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またも勝利を取り逃す弱気のフェニックス醍醐 勝てる雀士は南2局を押す

今シーズンのフェニックス醍醐を象徴する南2局の降り判断だった。確かにTOP目であるために降りるという判断にも一定の理はある。しかしすでに7巡目には中をポンして14mという強い待ちでの聴牌をしていた醍醐。

そこへリーチをかけてきたのは23000点持ち2着目の優だった。

優 リーチ イペーコー 赤聴牌

鈴木の待ちはシャンポン2-4Sではあったが、麻雀の待ちは統計的には最も多い待ちは両面である。なぜなら両面こそが上がり牌の数も一般には最も多く、そのため聴牌は両面待ちにするのが手組の基本となる。

よってリーチを受ける方もデフォルトで想定するのは両面待ちだと言っていい。

こうした場面でドリブンズの渡辺太ならどんな判断をするのか?という観点から今回は迫ってみたい。

ところで両面待ちの種類は全部で18種類ある

「1-4 4-7 2-5 5-8 3-6 6-9」×3種類=18種類

もし両面を想定して優の捨て牌を見ると 

6-9S 2-5m 5-8m 1-4P 4-7P の5種類が否定されている

つまり18-5=13種類の無筋が存在するということになる。醍醐は8P無筋をいきなり自模ってきたが、すなわちこれが当たる確率は単純に1/13。逆に言えば12/13=92.3%の確率で8Pは通る可能性があると判断できる。渡辺太はいくつ無筋が存在するか、まずはこれをカウントし、リーチで攻められた時、どこまで無筋を押すか損得を確率計算し、リスクリワードを判断している。

ちなみに

麻雀の性質上、放銃危険度は次の通りの序列となる。

字牌<1,9牌<2,8牌<3,7牌<4,5,6牌

34000点の小TOP。自らも1-4mの両面で聴牌している。かつ、まだ9巡目ということであり、これからの9巡を凌ぐには、一つポンを入れている状況もある。先は長い、降りきれない可能性も考えて、無筋は1押しや2押しくらいならリスクを取って聴牌続行、自分で決めてこの局を終わらせる、こうした判断を太ならするシーンだった。


8Pを自模る醍醐

ところがご存じのようにただの一牌も押せなかったのが醍醐だ。(もし8pを押していれば醍醐は結果的に自模上がりをしていた。)

それどころか案の定、手詰まりを起こしてしまい16巡目に醍醐の手牌はすべて無筋になってしまっていたのである。苦肉の策として、トイツ1sを落としにかかった次の巡目で優が自模上がりを決めてほぼTOP目と横一線まで点棒を積み上げることになる。

16巡目手牌がすべて無筋になった醍醐

総合判断としては好形の聴牌を入れていた以上、小さなTOP目なら無筋を2回までなら十分に押す価値はあった場面であったと考える

醍醐の14m待ちはカンチャンやドラそばでもなく、強い待ちだった。

醍醐のMリーグ個人ポイント最下位の原因は、昨年の村上とも違って単に運の無さだけに求めるわけにはいかない。明らかに勝負所での押し引きを間違えているのだ。

例えば1年目の本田や瑠美と2年目以降の違いを醍醐は観てきたはずだが、Mリーグでは基本弱気を見せたら大概上手くいかない

伊達のドラポンが入っている跳満濃厚のところへピンフ赤1でリーチで玉砕した醍醐は、聴牌しながらもリーチの優に無筋を一牌も押せずに自模られ最終的に3着で終える。これはアリストテレスの「二コマコス倫理学」からすれば醍醐のバランスは前者は無謀であり、後者は臆病ということになる。

雀士は無謀や臆病であってはならない。

結論としては醍醐のこのままのバランスでは、まずMリーグで成績を残すことは難しいだろう。



魚谷は今はバランスを崩すべき時ではないという。たしかに一理ある。ただし醍醐のバランスについては根本的な見直しが必要ではないだろうか。

醍醐が今目指すべきバランスは寿人のそれだ。菅原も強気を取り戻し一時期の不調を乗り越えた気配がある。下記のnoteにも示したように醍醐にはアリストテレスの「二コマコス倫理学」は貴重な金言を授けてくれるものと思う。

当noteとしては アリストテレスの深い考察は雀士にとって示唆に富むものだと思っている。気が向いたらご高覧いただきたい。


このまま醍醐は重しとなり、フェニックスは2年連続で最下位へ沈んでしまうのか、要注目だ。

追記 

あの遅すぎるスローな醍醐の自模と自模で力みかえる瀬戸熊、正直 個人的にはどちらも苦手である。フェニクス3人娘の自模リズムなどは観ていても気分が良い。また一般にスポーツで力みかえるのはご法度であり、一流になるほど脱力を心得ている。麻雀はもちろんスポーツではないのだが・・・


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