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画像生成AIに関するよくある誤解

筆者は個人を責める気はありません。
どこが間違っているのかを解説するだけに留めます。


まずその誤解がこれです。

農作物を無人販売所においてあったから勝手に持って行って出来たのが生成AIです

よくある間違った例え。

実際はどうなのか?

どこが間違っているかと言えばほぼ全部です。

まず、「基本的に(例外あり)著作権法第30条の4で許可された物(合法である物)」と「窃盗罪に問われる物(違法である物)」を同一視している時点で誤りです。

出典 AI時代の知的財産権検討会 「中間とりまとめ」 ー 権利者のための手引き ー

資料にある通り、適用されない例があるため「(例外あり)」としています。

そして学習済みモデルは多量のデータからパターン、ルール、傾向などを学習したものです。

画像ファイルなど作品自体のデータが格納されている訳ではありません。

出典 AI時代の知的財産権検討会 「中間とりまとめ」 ー 権利者のための手引き ー

「生成AIの特徴」にある通り、AIは学習しているため「盗み」などの例えは間違っていると言えます。

その為、「農作物を勝手に持って行った」という誤った例えは画像生成AIの仕組みを理解できていない事が理由だと分かります。

前提が間違っていると例えも間違ってしまう。

そもそも例えをするには、二つの知識が必要です。
・例える以前の物に関する知識
・例えた物に関する知識
そして二つの事柄を上手くリンクさせる必要もあります。

そうした事ができていないと「例えが実際と合っていない。」「例えがおかしい。」といった事が起きてしまいます。

例えを使う際、その点にはよく注意しましょう。

例えるならどう例えるか。

農作物に例えるパターンなので筆者は野菜で例えましょう。
みんな野菜で例えたがりますし…筆者も一応農業関係の人間ですし…

まず無人販売所ではなく、それ以前。
畑で育てる段階から例えた方が良いでしょう。

野菜に例えるとAIはこのようなポイントを学習します。

土の作り方
野菜を育てる上で大事なのは土です。
日本は雨が多いため、土の多くは酸性土壌です。
そこから変えていかないと野菜がよく育ちません。

肥料のチョイス
化学肥料と有機肥料の二つに大きく分けられ、それぞれに特徴があります。
どちらかだけ使っても基本良い事はなく、上手く組み合わせるのが重要です。

使う資材
放っておくだけでは美味しい野菜は育ちません。
寒冷紗やマルチなど、それぞれの野菜に必要な資材を使う事で健やかな成長が期待できます。

このようなポイントを学習した状態で野菜を作るのがAIです。
当然ながら、その過程で他人の野菜を盗む訳ではありません。

結論

・生成AIの仕組みを踏まえると「盗み」などの例えは不適。
・例える時には例えた物の知識が必要となる。
・内閣府と文化庁の資料は読みやすい上に中身も詰まっている。

最後に

筆者でも記事をnoteで公開する、Twitterで発言するからには(一応)調べています。人を調べていないと思って馬鹿にしないでほしいです。
(それの弊害で1週間に1200文字程度書けたら良い方なのは問題ですが。)


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鹿島響(あきづき)
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