後もまとめて続けていきたいと思います。

Q:なぜ退院支援が必要なのか
A1:病院経営上必要な加算が取れなくなるから
精神科急性期で算定できるもの
 精神科救急入院料1= 30日以内の期間3,579点 31日以上の期間3,145点
(1日あたり)

この精神科救急入院料について、何点か注意があります。精神科救急入院料は施設基準に適合した病棟(地方厚生局に届け出をした病院)で適応されます。ただし患者さんは算定要件に該当する患者さんに限ります。これは精神疾患のない患者さんを入院させて算定させないためです。
 またこの診療報酬は俗に言う「丸め」です。診療にかかわる金額はすべてこの点数からで、別途点数を得ることはできません。ただし加算の取れるものもあります。精神科措置入院診療加算、精神科措置入院退院支援加算、精神科応急入院施設管理加算、精神科身体合併症管理加算、医療安全対策加算、感染防止対策加算、褥瘡ハイリスク患者ケア加算、精神科救急搬送患者地域連携紹介加算などです。たくさんありますが省略します。

精神科救急病棟が満床であった場合、一度他病棟に入院し2日以内に救急病棟に入院した場合は精神科救急入院料1の対象患者となります。またクロザピンを新規に導入する患者も精神科救急病棟に転棟してきた場合も初回投与時から3ヶ月算定できます。
また、精神科救急医療体制整備事業に参加していること、年間の入院患者の6割以上が非自発入院(任意入院でない入院)であること、4割以上が新規入院患者(3ヶ月以内に精神科への入院歴がない患者)であること、6割以上が3ヶ月以内に自宅退院することが決められています。

要するに退院を進め、新規入院患者を受け入れる体制を作らないと、精神科救急入院料が算定できない病棟になってしまいます。また30日を超えると434点低くなるので、可能であればできるだけ早期に退院を行うことが大切です。そして6割の患者さんを自宅退院にするべく退院調整を行わなければいけません。

A2:患者さんのゴールを明らかにするため
 退院先が施設、自宅、他院など様々な場面が考えられます。そのため患者さん家族の経済状態やサポート状態、各種社会資源の利用状況を把握し、早期から退院先の目処をつけることが大切です。入院患者さんが高齢な場合で施設から来ている場合は、時間が経過すると施設への再入所が難しくなります。また今まで社会資源を活用せずに生活していた患者さんには退院後に使える社会資源を考慮し、申請が必要なものは早期に申請手続きなどをすることで、入院中の各種申請をし、スムーズな退院をすすめることができます。
 

またまとめたらアップしていきたいと思います(この記事は無料なのでこれより下はありません)

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このマガジンは2人の臨床経験をもとに投稿しています。臨床で困っていること、対応の仕方など脳と精神分野に強い2人が臨床に即した内容で書いています。臨床でお役に立てる内容だと思います。ただし、まだ記事が少ないです。

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