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それでも私は愛するクラブを応援するという話

 私の、私たちの愛する鹿児島ユナイテッドFCは、2024年のJ2リーグを19位という成績で終えた。希望を胸に挑んだ2度目のJ2の舞台も、1年ではね返されてJ3への降格という結果に終わった。


 シーズン始まった直後くらいまではすごく楽しかった。たくさんの選手(それも補強ポイントに合致していそうな選手たち)を補強できたし、私は「前回とは違う鹿児島を見せてやるんだ」と意気込んでいた。2月下旬にエンカしてくれた県外のフォロワーにも「今年のJ2は鹿児島が台風の目になるから!」みたいな話をした覚えがある。たぶん選手もサポもそう思ってシーズン開幕を迎えたんじゃないだろうか。

 ホーム開幕戦の徳島戦はすごく興奮した。2試合連続で先制されて「やっぱJ2じゃ厳しいのかな……」と落ち込んでいたところに後半ATの逆転劇。頭痛くなるくらい興奮して叫んでたし、周りのサポも叫んでた。あの光景は今でもまぶたの裏にこびりついている。


 その後は本当に勝てなかった。いや私に限った話をすれば実は意外と勝ち試合を見てる(4勝3分5敗)んだけども、勝てない時期が長かったし、どんどん残留争いも苦しくなっていった。夏頃には悪夢の8連敗なんてのもあった。この8連敗には当時残留を争っていた熊本・栃木が含まれていたから、ここで2連敗したことで残留の文字は涙で掠れて見えなくなってしまった。

 降格した原因はたぶんいろいろある。シンプルな決定力不足、本職SBの不在とインナーラップの多用による最終ラインの脆弱さ、メンタルコーチの不在、エトセトラエトセトラ……まあ私は(多少勉強してるつもりだけど)サッカーの戦術を体系的に習ったわけでもないから、ここらへんの総括は誰かもっと詳しいサポがやってくれるだろう。
 とにかく、ここで言いたいのは誰か1人だけが悪いってわけじゃないから選手や監督やサポーターやフロントや何かを責めてもしょうがないよねって話。まあだからやり場のない怒りと悲しみを廃棄すべくこうやってnote書いてるんだけども。

 私はTwitterによくいるダダ甘鹿児島サポとは違うから、ブーイングしろとは言わない(だって意味ないからね)けどチームが降格決まった試合で拍手とか馬鹿かと思ってる。それに連敗長引いた時とかは次頑張ろうだけじゃなくて、もっと何か色々アクションしたかったし、仕切ってるサポ団体には何かしらアクションして欲しかった。何かを変えなきゃいけないんだからサポも何かを変えるべきだったと思ってる。まあこれは別に本題じゃないからどうでもいい。そういう意見もここにあるよってだけ。


 ………………うん。こうしてシーズン振り返りながらここまで筆を進めてきたわけだけども、やっぱしんどいよ。辛いよ。だってJ3から這い上がったはずが2回とも1年で出戻りだよ。こんな辛い思いしてるサポ他にいるか? いや昇格にあと一歩届かないクラブのサポも苦しいとは思うけど、それでも来年またチャンスがあるだろ。私らには来年チャンスはないんだ。もう一度J2に上がって、初めてミッションリストに残留という2文字が表示されるんだ。この辛さは味わった人間にしかわからない。まあ、一昨年なんかは昇格できなかった苦しみを味わってるんでそっちの辛さもわかるけどね。個人的には昇格失敗より降格の方が辛いってだけの話。


 ここからタイトルに繋がってくるんだけども、まあそんな辛いならサポやめれば良いじゃんってね、心の片隅にいる冷徹で理屈屋の風野が言うわけですよ。応援するってのはチームに期待を向ける行為で、それが裏切られて辛い思いするなら最初から応援しなけりゃいいのさ。その通りだよ、例えばなんかプレミアリーグの名前だけ知ってるようなチームが降格しても別に興味ないよね、そんな感じになれば辛いことなんてなくなるよ?

 でもやめらんねえんだよな。ホーム横浜FC戦で土砂降りの中カスみたいな試合見せられても、次の日には次節の試合相手の特徴とか確認してるんだよな。これなんでだろうな。これが愛するってことなんだろうかな。いやクソ恥ずかしいこと書いてる自覚はあるけどさ、まあ少しくらい自己陶酔に浸ってもいいじゃん? 少なくとも私はこの想いを愛と呼びたいね。見返りとか何もないし、報われないことの方が多いし、嬉しい思いの3倍くらい辛い思いをする。それでも私の大好きな鹿児島ユナイテッドFCのためにスタジアムに足を運んで手拍子するんだ。これが愛じゃないなら私はきっと一生何も愛せずに死ぬと思う。


 だから私はJ3に落ちても鹿児島ユナイテッドFCを応援する。理屈じゃないんだよ。もう今更やめられないよ。クラブが消滅するか私が死ぬまで消えない呪いみたいなもんだよ。だって降格して死ぬほど辛くて苦しくてこれ少し目を潤ませながら書いてるのに、来季鹿児島のユニが白波で、敵地で、縦横無尽に躍動するのが楽しみで仕方ないんだもん。沼だよ、救いようがないよ。

 だから、白波スタジアムでまた来年会おうね。楽しみにしてるから。またね。

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