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気軽にはじめる一眼レフ

はじめに

こんにちは。デザイナーのOです。
今回は「一眼レフを始めて気づけた事」を皆様にお伝えできればと思い執筆させて頂きました。

"一眼レフはデカいし重いし高い。おまけにf値だの何だの撮影も難しそう…"
そんな印象があり、私はスマホカメラの枠内だけでカメラを探してました。
ですが、「D5600」に出会ってその全ての印象が払拭されました。

ここからは名入門機D5600の紹介と、一眼カメラを使う上で学んだ知識がCGにも活かせるかも? というお話をしていこうと思います。



■カメラ入門 型落ちAPS-C機 D5600の魅力

型落ち機(3万~)で高級ミラーレス機(20万~)に撮って出しで勝負する。
そんな美しい作例が未だ多く見られるnikon 入門機D5000シリーズ(D5300/D5500/D5600)

一言で表すなら、人を育てるカメラ界のハチロク的存在です。
オート撮影だと全く歯が立ちませんが、原理や基礎を調べてバッチリ合ったセッティングを見つけた時、2013年製とは思えない頼もしい愛機となります。

GANREF:D5500 作例
https://ganref.jp/items/camera/nikon/2749/photo

入門機で得た経験はCG・デジタルの世界でも活きる時があります。
・被写体に最適な画角(レンズ)の選定
・意図に沿ったボケ・ライティング・アングル
 被写体を収める位置 
 近景・中景・遠景の意識 何と一緒に撮ると良い雰囲気になるか
・流し撮り、逆光撮影などの撮影技法・見せ方 etc.

【ここからは筆者の作例を元に、入門機D5600の魅力をお伝えします】

筆者の定番セット
35mm単焦点レンズ + ワイヤレスフラッシュトリガー + ストロボ

【目次】
①バリアングル式液晶 - チルト式では出来ない縦構図の俯瞰・煽り
②単焦点レンズのボケ味 - 入門機なのにまるで本格一眼レフ
③ストロボ - "壁バウンス"でまるで別のカメラのよう
④ミラーレス機と比べて - とにかく安く、意外と軽い
⑤カメラを買う際の注意点 - 買ってから後悔しないために
⑥フルサイズ機と比べて - 大印刷サイズが必要なければコンパクトで良い
⑦作例サイトを使ったカメラ選び


まず最初に、スマホカメラと比較した際のメリットを①~③で紹介します。

作例① バリアングル式液晶

バリアングル液晶の強みは、縦構図の俯瞰と煽りです。
この構図で撮影しようとすると、スマホの場合は宙に浮かないと画面を覗けません。
地面に寝そべらなくても、バリアングルなら会場で立ったままサッと煽りの撮影ができます。
- D5600のバリアングル式液晶 -

近年の主流であるチルト式では、上下方向にしか可動しないため縦構図では使えません。
そのため、縦構図の俯瞰と煽りはバリアングル式の特権です。
スマホでの閲覧や壁紙での使用を考えると、縦構図の必要性は近年高くなっていますよね。
もちろん横構図も問題無し
タワーの真下から自然な姿勢で撮影出来ました。

作例②  単焦点レンズのボケ味 - 美しいグラデーション

単焦点レンズはf値(絞り)が低いものが多く、APS-C機でも強烈なボケ撮影が可能です。
卓上もフィギュアも街も問答無用で映えさせてくれます。
背景から自然に分離して、フォーカスしたスポットに目が行きますね。

作例③  ストロボ - "壁バウンス"でまるで別のカメラのよう

下の2枚はどちらもD5600で撮影しています。
同じカメラとは思えないですよね。

ストロボ無し
ストロボ有り

劣悪な環境下でも、ストロボ一灯追加するだけで
ハイライト・影・発色・ノイズ・ボケ全てが良くなります。

この写真は"バウンス"という技法を使っています。
ストロボフラッシュを天井や壁に向けて放ち、部屋中を間接光で満たした瞬間を撮るというものです。
柔らかなハイライトと影を生み出し、光量不足による色褪せや、ノイズの低減効果があります。

