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【Vol.3】「ソーシャルディスタンス」を考えてみた

「ソーシャルディスタンス」
正確な日本語訳は分からなくても
このご時世、どういうことを意味するか
老若男女問わず理解しているだろう。

時折街なかで、ことばをやっと覚えたくらいのこどもが「マスク」だの「コロナ」だの話しているのを見てアンパンマンやドラえもんに匹敵する
影響力だなと感心してしまう。

ちなみにわたしは「マスク」という単語については給食時に使うということで小学校入学時に覚えた。
「コロナ」に至っては・・・つい最近である(笑)
スゴイな令和のこどもたち!!

そういえば、社会的孤立を招くおそれがあるということから
「ソーシャル」なディスタンスでなく
「フィジカルディスタンス」にしましょう
という動きがあったと記憶している。
その後どうなったのだろうか?

ソーシャルディスタンスをわたしなり解釈すると
社会活動において人々がよりよく生活していくための他者への気遣い、思いやりなのではないかと思っている。

そしてソーシャルディスタンスには
物理的、精神的の2つあると考える。

まず、物理的なソーシャルディスタンスについて
たまに電車内で体験することで例えてみる。

空いた車内で「どこでもお好きなお席どうぞ」の状態にもかかわらず近くに座ってくる人がいる。
「なぜよりによってこの席なのか?」
「ここでないとならないのか?」
少々恐怖心を抱いてしまう。

逆に、混んでいる車内で駅に着くたびに人が乗ってくる状態にもかかわらず自分の位置やスペースを死守して奥に詰めようとしない人がいる。
もしかしたら、単に周りの状況が気にならないだけなのかもしれない。
いずれにしても「詰めましょうね~、詰めましょうね~」と念を送っている(笑)

一方、精神的なソーシャルディスタンスについては、こうだ。

初対面や知り合って間もない間柄なのにプライベートなことやデリケートなことををズケズケ訊いてくる人がいる。
これは、わたしに限ったことではないと思うが、大変苦手である。

逆のパターンもある。
先日のこと、帰りが遅くなってしまった仕事仲間に何の気なしに「遅くなっちゃいましたね。ご家族がごはん用意して待っているんですか?」と訊いた。
ところが返ってきたのは
「そうだな、何か食って帰るか・・・」(ブツブツボソボソ)
独り言なのか?自分の世界に入ってしまったのか??
質問をはぐらかされてしまった。

何年もいっしょに仕事していてもプライベートなことは一切謎の
”ミスターミステリアス”だ(笑)

とは言え、彼にとって踏み込んでもらいたくないことを訊いてしまったようで申し訳なく感じた。

「ヤマアラシのジレンマ」が浮かんだ。

付かず離れずのちょうどよい関係。
「空気を読む」という一方的に他者を気遣うというのとは違いお互いがお互いに心地よい関係を見出すという点では他者への思いやりと自分自身を大切にできる両方を兼ね備えている。
なかなかステキな関係ではないか。

「ソーシャルディスタンス」
このような社会情勢で他者との関係が希薄になる一方、SNSなどでは個人への誹謗中傷など入り込み過ぎた他者との関係が問題になっている。
いま一度、他者との関係を考えさせてくれるきっかけを与えてもらえたのではないだろうか。

老婆心ながら・・・
場や人間関係に応じて互いの距離を調整できるということは他者への思いやりや敬意を表しつつ、自分自身も大切にできる高いコミュニケーション能力。
これを活かそう。