勝手に動画分析 #35「今一度モーションの良さをじっくり噛みしめる」
こんにちは、BYNDのNATUです。
BYNDではナビゲーターやTAとしてセッションに参加しています。
noteでは「週末にゆっくり嗜む動画」というコンセプトで個人的に気になった動画を毎回一つ取り上げ、4つのベース項目と1つのエクストラ項目の計5つを軸にその動画の唸るポイントを分析したり解説したりしてみたいなと思ってます。
今回はとてもシンプルながらモーショングラフィックスの深い味わいを堪能できる一作品を。
Motion Motion Festival - Trailer 2024
(via vimeo|Motion Motion)
Concept/Design/Animation: Loubersanes Romain
Music: Petit grand Studio
Additional Animation: Mathieu Dellabe
今回の5項目チャートはこんな感じです。
今回のエクストラ項目は「円熟み」。
そしてそれぞれ5つの項目のショートコメントがこちら。
[LOOK:★★★★]
まず目を引くのがとても洗練されたグラフィックデザイン。ですが、あくまで動きを見せるためのデザインとしてシンプルな色や形で作られているのがまたうまいなと思いました。モーションデザインに向けたクリエイターの強いこだわりが垣間見えます。
[音:★★★★]
こちらもビジュアル側のこだわりと呼応するようなシンプルでとても完成度の高いサウンドデザイン。個が立っていて魅力的なサウンドでありながら、ビジュアルのハイクオリティなデザインとしっかりと溶け合っているのはすごい。音が先に出来上がっていたのか、それとも音が後なのか、そこが気になってしまうほど絵と音がマッチしてます。
[編集:★★★★★]
動き自体はとてもシンプルですが、それぞれのシーンの切り替え方やつなぎ方がとてもうまく流れるようにどんどん場面が進んでいきます。こんなにグイグイと流れていきながらもシームレスではないところもけっこう多いのがこの作品の面白いところで、そこに編集のうまさを感じます。
[構成:★★★★★]
大前提としてイベントのトレイラーであるというところで、情報を文字としてしっかり伝えていきながらモーションデザインとしてここまで見ごたえのある作品に仕上げているその構成力がまず凄い。モーションデザインの根源的な良さや楽しさがしっかり感じ取れるので、モーションデザイン特化フェスというところでもこの上ないトレイラーになってます。
[円熟み:★★★★★★]
トラディショナルなモーションデザインの良さをリスペクトしながら今風の感性で再定義したようなこの作品からは、逆に円熟したモーションデザインのなんともいえない味わい深さを感じました。縦横のシンプルな移動、回る、伸びる縮むなど、とてもベーシックな要素をすごく丁寧な速度感のコントロールで昇華させていて、イベントトレイラーながら一作品として見応え十分のモーショングラフィックスでした。
さて、以上いかがでしたでしょうか。
動画の面白みに少しでも触れてもらえたなら嬉しいです。
それではまた次回。NATUでした。
(Writer:スタッフ NATU)