大谷翔平は完全なる白だった!現代の知ったか王・ひろゆきの逆張り見事に外れる。逆張りが成功する条件とは何か!
詳細は記事をご覧いただければわかるかと思います。
今回はMリーグとは直接関係のないnoteではありますが、もともとが私の専門分野はMLBであるためによかったら最後までよろしくお願いします。テーマは嘘の見抜き方です。嘘を見抜くには事件全体の流れを俯瞰し不自然な淀みが出た場合、その淀みを丁寧にひも解いてゆくことが大事になります。その淀みの中に大概、嘘が隠れています。端的に言えば私には水原氏の嘘が見抜けたわけですが、どうして見抜くことができたのか?そのポイントの話です。
さて大谷が会見する前、情報は錯綜し混乱を極め、永久追放などという物騒な言葉が乱れ飛びアンチが暴れまわっていた頃、私はこの件についてどのように結論していたか?その思考過程についてまずは少しお話をしてみたいと思います。
大谷が記者会見をするまでの期間、情報を目にして会見前に気になったのは以下の3つ。
もし水原一平氏のESPNでのインタビューが本当であったなら、すでに送金していたことは大谷も納得づくであり、開幕戦直後のクラブハウスで大谷の表情が激変することなどありえない。
つまり「一平氏による大谷が納得づくで送金という情報」が嘘か、あるいは「大谷の表情が一変したという情報」が嘘か、どちらかの情報が必ずフェイクとなる。
では、水原氏が嘘をついているのか?それとも大谷情報が嘘なのか?
結論は②の水原一平氏がギャンブル依存症であったことが決定的であり、ギャンブル依存症は平気で嘘をつくのが私の経験上、常識だった。また、大谷の表情が激変したニュースをわざわざフェイクで流す意味がそもそもメディア側に動機としてない。
以上を勘案し、よって極めてシンプルにESPNのインタビュー内容は水原氏の嘘だったと容易に推測できた。すなわち個人的には大谷会見前から以下のように結論していた。
「ギャンブル依存症の水原一平氏はESPNインタビューで嘘をついており、大谷翔平の口座から何らかの方法で金を盗んだ。」そう考えなければ情報が整合しないとXでつぶやいていた。後知恵ではわかりづらいかもしれないが、会見前としてはそこそこ踏み込んだ推測だったと思う。
更にここから言えることは大谷は一平氏からの借金を肩代わりしたわけでもない単なる被害者であり、違法賭博をしたコザートでさえわずかな罰金だけで済んでいる以上、大谷が永久追放など論外であり、ただの一試合も出場停止になることはないとも結論していた。
ところがだ。水原一平氏の嘘を見抜けなかった一定数の人たちは、水原氏が身代わりになり大谷をかばっている、真相が明らかになれば大谷は永久追放になるというトンでも見解を開陳したのだった。真に愚かだと言わざる得ない。
現代の知ったか王である「ひろゆき」などがその典型であると言ってもいい。しかし結局は大谷の会見を経て、FBIの捜査によって全容がほぼ明らかになった。
ところで私のポストのハンドルは「プラトンの碧眼」というものであり、古代ギリシャの哲学者プラトンは多数決の原理によって導かれる民主主義に大いなる疑問を持っていた。
得てして大衆は間違うのであり、大衆の逆を行くことが正義であることがしばしばある。それは投資の世界でもそうであり、戦略の世界でもパラドキシカルなロジックが働く。
しかし今回ひろゆきの逆張りは見事に外れた。なぜ彼の逆張りは外れたのか?はっきり言ってしまえば単なる天邪鬼に過ぎなかったからである。深い洞察力の欠如と言ってもいい。
【大谷を疑ってた著名人リスト】
ひろゆき 青汁王子 青木真也 細川バレンタイン 木村太郎(政治ジャーナリスト) 湯浅弁護士 ホリエモン 古市憲寿 松居一代
ちなみに私が逆張りをした時、鮮やかに決まることが多数ある。2016年のトランプ当選もそうですが、他に一例としてはこんな感じ。
4~5年前くらいでしょうか。イラクの在留米軍基地にイランのミサイルが着弾したとの一報が入った時の事。ポストでは第三次世界大戦というワードがトレンド入りし、てんわわんやの大騒ぎとなった。この一報を聞いた瞬間、私の思考は大衆とは全く真逆の方向へと動くことになります。
「(心の声;この情報にダイレクトに反応するのはまずいのではないか、待てよ、)これは事前にイランから米軍基地へ第三者を通じて連絡が行っている可能性がある。もし連絡があったとすれば米軍死者はゼロとなる。よって今後の情報で最も注視すべきは米軍死者数だ」おおよそこのようにつぶやいたことを今でも鮮明に覚えている。
そうつぶやいてから12時間後のこと、誰一人、第三次世界大戦について言及する人はいなかった。もちろん米軍からの死者数はゼロでした。
多数は必ずしも正義ではない一例だと言っていいでしょう。こういう逆張りが鮮やかに決まる経験を何度も繰り返し今の自分があります。
最後になりますが逆張りを成功させる条件とは何か。おそらくそれは「古典を大事にする」ことではないかと思っています。ちなみに私がこれら読むのは「小林秀雄」「福田恒存」「トクヴィル」の予定です。
このnoteではパラドキシカル・ロジックをこれからも大事にしてゆくつもりです。しかしパラドキシカル・ロジックはひろゆきのような天邪鬼とも全く違う。ではパラドキシカルなロジックと天邪鬼の違いは一体何なのでしょうか?
