情報のプロフェッショナル。公安調査庁について分かりやすく解説!
「公安」と聞いて多くの人は警察を思い浮かべると思います。
やっぱり公安といえば公安警察です。
でも今回は公安調査庁という組織について解説していきます。
そもそも公安調査庁って?
公安調査庁は法務省に置かれた日本と私たちの安全を守るための組織です。
危険な団体を調査する他、様々な情報を集めて分析する事で政府の大事な政策である危機管理、外交や安全保障の推進に貢献します。
一言で言えば情報を武器に悪い人たちと戦うヒーローです。
どんな仕事をやってるの?
主に
「団体規制」
「情報貢献」
この2つが公安調査庁の主な仕事です。でもそれだけだとよく分からないですよね?それに文字数も少なくて書いてる私が満足できません。
それではこれらの仕事についてちょっとだけ詳しく見ていきましょう。
団体規制って?
「破壊活動防止法」に基づき、暴力で目的を達成しようとする危ない団体を調べ、
活動の制限や解散などの必要があった場合は公安審査委員会に対し請求を行い、
活動の制限をしたり解散させたりします。
他にも「無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律」に基づいて、
過去に多くの人を無差別に殺害し、現在も危険だとされる団体に対して
立ち入り検査ができるようにする「観察処分」
団体の活動を制限する「再発防止処分」の請求も行います。
簡単に言えば「危ない団体を調べて場合によっては活動を制限したり立ち入り検査をしたりする」ということです。
情報貢献って?
内閣情報会議などの関連機関に対し、自分たちが集めた情報を提供し、テロを防いだり、政府の政策決定などに協力したりします。
集める情報は国内・国外の情勢やテロリズムの動向など国や国民の安全に関わるものです。
簡単に言えば「集めた情報でテロ防止や政策決定の役に立つ」ということです。
国内・国外の情勢、テロリズムの動向などをまとめた資料は一般にも公開されており、公安調査庁ホームページで見ることができます。
下のリンクからそれぞれの資料が閲覧できます。
公安調査庁の歴史
民主主義体制の守り手
あまり聞く機会のない公安調査庁ですがその歴史は古く、誕生は今から70年以上前の昭和27年(1952年)7月21日に遡ります。
暴力主義的な活動から国民を守り、公共の安全を確保するための法律である「破壊活動防止法(通称 破防法)」が施行された事に伴い、この法律が定める
・破壊的団体の規制に関する調査
・処分請求に関する仕事
これらを一体的に行うために公安調査庁は生まれました。
その後は過激派の調査を行い、集めた情報を関係機関に提供する「日本の民主主義体制の守り手」として活躍を続けることになります。
顕在化する脅威
そして時は流れ1999年3月20日、オウム真理教による地下鉄サリン事件が発生。
これを受け、同年12月27日。「無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律(通称 団体規制法)」が施行されました。
・無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する調査
・それらへの処分の請求及び規制措置
団体規制法の施行に伴い、公安調査庁には新たに2つの業務を行う事になります。
公安調査庁は現在も、組織への調査・検査などを続けています。
オウム真理教は決して過去の脅威ではないのです。
変わり続ける世界、変わらない使命
我が国を取り巻く国際情勢が不安定化の一途を辿る中、テロ・技術漏洩などという脅威が他人事とは言えなくなっています。
日本から、そして世界からこうした脅威が無くならない限り、公安調査庁に本当の意味での平穏は訪れないでしょう。
彼らの使命はこれから先もただ一つ。「情報の力で国民を守る事」です。
公安警察との違い
ここで気になるのが「公安警察との違い」ですよね?
では公安調査庁に属する公安調査官と所謂公安警察官との違いを解説していきましょう。
まず大きな違いとして公安調査官には逮捕ができません。
刑事ドラマのような捜査もできません。(調査はできますので間違えないように注意!)
拳銃や警棒なども持てません。
あくまで公安調査庁は「調べる機関」であり、警察とはちょっと性格の違う組織です。
こうしてみると結構違うでしょ?
公安調査庁に関する誤解を解く!
あまり馴染みのない組織である公安調査庁。
そのため誤解している人も多いのではないでしょうか?
そこで今回は代表的な例を2つ挙げて公安調査庁に対する誤解を解いていきます。
誤解その① 国民に対するスパイ活動をしている?
先ほど紹介したように公安調査庁は危ない団体を調査する事(団体規制)と情報貢献が主な仕事の組織です。
危ない団体の一員だったりしない限りは調査対象にはなりません。
調査対象になるには余程の何かが必要です。
また、秘密警察などとは異なり、黙々と調べ続けるのが公安調査庁の特徴です。
誤解その②やっぱ『ミッション:インポッシブル』みたいな感じ?
夢を壊しますがそれらのような事にはなりません。
デスクワークの方が中心となり、映画のような格闘などにはほとんど縁がないので映画に比べたらちょっと地味です…
でもカッコいい仕事なのでオススメです!
ちょっと地味だけど大事な役目を担う公安調査庁。
皆様もぜひ調べて沼にハマっていただけると嬉しいです!!