自作の太陽熱調理器3号機
先週の金曜日は、私の自作した太陽熱調理器「ワンコ2号」に悲劇が起きたという話を書いた。
今回は、その悲劇を元に、さらなる改造を行ったという話を書く。
そもそもワンコとは
地球環境、とりわけ森林破壊や二酸化炭素の増加に対し、私は太陽熱の利活用を推進したら良いと考えている。太陽熱を利用するのは無料であるし、太陽熱は地球上の誰もが簡単に使うことができる。
太陽熱の利活用を推進したら良いと考えるものの、今の日本は国会すらまともに開かれていない「日本版アナーキー」であるため、法律の整備やエコポイントのような助成金などによる推進は、私は考えていない。この日本版アナーキーにおいては、政府や企業に頼ることなく、できることは自分達でやるほうが手っ取り早い。
そういうことも考えた上で、一家に一台の太陽熱調理器が普及するためには、予算500円以下(ワンコインでお釣りが来る)というのを私は一つの目安としている。恐らく500円以下であれば物は試しで使ってみようと思う人も増えるだろう。どこにでもあるような材料で、小学生でも作れるくらい簡単な装置で、500円以下の太陽熱調理器、それが私の開発するワンコである。もちろん取り扱いも、小学生でも使えるくらい簡単で安全なものを目指している。
なお、現時点でワンコは、せいぜいコーヒーを飲むのに良さそうなお湯を作ることは可能であるが、お湯を沸騰させることはできないくらい非力な子である。まだまだ改良の余地がある。
ある意味、ワンコはミニ四駆みたいな存在で良いと思う…というのは、ミニ四駆の改造は小学生でも楽しめる。そんな具合に、このワンコにアイディアを得て、あれこれ改造してくれたら楽しいと思う。
前置きが長くなったが、2号機を改造して作った3号機の作り方を紹介したい。なお、改造のため、半分ほど2号機と共通する点はご了承いただきたい。
材料
まず、用意するものは以下の通り。
(1) インスタント焼きそばの空き容器
(2) 缶コーヒーなどの空き缶
(3) アルミコーティングされた空き袋
(4) 1.5Lくらいの空のペットボトル
(5) テープ
(6) 黒い油性ペン…なくてもOK
(7) ハサミ
できれば(1)は、大盛りや特盛のものが望ましい。
そして(2)は、必ずホット販売できるキャップ式のものに限る。コーヒーではなく紅茶やはちみつレモンの缶でも構わない。ただ、黒っぽい缶のほうが楽に作ることができる。
イマイチよくわからないかもしれない(3)は、具体的には、例えばファミリーパックなどといった呼び名で売られているチョコレート菓子の外袋がこれにあたる。鍋を使って作るインスタントラーメンで少しお値段が高めのものも、そういった外袋に入って売られている。
元々2号機までは(4)としてラップを用いていたのだが、今回はペットボトルを用いる。このペットボトルは、なるべく大きいほうが良いだろう。ただし、断面が四角いものではなく丸いもののほうが良いだろう。
実は最初お茶の入った2Lのペットボトルを使おうとした。ところが実際に使う時にペットボトルと空き缶が干渉してしまい、あまり使い勝手が良くなかった。
工作が苦手な人は(5)として透明なものを選ぶと良い。
材料は(1)〜(4)まで、ゴミとして捨てられるようなものを用いている。残る(5)〜(7)も、恐らくどこの家庭にも普通に存在するであろう物を用いている。
そのため実質的な材料費は、50円とかからないと思われる。
作り方
次に、作り方を説明する。
(1) インスタント焼きそばの容器は、しっかりと洗って乾かしておく
(2) (1)の容器の内側に、アルミコーティングされた空き袋を、ピカピカした面が見えるように貼り付ける
(3) 空き缶は綺麗に洗い、時間に余裕があれば、外側を黒いペンで塗りつぶしておく
(4) ペットボトルは、キャップのある側の細い部分を切り落とす
この作り方に関しては、冒頭の写真を見れば、わかると思う。ハサミを使える子であれば小学1年生でも一人で作ることができるだろう。
使い方
こうして作った太陽熱調理器「ワンコ3号」の使い方を説明する。
先にお断りしておくが、この太陽熱調理器は、蒸し料理や焼き物や揚げ物は、まずできないと思って頂きたい。
この太陽熱調理器でできることは、主にボイルすることだと思って頂きたい。それも、沸騰は期待しないでもらいたい。猫舌の私が飲むのに丁度良いインスタントコーヒーにピッタリなお湯を作るのが得意な太陽熱調理器である。天候にもよるのだが、1〜2時間あればそこそこ湯気の立つお湯ができる。
その手順は、以下の通り。
(1) 空き缶の中に調理したいものを入れる
(2) (1)を焼きそばの容器の中央に立てる
(3) (2)にペットボトルをかぶせる
(4) 焼きそばの容器ごと日の当たる場所に置く
(5) およそ1〜2時間したら出来上がり
この太陽熱調理器は、冒頭の写真のように使う。
参考までに、写真の焼きそば容器は期間限定販売の「ごつ盛り盛り」という焼きそばのもので、まいばすけっとにて200円くらいで購入した。この容器の内側に貼ったのは、ラ王という袋麺のものを用いている。そしてペットボトルは1.5Lのキリンレモンを用いた。これらは全て、中身を美味しく頂いた後に、ワンコ3号を製作してみた。
なお、その気になれば、この太陽熱調理器でオートミールのポリッジくらいは作ることができるだろう。実際、加熱し終えた直後の缶を持つと、素手では熱いため、軍手やタオルや手ぬぐいを使うことをオススメする。ただし、私は今の所、この太陽熱調理器を水を加熱することにしか使っていない。
というのも、どうしても空き缶は寸胴ではなく肩の部分がある形状をしている。水以外の何かを入れて料理したら、洗うのが大変だろう。そんな訳で私は水しか入れていない。
まとめと来週の予告
今回は材料費500円以下で簡単に作ることのできる、自作の太陽熱調理器を紹介した。この太陽熱調理器は、出力が弱い上にできることも限られるものの、インスタントコーヒーを飲むためのお湯くらいは作ることができる。
手頃な材料で、サクッと作ることができる。自作のエントリーモデルとして作ってみてはいかがだろうか。
来週は『自作の太陽熱調理器3号機に対する考察』として、この太陽熱調理器を、さらに改造することを考える。
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