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5周年を迎えて

2018年7月に世界経済フォーラム第四次産業革命日本センターが設立されてから、まもなく5年。その軌跡を記した5周年誌(英語)を作成しました。

Five Years of the Centre for the Fourth Industrial Revolution Japan: https://www3.weforum.org/docs/WEF_Five_Years_of_C4IR_Japan_2023.pdf


振り返ってみると、わずか5年足らずの間に私たちを取り巻く環境と意識は大きく変わりました。

設立から約5年の間に、日本の首相が国境を越えたデータ流通に関する大規模なグローバル・イニシアティブを立ち上げる(Data Free Flow with Trust)、世界中にスマートシティのネットワークを構築する(G20 Global Smart Cities Alliance)、私たちセンターの取り組みがG7サミットのアジェンダを形成する(G7 Hiroshima 2023)など、当時にそんなことを言われたとしても信じられなかったでしょう。しかし、すべて実現したのです。 (抄訳、須賀千鶴/センター長2018-2021, p. 4)   

Five Years of the Centre for the Fourth Industrial Revolution Japan

2021年に日本が主催したGlobal Technology Governance Summitなど具体的な成果だけでなく、私たちの活動が世の中の意識を変え、前向きな変革に取り組む志を同じくする人々のコミュニティを構築したことを誇りに思います。社会全体のデジタル・トランスフォーメーションという急進的なイニシアチブに対して、もはや "なぜ?"や "本当に必要?"といった反応ではなく、"どうすれば実現できるのか?"と問われるようになったのです。 (抄訳、須賀千鶴/センター長2018-2021, p. 5)  

Five Years of the Centre for the Fourth Industrial Revolution Japan

2021年からのテクノロジー「実践・実装」に向けた私たちの活動は、同年秋のデジタル庁設立とも相まって更に加速しました。つい先日の2023年6月14日に、いわゆる「アナログ規制」を見直すための法律が国会で可決・成立し、9,669項目にものぼるアナログ規制が刷新される形で結実したことがその象徴です。

2021年秋にデジタル庁が新設され、デジタル政策の実施は政府アジェンダの中核となりました。(中略)アナログ規制をデジタル時代に適合させる抜本的な見直しを促していた日本センターのアジャイルガバナンス・プロジェクトは、前センター長・須賀千鶴さんとの連携もあり、何万もの法律や規制の見直しの実現に繋がりました。 (抄訳、山室芳剛/センター長2021-2023, p. 9)  

Five Years of the Centre for the Fourth Industrial Revolution Japan

「実践・実装」は、地方自治体を中核とした連携強化によって全国の現場に直結した活動となりました。

つくば市長、福岡市長、加古川市長、都城市長といった地方自治体のリーダーたちと連携によってG20 Global Smart Cities Alliance (GSCA)のイニシアチブの条例化など、地方自治体が日本を変えていく原動力になっていく現場を実感することになりました。 (山室芳剛/センター長2021-2023, p. 9)  

Five Years of the Centre for the Fourth Industrial Revolution Japan

2023年のG7は、グローバルアジェンダへ寄与する大きな舞台となりました。

2022年4月に来日した世界経済フォーラムのシュワブ会長が岸田首相と会談し、G7議長国としてのテーマについて話し合いました。サンフランシスコで開催されたGlobal Technology Governance RetreatにてG7のアジェンダを形成することを目的にG7インパクト推進チームが発足。2023年1月にダボスで開催された年次総会では、西村経済産業大臣と河野デジタル担当大臣がG7アジェンダを発表し、私たち日本センターとの連携による公式官民イベントの開催を告知しました。

具体的には、G7都市大臣会合に向けて国土交通省や香川県知事と意見交換を行い、史上初の都市大臣会合に向けた官民ハイレベルラウンドテーブルを開催。G7デジタル技術大臣会合では、その直前にデジタルトランスフォーメーション・サミット(DXサミット)アジャイルガバナンス・サミットの2つを主催し、DFFT(Data Free Flow with Trust)実現のための国際的枠組みや、CPS時代のデジタル・ガバナンスを推進するための新たな原則などのイニシアチブを推進し、閣僚宣言での採択が実現しました。(抄訳、山室芳剛/センター長2021-2023, p. 9-10)  

Five Years of the Centre for the Fourth Industrial Revolution Japan

先行事例もなく手探りで始まった日本センターの活動は、この5年間を通じてテクノロジー領域における強固な官民パートナーシップの可能性を提示してきたと自負しています。

勢いを増す第4次産業革命のテクノロジーの潜在能力を引き出し、ネガティブな影響を軽減する実行力は、強固な官民パートナーシップにかかっています。日本センターはその連携モデルを提供してきました。今後、こうした官民パートナーシップが継続的に成長し、強化されていくことを期待しています。(抄訳、山室芳剛/センター長2021-2023, p. 10)  

Five Years of the Centre for the Fourth Industrial Revolution Japan

2023年7月以降、世界経済フォーラム第四次産業革命日本センターの活動は世界経済フォーラムによるイニシアティブに移行します。データガバナンススマートシティヘルスケアデータアジャイルガバナンスモビリティの各プロジェクトにおいて私たちの活動を支えてきてくれたパートナー企業、フェロー、インターン、そして多くのコラボレーターのみなさまに心より厚く御礼申し上げます。ありがとうございました!

世界経済フォーラム第四次産業革命日本センター
ティルグナー順子(広報)



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