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勝手に動画分析 #56「不完全という魅力に迫ったモーション実験作」
こんにちは、BYNDのNATUです。
BYNDではナビゲーターやTAとしてセッションに参加しています。
noteでは「週末にゆっくり嗜む動画」というコンセプトで個人的に気になった動画を毎回一つ取り上げ、4つのベース項目と1つのエクストラ項目の計5つを軸にその動画の唸るポイントを分析したり解説したりしてみたいなと思ってます。
今回はクラフト感あふれるモーショングラフィックス作品を紹介。
Geometrip
(via vimeo|Office of Development & Design)
Production: ODD [Office of Development & Design]
Designer / Creative Director: Ignacio Osorio
SFX & Mix: Xander Zooi, Wave Studios NY
今回の5項目チャートはこんな感じです。
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今回のエクストラ項目は「人力感」。
そしてそれぞれ5つの項目のショートコメントがこちら。
[LOOK:★★★]
LOOKの作り込みはないものの、この素のままの雰囲気がまた良いです。映り込む様々なものの素材感や質感がまた良くて、制作者のこだわりの跡が垣間見えます。
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[音:★★]
BGMのみの作品ですが小気味好いビート感とスペーシーな音色がデジタルとアナログを行き来する世界観にとてもよくマッチしています。
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[編集:★★★]
ストップモーションの映像ながらカットで寄り引きを大胆に行う編集がなかなか面白いです。制作過程が垣間見える編集によりこの作品の伝えたいことがモーショングラフィックスそのものではないことが暗に伝わるうまい編集だなと思いました。
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[構成:★★★★]
構成自体はシンプルで、手製モーショングラフィックスの完成までの過程を追っているだけですが、この作品の面白いところは人の手による作業という部分にフィーチャーしながら「不完全さ」というのをテーマに設定しているところ。自然光による影の変化を入れることで時間をかけて不完全なものを作ることへの暗喩が入っているのもCOOLで、良くも悪くもそこに人としてシンパシーを感じるような構成になっているのがまた面白い。
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[人力感:★★★★★★]
CGで設計した下絵をもとに最後は定規やコンパスを駆使して「人が作った」モーショングラフィックス。紙のヨレ、インクの滲み、計測の跡、ちょっとしたズレ、意図せず現れる「人が作業しましたテクスチャ」。ここに注目したというのがこの作品の最大のポイント。フリーハンドの持つアートなラフさでもなく、ツールを駆使したキッチリ手作りでもなく、この素晴らしい「人力感」。アナログとデジタルの中間を行くこのアウトプットにはなんとも不思議な魅力を感じます。
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さて、以上いかがでしたでしょうか。
動画の面白みに少しでも触れてもらえたなら嬉しいです。
それではまた次回。NATUでした。
(Writer:スタッフ NATU)