マス目
子どものころから小説家になりたかったのです。
原稿用紙に自分で考えた文章を書くのがとてもかっこいいと思っていた節がある。だからか、原稿用紙が、マス目が好きでした。
いや、原稿用紙はともかく、マス目が好きなのはそれとは関係ないのかもしれない。
今もあるかわからないけれど、百字漢字練習帳(検索したら自分の時代とはだいぶん変わっていた)が好きでした。三年生か四年生のとき、一度だけ、二百字を買ってもらって、たくさん書ける、とうれしかった。
(まあ、とにかく自分は、書くことが好きなのです。思考を文章化するのが好きというか……そしてそれをのちほど読み返すのが好きなのです。)
そしてPCで小説を書くようになっても未だに原稿用紙罫(マス目)が好きで、ヘッダの写真のようなものを、見かけるたびに買ってしまうのです。
あげくに名刺まで原稿用紙罫の模様。この名刺、右側の隠れた部分には、四百字詰め原稿用紙の真ん中の部分があって、メールアドレスと電話番号が入っているのです。
ああ、そういえばKITTAの原稿用紙罫を入れて撮ればよかった……ラインナップの「フレーム」のやつです。これも大量に買ってしまったほど。いつ使うのだろう。(ところで違う話ですが、マスキングテープもついつい買ってしまうのです……)
それと原稿用紙の手ぬぐいもあった! 臙脂色の罫で二枚分印刷されたものです。これも大のお気に入り。
原稿用紙に限りませんが、高校生のときは何かを書くとき5mm方眼のノートを使っていました。ノート……ペラペラだったので本当に薄手の方眼紙だったかもしれない。罫線が水色でした。でも、マス目しかなく、原稿用紙の行間がなかったので、かなり残念でした。
たぶんですが、原稿用紙のマス目が好きになった理由のひとつに、印刷物のための下書き用紙の影響がある気がします。
姉が教員で、学校のおたより的なものをつくるとき、B4の、原稿用紙のマス目が水色のインクで入った紙を使っていました。それがものすごく素敵に見えて、大好きで、余るともらっていたものです。今でもまだ実家にあるかもしれない。5mmくらいのマス目、原稿用紙と同じように行間があいている用紙。しかも罫線が水色。
あれはなんという紙だったのか。とにかくあれがだいじで、使いたくてもとっておいたりしたものです。今はもうつくられていないんだろうなあ……
自分も今では手書きをすることもほぼなくなったのですが、それでも、原稿用紙罫が入った文具やら印刷物やらを見ると、買ってしまいます。使わないのに。でも、使うことがあれば使いたい。何に、かはわからないけれど。原稿用紙罫のノートをつくったらおもしろいかなあ、とふと思ったりもします。もったいなくて使えない気もしますが。
手書きすることはほぼないと言いながら、手帳はきちんと毎年買っていて、数年放浪したのですが、結局、ほぼ日に戻りました。ウィークリー型で右側にマス目があるものが、あまりないのです。横罫線が入っているものはわりとあるのですが、マス目が決め手でした。
手帳に限らず、マス目のノートを見ると、原稿用紙罫でなくても、サイズによってはフラフラしてしまうのです。5mm前後がすてき。
とはいえ、老眼が進んで、マス目に字をきちんとおさめることなんてできないんですけどね……!
ところでこの右のメモ帳は可愛くってとても使えそうにないです。