【我流道楽、ロードバイク】〈メンテナンス編〉ロードバイクのTLR化の手順② タイヤ装着〜馴染ませ走行
チューブレスレディ化・その②
リムテープを貼り、チューブレスバルブを取り付けるまでの手順は、前回記事をご参照ください。
ホイールに、リムテープとチューブレスバルブを装着した段階です。
今回はタイヤを取り付けていきます。
9.タイヤを装着する
前日から広げておいた、タイヤを装着します。
この段階で、かなりタイヤの折り癖は取れているかと思います。
タイヤをリムに嵌める時は、バルブの反対側から嵌めてください。
片側を嵌めたら、もう一方を嵌めていきます。
ここでも、バルブの反対側から嵌めていきます。
この際、両方のビードが、リムの中央の凹みにくるように作業します。
10.ビード上げ
空気を入れて、ビードをリムに密着させる工程です。
ビードにワックスを塗って、滑りを良くします。
柔らかいタイヤの場合、フロアポンプだけでも、ビードは上がりますが、かなりの労力が必要です。
私はシュワルベから発売されている「タイヤブースター」を使用し、一気にビードを起こしています。
小気味よく「パンッ、パンッ」と音がしたら、ビードが上がった証拠です。
タイヤの側面に「ビードが上がったことがわかる線」があります。
この線が全周囲、見えていることを確認してください。
11.バルブコアの取り外し
タイヤの空気を抜きます。
一度上がったビードは、空気を抜いても落ちることはないと思います。
バルブコアツールを使用して、バルブコアを外します。
12.シーラント注入
今回のシーラントは、オーソドックスな「Stan's NO TUBE」を使用します。
「Stan's NO TUBE」の小容器は直接、タイヤ内にシーラントを注入できます。
シリンジ(注射器)を用いたツールも発売されています。大容器を購入されたり、注入量にこだわりをお持ちの方は、そちらをお使いください。
バルブを時計の8時〜9時方向に持っていき、容器の口を差し込みます。
少しホイールを回転させて、6時方向へ。シーラントを注入します。
注入が終わったら、再度、ホイールを8時〜9時方向に。容器を外します。
この際、シーラントがこぼれることがあります。
すぐに拭き取れるように、ペーパーウェスを用意しておくと便利です。
13.バルブコアの取り付け
バルブコアツールを使って、バルブコアを取り付けます。
きつく締めると、バルブが供回りしてしまい、バルブが緩む原因となります。
供回りし始めたら、締めるのを止めてください。
「ギュッと締めなくて大丈夫?」と不安になりますが、キツく締めなくても大丈夫です。
14.タイヤに空気を入れる
フロアポンプを使って、タイヤに表記されている最大空気圧までエアを充填します。
15.シーラントを馴染ませる
タイヤを回したり、振ったりしながらシーラントを隅々まで行き渡らせます。
地面の固い場所で、10cmほどの高さからホイールをバウンドさせる、やり方もあります。
これで、お家での作業は終了です。ホイールをフレームに装着します。
16.走ります。
ここからが大事な作業、実際に自転車を走行させてください。
できれば作業直後にテスト走行を兼ねて、遅くとも翌日がいいかと思います。
距離は5〜6kmで十分です。
実際に走行し、タイヤに圧が加わることで、微細な穴にシーラントが浸透します。
この「微細な穴」を塞ぐことで、TLRは完成します。
この過程を「育てる」といった表現をする人もいます。
17.仕上げ
最初の1週間程度は、空気圧の減り幅を観察してください。
自分の場合、交換後1週間は、毎日最大空気圧を注入し、減圧幅をみて、ホイールを回転させシーラントを浸透させています。
初めのうちは、安定していなくても、次第に減圧の幅が減ってきます。
減り幅が1bar程度以内に収まれば、TLRは完成。
こんなときは
・すぐに減圧してしまう場合
・翌日に極端に空気が減るとき
・1週間経っても安定しないとき…
まずは、シーラント不足を疑いましょう。
説明書に書かれている注入量は、「最低量」であることがほとんどです。
タイヤ交換が無事終了し、エアを注入したあと、タイヤの中の見えない世界で、シーラントが「微細な穴を塞ぐ」という、地味な作業をやってくれています。
注入したシーラントの量は「最低量」であるため、早速、穴を塞いだ分、量が足りなくなります。
軽量化にこだわるあまり、シーラント量を控えめにすると、極端な減圧を招きます。
翌朝、ペコペコになるくらい空気が抜けている場合は、迷わずシーラントを追加しましょう。
また、バルブ周りにトラブルを抱えていることも多いです。
バルブナットを締め直したり、バルブコアの付け直し・交換をしてみてください。
それでも、空気の減りが早い場合は、リムテープの貼り方に問題があることがほとんどです。
とても手間がかかりますが、この場合は、リムテープの貼り直しとなります。
TLRのパンク以外でのトラブルは、ほとんどが「シーラント不足」か「バルブ周り」だと思われます。
タイヤによっては、シーラントの種類が指定されているものもあります。
銘柄まで合わせる必要はないと思いますが、「アンモニアフリー」指定のタイヤの場合、アンモニアを未使用のシーラントを注入したほうが、無難と思われます。
「シーラント沼」なるものも存在しますが、それはまた別の機会に。
私的考察
パンクしたときに穴が塞がらなかったり、交換作業の煩雑性が、TLRに対する好き嫌いの分かれ道なのだろうと思っています。
自分も経験したことですが、交換後、何日経っても空気の減りが早く、タイヤを外してみたら、中のリムテープが、べら〜ッと剥がれていた…といったことがありました。
通常であれば、早くて1〜2回の走行で空気圧も安定してきます。
また、使用するタイヤやリム、バルブ、シーラントによって、膨大な組み合わせが存在するのもTLRの特徴です。
その無数の組み合わせの中から、「正解」ではなく、「最適解」の相性を導き出すことが、個人的には楽しい作業、人によっては面倒くさい作業になるのかもしれません。
おわりに
タイヤ交換の時期が重なったため、手順を文章と写真で、まとめてみました。
動画ほうが、はるかにわかりやすいと思います。
交換にまだ慣れていなかったころは、「Panaracer」や「MAVIC」のYouTube動画を参考にしていました。
ロードバイクに限らず自転車の世界は、使用する機材からトレーニング方法、ライディングフォーム、補給食等に至るまで、様々な情報が錯綜しています。
先にも述べた通り、私個人の見解として、自転車という趣味は「正解」探すのではなく、自分にとっての「最適解」を導き出すことが、「楽しさ」につながると考えています。
今回、ここでご紹介した手順は、自分の「現段階での最適解」です。
そのため、今後も変化します。
その際は随時、編集・追加していきたいと思います。
みなさんも好きな道具で自転車ライフを楽しんでくださいね。
では、また次の機会に…