弱小ソムリエのイメージ戦略

 ウイスキーは嫌いじゃないけど、ハイボールは嫌いっていう人いませんか。ウチのお店には、とくに若い人でそういうお客様がちらほらお越しになります。だから、ウイスキー好きなお客様に「ソーダ割りしましょうか」と提案しても断られることが多々あります。

 でも、ハイボールってそもそもウイスキーをソーダで割ったものですよね。ウイスキーは好きだけど、ハイボールは嫌いってどうゆうことなんでしょうか。それってサッカーは好きだけど、フットサルは嫌いって言うのと同じような気がします。別に批判してるわけではないんですよ。ただ、すごく面白いなと。

 だから、ソーダが嫌いなのかと思って聞いてみたら、そうでもない。なぜなら、カシスソーダやジンリッキーなどソーダは使用してるけど人気のあるカクテルはたくさんあるからです。そういう人は必ずしも炭酸が苦手ではないんです。

 そこで、お客さんによくよく聞いてみると、ベースがサントリーの角瓶であることが分かりました。つまり、ハイボールが好きじゃないじゃなくて、角ハイボールが苦手だったんです。ここではサントリーの角瓶をどうこう論評するつもりはありません。ただ、僕が面白いと思ったのは、角ハイボールの味がハイボールの全てだと認識している人が少なからずいることです。

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