目に見えない脅威から暮らしを守る!総務省のプロフェッショナルたち。
はじめに
電波はスマートフォン、テレビ、家電などで利用され、日常生活に欠かせない存在となっています。
また消防、警察などの無線でも電波は利用され、
このように便利で欠かせない電波には脅威となる物が存在している事をご存じでしょうか?
目に見えぬ脅威「不法電波」
その脅威とは「不法電波」の存在です。
日本では電波法によって電波の周波数、出力などが用途ごとに決められています。
この決まりを守っていない不法電波は
・通信障害
・家電の誤作動
などといった事故を引き起こします。
それでは具体的な例を紹介していきましょう。
不法電波が引き起こした事故の例①
1996年、東京都調布市にて、保管してあった石油ストーブから突然出火。事務所が全焼するという事故が起きました。
調査によって、この石油ストーブは点火システムに電子回路を使っているもので、極めて強力な電波を受けた場合、誤作動を起こすことが判明しました。
原因は近くを通る車に設置された高出力の不法無線機から出された電波によっての誤作動であるとされています。
不法電波が引き起こした事故の例②
数年前、石川県の小松空港において駐機中の航空機から「GNSS(衛星航法システム)が使えない」との報告がありました。
調査の結果、数キロメートル離れた工事現場のクレーンに設置されていたワイヤレスカメラが出す電波が原因と判明。
このワイヤレスカメラは電波法に定められている技術基準に適合していない物であり、総務省北陸総合通信局は直ちに撤去するよう指示しました。
不法電波に立ち向かえ!
見えない脅威である不法電波。
これに対し、総務省は電波監視をする事で、みんなが安心して利用できる電波環境を維持するべく活動しています。
主な役目として電波の調査や不法無線局(電波法で決められている免許や登録をせずに開設している無線局)の探査が挙げられます。
24時間体制により、重要無線通信妨害の申告を受け付ける事で、妨害源の迅速な特定と排除を行なっています。
他にも
・警察などの捜査機関と共同での不法無線局の取締り
・摘発した無線機の鑑定
・無線通信障害に係る情報収集
・無線通信障害を与えた機器の分析
これらのような業務も総務省の役割です。
不法無線局をもっと詳しく ~例外について~
電波法第4条には「無線局を開設しようとする者は、総務大臣の免許を受けなければならない。」とされています。
無線局は電波法及び関係法令の規定に従って免許を受けなければなりませんが例外も存在します。
・発射する電波が著しく微弱な無線局で総務省令で定めるもの(ラジコンやコードレス電話などはこれに該当します。)
・市民ラジオの無線局
・小電力の特定の用途に使用する無線局
コードレス電話、小電力セキュリティシステム、小電力データ通信システム、デジタルコードレス電話、PHSの陸上移動局、狭域通信システム(DSRC)の陸上移動局、ワイヤレスカードシステム、特定小電力無線局等の特定の用途及び目的の無線局であり、次の条件をすべて満たすもの。
また日本において「電波法令で定めている技術基準に適合している無線機であることを証明する」技適マークが付いてない無線機(技適未取得機器を用いた実験等の特例を除く)を使用すると電波法違反になる場合があります。
なお無線機とはスマートフォン、Bluetoothイヤホン、Wi-Fiルータなども含まれます。海外製の安価な製品は魅力的ですが購入には十分注意しましょう。
これらのマークの事をよく覚えておきましょう。
総務省の秘密兵器「DEURAS」とは?
総務省では不法無線局などを探知する最新鋭の施設を運用しています。
それが電波監視システム。通称“DEURAS(デューラス)システム”です。
デューラスとは
「DEtect Unlicensed RAdio Stations」
“無免許の無線局を探知する”という意味であり、
電波を受信して強さや到来方向などを計測したり、モニターしたりするための受信設備を備えた「センサ局(固定型と車載型が存在)」とそれを遠隔操作する「センタ局」の二つによって構成されています。
他にも自動観測機能による電波発射状況のデータ収集・分析などに使用されています。
最後に
電波は便利な一方、使い方を間違えると大変な事になります。
その事をよく覚えて、適切な使い方をしていく事が当たり前が当たり前であるために必要です。
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