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勝手に動画分析 #44「フラット感ある3Dの使い方に脳が惹かれる」
こんにちは、BYNDのNATUです。
BYNDではナビゲーターやTAとしてセッションに参加しています。
noteでは「週末にゆっくり嗜む動画」というコンセプトで個人的に気になった動画を毎回一つ取り上げ、4つのベース項目と1つのエクストラ項目の計5つを軸にその動画の唸るポイントを分析したり解説したりしてみたいなと思ってます。
今回は、ロンドンよりフィルムアワードのオープニング映像を。
1.4 AWARDS - OPENING TITLE SEQUENCE
(via vimeo|S A V A N T S)
Designed, animated and directed by
Rocco Pezzella,
Marco Galmacci,
Francesco Castellani
今回の5項目チャートはこんな感じです。
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今回のエクストラ項目は「フラットみ」。平坦感。
そしてそれぞれ5つの項目のショートコメントがこちら。
[LOOK:★★★★]
各シーンとても短い尺のなか、誘引性の高い色をうまく使いながら目を運んでほしいところはコントラストを強くするなど、色による視点誘導がかなりハイレベルです。センターフレーミング(中央構図)と相まって、速いカット切り替えのなかでも動きの面白みまでしっかりストレスなく感じさせる構成になっているのはうまいです。
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[音:★★★]
音はとてもシンプルながら各シーンの不思議な世界観にもう一押しの面白みを添えるサウンドデザイン。主張しないサウンドがしっかり画の力を引き出しています。
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[編集:★★★★]
短いシーンが連続する中でもスッと見られる編集&モーションデザイン。短い時間でも人が面白がれる動きやシェイプ(形)を過不足なく配置する設計が見事です。とくにうまいのがシェイプの使い方で、折れ線・煙・落書き線などの要素が各シーン共通になっていることで視聴者が動きに意識を割けるようになっています。
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[構成:★★★]
単調な構成ながら一画面の情報量によって緩急をつけているのが面白い。それにより見飽きない流れになっていて、オープニング映像ながらしっかり作品としてのまとまりも作っています。
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[フラットみ:★★★★★★]
この作品に目をとめた理由が、3DCGなのに「フラットモーションみ」がすごいな、というところでした。何故だろうと考えたところ、とてもシンプルな話で「奥行きを感じさせる演出がない」というところでした。カメラが奥に回り込んだり、遠近による速度差(パララックス)がなかったり。モチーフとして3Dオブジェクトを使いつつもデザインの思考としてはフラットなモーションデザインで組み立てられているんですよね。そこがとても面白い。
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バッツリさせてたり、「脱3D」への
仕掛けは色々仕組まれている気がします。
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少しだけ加えているのもポイント。
さて、以上いかがでしたでしょうか。
動画の面白みに少しでも触れてもらえたなら嬉しいです。
それではまた次回。NATUでした。
(Writer:スタッフ NATU)