それについてはこのnoteの有料部分にも書いてあります。
最後に過去大谷の件で1対200という状態の最中で逆張りをして的中させたエピソードはこちら。2018年大谷が打率125で開幕を迎え、ほぼ例外なく大谷はメジャーでは通用しない、3Aに落とせと大合唱していた時の事です。
noteより抜粋し再掲しておきます。これも逆張りが鮮やかに決まった1シーンです。
ところで話は全くガラリと変わってしまい恐縮ではありますが、その前段として2018年の大谷翔平のデビューする直前のスプリングキャンプについて少しお話をしてみたい。
32打数4安打0本塁打。打率125。ゴロアウト製造機と化した大谷に対して、200~300コメントざっと見渡したが当時、ただの一つも活躍を予見したコメントはなかった。メジャーでは通用しない、3Aからやり直せという声ですべてのコメントが埋められていたわけです。これは見事なまでに一色のコメント。
こうした中、私がリアルタイムでなぜ「大谷はこれならMLBで十分にやっていける」とコメントしたのかについて話をしていきたいと思います。その理由こそが今回の肝です。話としては興味深い好例のような気もするので、是非お付き合いいただきたい。
さて麻雀界でもオカルトバスターズによってデジタル革命が起きたように、MLBの世界でもセイバーメトリクスという統計の技術を用いたデジタル革命が起きたわけです。
このセイバーメトリクスの黎明期においても極めて重要な発見の一つにBABIPという指標の発見があります。なぜBABIPの発見がセイバーメトリクス史上でも極めて重要なのかというと、それは野球にも無視しがたく「運」の要素が介在していることを統計的に明らかにしたからなのです。
このBABIPの発見こそボラス・マクラッケンというアマチュアの統計オタクがもたらしたものであり(後にこの統計オタク・ボラス・マクラッケンはボストンレッドソックスの専属アナリストになり、過小評価されていた岡島や上原獲得にも何らかの影響を与えていた可能性が極めて高い)、このBABIPから発生し、運不運に左右されない真の投手力についてトム・タンゴという人物が提唱したのがFIPという指標であり、今でも重用されています。
このトム・タンゴが2018年頃に発表したもう一つのセイバーメトリクス論文が今回のnoteのキーです。
2018年当時というものはフライボール革命旋風が吹き荒れた翌年ということであり、フライボールが脚光を浴びていたのですが、その時流に逆らかのようにトム・タンゴは打者の攻撃力と<フライボール率>には強い相関関係はないという研究を発表していたわけです。かなり専門性が高くてたぶん当時ほとんどの人は知らなかった情報だと思います。
フライボールがもてはやされていた時、フライボール率はそこまで重要じゃないとトム・タンゴはいう。
では何が重要なのか?
更に続けてトム・タンゴは実は打者の攻撃力と強い相関関係にあるものは、<打球速度>であると結論するレポートを出していたわけです。2018年年初めのことです。
大谷の打球速度は当時からチームで1位という結果が出ていたことをたまたまNHKアナウンサーがポロっと話したのを偶然耳にした私は、つまり大谷はメジャーの投手に慣れていないから今はゴロアウトばかりだが、逆に言えば100打席200打席と経験を積み、アジャストし、打球角度さえ上がりさえすれば、大谷は十分に通用する攻撃力を持つという予測がセイバーメトリクスの論文を根拠にして可能であったわけです。
数字を眺めるにしても、打率125に目がいった大多数の者は大谷にMLB失格の烙印を押し、打球の質にフォーカスした者は大谷は十分に通用すると判断した。同じ対象の大谷を見ても、どこにフォーカスするかで出てくる結論も変わる。
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