#13 斜めの青春時代
こんばんは。クラブマゼンダへようこそ。
今日も眠れないのかしら。私もよ。
少しお話しをしましょうか。
昔々、ある所に引っ込み思案で恥ずかしがり屋の男の子がいました。
いつも母親の後ろから周りを伺う、その男の子は、人より少し変わっていました。
お母さん子だったその子は温泉に行くといつも母親と一緒に入りたがり、周りのお姉さま形に「あらかわいいわね。女の子?」そんな事を言われるのが少しだけ嬉しかったのです。
周りの男の子が外で走っていても、女の子と一緒におままごとをするのが好き。そんな男の子でした。
そんな男の子も小学生になり、高学年に上がる頃、男子/女子と分けられることが多くなることに気付き、それがすごく嫌でした。
それまで遊んでた女の子からは、「男子は入ってこないで」と誘われなくなります。
とは言え男の子は他の子の様にドッジボールをしたり、野球をしたりして遊びたいわけではありません。
中学になると、その男の子は周りの男の子から完全に浮いてしまっていました。
とは言え、いまさら男の子の輪にも入れず、女の子達の多感な話にも入れず一人孤独を感じるのでした。
男の子はその後、高校生になりました。
そこでも、身長だけは高いけど、華奢な身体付きで、気付けば内股に座っていることを、からかわれるようになりました。
そこから、どんどん教室に居場所がなくなり、気付けば昼過ぎに登校し、保健室で時間を潰し、バレー部でバレーをするのだけが楽しみになっていました。
初めて、部活という居場所を見つけた男の子は、部活だけが高校に行く理由になっていました。
しかし、そんな小さな居場所からも離れなきゃならない日が訪れます。
母親が離婚することになり、母の故郷に引っ越すことになりました。
そこから、男の子は、男らしく振る舞うことを覚え、男友達も増えました。
それでも、恋の話になると付いていけないのです。
周りの男の子は、どこのクラスの誰々が可愛いとか、芸能人の誰が好きとかそんな話で盛り上がって、高校生にもなると体験談を話し合う、そんな中、自分だけ話題についていけない日々を送っていました。
それでも、気の合う友達ができ、クラスで浮く事もなく無事に卒業を迎えたのでした。
さて、駆け足で、かなり端折って書いたわね。
そう、この男の子は私よ。
中学と一つ目の高校では本当に周りに馴染めずに苦労をしたわ。
それでもね。気付けば少なくても一人は味方が居てくれた。どんな時にも。
そういう意味では恵まれてたのかもしれないわね。
貴方は大丈夫かしら?
楽しく青春時代を送れているならなによりよ。
けどね、自分に嘘をついて生きているのなら、それって本当に悲しい事よね。それはよくわかるわ。
貴方が貴方のままでいられる場所は、学校だけじゃない。
こうしてネットの世界で見つけてもいいし、学校以外のコミュニティに属するのも手よね。
ただ、一つ言いたいのは人は一人で生きていけるほど強くは無いの。
だから、目の前で助けを求めている人が居たら助けてあげて欲しい。そして、自分が助けて欲しいときは、助けて欲しいって言っていいのよ。
我慢しても何もならないわ。
そして、こんな私で良ければ、クラブマゼンダはいつでもオープンしてるから会いに来てね。
じゃあ、そろそろ閉店ね。
私もやっと眠れそうよ。おやすみなさい。
大好きよ💖
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?