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Mリーグ監督の采配 ポストシーズン編 セミファイナル パイレーツの失敗に学ぶ

昨年レギュラー1位通過のパイレーツがファイナル通過できずにセミファイナルで敗北を喫した。当noteとしてはその最大の要因は油断、心の隙にあったと見ている。

<中長期のレギュラーシーズン>と<4位まで入ることが至上命題ともなるセミファイナル>と<優勝を狙うファイナル>とでは自ずから戦い方にも差が出て来ることは自明だ。

しかしパイレーツの監督は平常心を強調したかったのかはわからないが、セミファイナルも当面はレギュラーシーズンは同じ戦い方をすればよいと述べ初戦にMVPの瑞原を出し、瑞原もなぜかがむしゃらに盤石の1位を狙いTOP目から南三局白鳥へ無謀かつ不用意な2P一発放銃し12000、最終的にはラスで試合を終えた。

首位だったパイレーツが冷静に見て戦略的にも目的を考えればセミで最も避けるべきことはラスを引くことだった。単純に中を切って瑞原が下りてれば、おそらく2位までに入ってその試合も終えていたに違いない。しかしセミファイナル最大の目的を忘れて瑞原はTOPを狙いに行った。

他のプロリーグにおいてポストシーズンで何らの準備もなく、レギュラーシーズンと同じように戦いに臨むこと自体、個人的には全く信じられなかったのだが、心の隙が命取りになることを他のスポーツで数多く目撃してきた経験上、「ひょっとするとパイレーツ、セミで敗退するかもしれない」という予感がしたのは確かだ。かれこそ1年も前のことだがこの局の振り込んだ2Pや中が瑞原の手牌にあったのも今でも記憶にはっきり残っている。これは事前に戦い方をチームで徹底的に打ち合わせしていれば完全に防げたミスでもあった。

たしかに大きなリードを守ろうとして妙に守勢になり過ぎるのは、かえってリードを詰められるきっかけにはなる。しかしやはりそれも時と場合による。なぜなら下位のチームの身になって上位でもどういう打ち手と戦うのが最も組みやすいかと考えた時、例えばTOP目から東ドラ3ホンイツの18000をオーラスに振り込んだ高宮や今回、取り上げた瑞原のように勇敢というよりも明らかにそれは蛮勇と言ってもいい攻撃を繰り出す雀士にこそチャンスがあると言っていいだろう。

レギュラーシーズンのリードを戦略的に短期戦のセミでどう生かすのか?下位の敵チームから見て最も嫌な立ち振る舞いというものを徹底して考えた時、より慎重に行くべき場面は必ず出て来る。それなりのリードがあるのだから妙に憶病になる必要はないが、勝負所で慎重さを忘れた時、そこから一気に流れが変わり、短期戦故にラス ラスとひいて最終的に気づいたらセミ敗退ということになる。

Mリーグでもセミファイナルを必ず勝ち抜くチームがある。それがアベマズだ。そこを代表する多井や日向の慎重な打ち方にはやはり参考にすべき部分があるということなのだろう。ただ同時にファイナルでは勝ち抜けないどころかアベマズは常に3位でもある。ステージが代わると目的も変わるので必然的に戦い方も変わる。

ここに戦い方の一つのヒントが転がっているのかもしれない。

名将野村克也に学びつつも短期決戦の戦いにおいて監督の三つの重要なことを挙げたい。これについては随時、セミやファイナルを観察する過程で認識がアップするに従って更新をかけてゆく。あくまで暫定でどうか長い目でご覧いただければ幸いに思う。

言葉を介して、ポストシーズンに対する確固たる視座の獲得を目指していきたい。

下記レギュラーの采配原則の続編。


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