自転車ルールのビジネスモデル
自転車に関する法規制の強化は、多くの人々にとって不便や面倒をもたらすものかもしれません。
しかし、そこに新たなビジネスチャンスを見出すことはできないでしょうか。
ビジネスモデル鑑定士の古賀さんと、Webデザイナーの小山さんが、カフェで興味深い会話を交わしています。
前回(※)の対面で「あわてんぼう」を学んだ小山さんは、新たなビジネスプランを思いついたようです。
しかし、アイデアに熱中するあまり…。
(※)前回
古賀さん「小山さん、お久しぶりです」
小山さん「古賀さん、お世話になっています!前回は『あわてんぼう』の話、とても勉強になりました。それで、早速新しいビジネスを思いついたんです!」
古賀さん「おや、随分と意欲的ですね。確か前回は、デザイン事務所の立ち上げについて...」
小山さん「はい!でも、その前にまず自転車の事業を始めようと思って!最近の自転車ルールの厳罰化って、すごいビジネスチャンスだと思うんです!」
古賀さん(少し心配そうに)「ええ、確かにそうかもしれません。ただ、デザインの方は...」
小山さん「私の考えでは、自転車通勤者向けに着替え場所とシャワールーム、それから自転車預かり所を作って、あとは防犯カメラとスマートロックを設置して、予約システムも作って...」
古賀さん「ちょっと待ってください。一つ一つ整理してみましょうか」
小山さん「え?でも、今すぐ始めないと、他の人に先を越されちゃいますよね?」
古賀さん「前回、『あわてんぼう』の話をしましたが、それは『準備をしないで飛び込め』という意味ではないんですよ」
小山さん「そうなんですか?私、すごくいいアイデアだと思ったのに...」
古賀さん「アイデアは面白いと思います。ただ、まずはデザイン事務所のことを考えませんか?それが小山さんの本業になるわけですから」
小山さん(少しがっかりして)「でも、この自転車の事業のほうが、今すぐ始められそうな気がして...」
古賀さん「では、こう考えてみましょう。このサービスを始めるために必要な費用は、どのくらいですか?」
小山さん「えっと...建物を建てて、シャワーを付けて、セキュリティシステムを入れて...あ」
古賀さん「見えてきましたか?」
小山さん「はい...予想以上に大きな投資が必要かもしれません」
古賀さん「そうなんです。でも、別の方法もありますよ」
小山さん「どんな方法ですか?」
古賀さん「例えば、最初は自転車預かりだけに特化してみるのはどうでしょう。既存のコインパーキングの一角を借りるだけなら、初期費用はずっと少なくて済みます」
小山さん「あ、なるほど!シンプルに始めるということですね」
古賀さん「はい。そして、これなら副業としても始められます。デザイン事務所の準備をしながら、少しずつ育てていける」
小山さん「確かに、そのほうが現実的かもしれません」
古賀さん「それに、自転車預かりサービスのウェブサイトやロゴも、デザイン事務所のポートフォリオの一つになりますよ」
小山さん「そうか!二つの事業が相乗効果を生むわけですね」
古賀さん「その通りです。『あわてんぼう』は大切ですが、『じっくり育てる』という視点も忘れずに」
小山さん「ありがとうございます。私、ちょっと興奮しすぎてましたね」
古賀さん「いえいえ。その情熱は大切です。ただ、方向性を整理するだけですよ」
小山さん「では、まずはデザイン事務所の準備を進めながら、自転車預かりのプランも練ってみます」
古賀さん「それが良いと思います。また進捗を聞かせてください」
小山さん「はい!次は、もう少し現実的な話ができると思います」
古賀さん「楽しみにしていますよ。今度は『慎重なあわてんぼう』の成功例として、お話を聞かせていただければ」