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領空侵犯って何?防空識別圏って?分かりやすく解説

先日、中国人民解放軍空軍のY-9情報収集機が領空侵犯する事態が発生しました。
中国軍機の領空侵犯が確認、公表されたのがこれが初めてです。
(中国の国家海洋局が保有する機体の領空侵犯は以前にありました。)

今回は「領空侵犯」とは何か。防空識別圏など関連ワードを分かりやすく解説します。

領空侵犯って何?

領空に他国の飛行機(軍用機、民間機関係なく)が許可なしに入ることです。

本来、外国の飛行機が領空を飛ぶ場合は領域国の許可を得る必要があります。
例えば日本の領空を飛ぶ場合は日本の許可が必要です。
ちなみに領空侵犯は国際法違反になります。

関連ワード解説

領空

領土、領海の上空のことです。その国の主権が及びます。

防空識別圏

各国が自国を守るために設定した警戒空域です。
英称のAir Defense Identification ZoneからADIZ(アディズ、アディーズ)とも呼ばれます。
今回は日本のものについて解説します。

日本の防空識別圏(赤線)

名前に「識別」とあるように、「どこの国の機体か」、「領空に入る可能性があるか」といった事を判断する空域が防空識別圏です。

領空侵犯のおそれがあると判断されたら、戦闘機が緊急発進して対応します。
ですが、単に通過するだけの場合は通常は緊急発進の対象となりません。

なお、民間の機体は国際基準に基づき、航空当局に飛行計画を提出しているので、計画にある航路を管制されながら飛行する限り、緊急発進などの対応をとることはありません。
当然ですが、防空識別圏に入っただけで撃墜はできません。

よくある疑問

数分の領空侵犯なら問題にならないの?

数分でも数秒でも問題になります。それがルール。スピード違反と一緒。

撃墜しちゃダメなの?

最終的には撃墜もできますがすぐ撃墜してはいけません。
それまでにはステップがあります。
1 領空侵犯機の確認
2 領空を侵犯しているという警告
3 領空外への退去または自衛隊基地等への誘導
4 武器の使用
このようなステップを踏まなければなりません。
そして誤解されがちですが、相手に照準を合わせない警告射撃は武器使用にはなりません。
4ができる場合は限られています。

一つは、領空侵犯機が自衛隊機の警告や誘導に従わずに退去せず、さらに自衛隊機に対して実力をもって抵抗してきた場合です。

乗りものニュース 領空侵犯機は撃墜…できません! 初めて入ってきた中国軍機への“対処ステップ”とは

そしてもう一つは、国民の生命および財産に対して大きな危険が間近に迫っている場合です。

乗りものニュース 領空侵犯機は撃墜…できません! 初めて入ってきた中国軍機への“対処ステップ”とは

侵犯したY-9って?

中国が開発した輸送機であるY-9の派生型です。

Y-9。色々あって分からない機種の一つ。

今回侵入した機体は電子戦情報収集機型であるY-9Zだと言われています。
多分Y-9JBではないはず…

派生型多くて羨ましい&ややこしい。

おまけ 領空の高さって?

領空は海抜高度(海面を基準とした高さの事)100キロメートルとして扱われるのが一般的です。

最後に

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