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2023年G7グローバルヘルス・タスクフォースの提言

 
2023年4月28日、ヘルスケア・データ政策プロジェクトのリードである藤田がメンバーを務める「2023年G7グローバルヘルス・タスクフォース」の提言が日本政府に提出されました。同提言では、5月11日から13日にかけて新潟で行われるG7財務大臣会合、5月13日から14日にかけて長崎で行われるG7保健大臣会合、5月19日から21日にかけて広島で行われるG7サミットに向けて、グローバルヘルスに関わるアジェンダや推進すべき具体策を示しています。
 
 

 
 
提言の要旨は、世界的に著名な医学誌『ランセット』に、岸田総理からの寄稿を受けてのCommentとして4月4日に掲載されました。
 
 
本タスクフォースは、2022年7月、「グローバルヘルスと人間の安全保障」運営委員会(委員長:武見敬三 参議院議員、幹事:大河原昭夫 JCIE理事長(当時))のもとに設置され、国内の研究者や実務家が集まり、海外の有識者の意見も取り入れる形で議論を重ねてきました。今回の提言はその議論の集大成となります。

提言要旨では、G7のリーダー達が緊急に取り組むべきグローバルヘルス課題として、以下2つを特定しています。
 
•公衆衛生上の緊急事態や健康に対する多様な脅威に柔軟に対応できるよう、保健システムの強靭性を高めること
•地政学的な緊張と変化の中で、グローバルヘルス・アーキテクチャー(GHA)を変革し強化することによって、連帯を高めること
 
それらの課題に対応するため、G7に対して、以下3つの行動を提言しています。
提言1:ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)を達成するための各国主導の努力を後押しする
提言2:共有財としての感染症危機対応医薬品等へのタイムリーかつ公平なアクセスを促進する包括的なアプローチを取る
提言3:グローバルレベル及び地域レベルにおいて、国家及び非国家アクター間の効果的な協力を保健分野を超えて促進する多層的なグローバルヘルス・ガバナンスを強化する

【英文(原文)】(全文お読みいただく場合には、ランセット誌サイトにて無料アカウントの登録が必要です)
Promote global solidarity to advance health-system resilience: proposals for the G7 meetings in Japan
The Lancet. Published: April 04, 2023. DOI: https://doi.org/10.1016/S0140-6736(23)00690-6

【和文(仮訳)】
保健医療システムの強靭性を高めるためのグローバルな連帯の促進:G7広島サミットへの提案
 
2つの課題、3つの提言それぞれに共通して鍵となるのは、ヘルスケア・データの取扱いです。例えば、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)を有効に実行していくためには、Personal Health Record(PHR)を含めたデータの利用は不可欠です。
 
今後のG7での議論においても、ヘルスケア・データは重要なテーマとなります。世界経済フォーラム第四次産業革命センターは引き続き、生活の質の向上に向けたデータガバナンスのための枠組みづくりを推進し、多国間ネットワークを通じて提唱しているAPPAなど、プラバシーと公益を両⽴させるデータ運⽤ルールに⽀えられたヘルスケア社会の実現に向けた活動を行なって参ります。

世界経済フォーラム第四次産業革命日本センター
執筆
:佐川弘晃(ヘルスケアデータプロジェクト)

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