室内でのストロボの使い方
まず、カメラ上部にストロボをつけてしまうと悪い結果になりやすいです。

ストロボ内蔵の反射板を使っても近すぎて強いハイライトになったり、真上の天井にしか反射できず髪の影が顔に落ちたり…

上記を回避するにはストロボを離れた位置に置く必要があります。
それを可能にするのが「ワイヤレスフラッシュトリガー」です。
カメラ上部に装着することで、遠隔でストロボを発光させてくれます。

光を柔らかくする「ストロボ ディフューザー」でも解消できます。
バウンスとの違いは正面から落ちる影量の増加とハイライトが強くなること。

もう一つ重要な機能として、TTL(自動調光機能)というものがあります。
これはストロボの発光量を自動調節する機能で、シャッターを切る直前にストロボが事前発光を行い、跳ね返ってきた光をカメラが測光して調整します

これが無いと、カメラのモニターで表示された結果と異なった写真になってしまいます。

(上手い方はマニュアルで発光量を調整されたりするそうですが、ストロボ置いてシャッター切って終わり。が出来るのは楽チンですね。)


④ ミラーレス機と比べて

ここまではスマホカメラと比較した際のメリットでした。
ですが、相手が最新ミラーレス一眼ならどうでしょうか。

古いカメラはボディがデカくて重い
そんな印象ありますよね。

■評判のいいSONY 最新ミラーレスカメラとの比較

α6700 APS-C機 約122.0 x 69.0 x 75.1 mm 約493 g(バッテリー含む)
229,900 円(税込) ~

α7C II コンパクトなフルサイズ機 約124.0 x 71.1 x 63.4 mm 約515g
328,900 円(税込) ~

α9 III プロ用 約136.1 x 96.9 x 82.9 mm 約703 g
935,000 円(税込)

D5600 型落ちAPS-C 約124×97×70mm · 約465g(バッテリー含む)
30,000円(税込)

いかがでしょうか
D5600はサイズと重量の差はそれほどありません
コンパクトさが売りのミラーレスと比べても、むしろ軽い部類に入ります。

そしてコストの差は歴然です。

ただ勘違いされたくないのは D5600を買え!と伝えたいわけではない事。
もっと気軽に、凄い写真や動画を撮れるカメラは存在します。(ZV-E10とか)

D5600の一番の功績は、一眼の知識に興味を持たせたことです。

古いセンサーでも、正しい知識で扱えば十分な発色が得られる事を知り、この価格でも本格一眼のような美しいボケを作り出せるんだ。と一眼を学ぶきっかけを作ってくれました。


一眼レフの最初のハードルを極限まで落としてくれた。
重くてデカくて難しい…そんな一眼の印象を破壊してくれた。


これこそが名入門機と呼ばれる由縁なのだと実感しました。

紹介したいことはおおむねまとめられましたので、一旦ここでお別れのご挨拶とさせていただきます。読んで頂きありがとうございました!







そして… 

カメラ選び編

ここからは無限に沼なのでいくつかの注意点だけに留めます。
が、長くて文字ばかりなので興味があったら読んでみてください。

⑤ カメラを選ぶ際の注意点

■写真の絵作りはレンズの性質が7割と言っても過言
 各社、レンズのマウント規格があるのでそちらの選び方も重要です。
 ・長年その規格の販売が続くか
 ・作例で使われるような、もしくは使いたいレンズは有るか
 ・コストは 中古市場価格はどうか
 ・フルサイズ用レンズはAPS-Cで使えるが、逆はできない
  今後フルサイズに乗り換える際、APS-C用レンズは使えなくなります。

  ですのでAPS-C機でもフルサイズ用レンズの購入を視野に

各社、レンズアダプターを出していることもありますが、アダプターを噛ますと結局サイズが大きくなることになります。

ストロボのTTL(自動調光機能)も、各社の規格が異なるので注意
ソニーはP-TTL
ニコンはi-TTL
キャノンはE-TTL
こちらはストロボ側が各社の規格用に分けた商品を販売しています。

筆者のストロボ環境は
・Godox TT685II[N] ←Nikon用という意味です。
・GODOX XPro[N] ←ワイヤレスフラッシュトリガーです 5灯まで同時使用可

■D5000系の注意点
・D5300のみタッチフォーカスに対応していないためご注意下さい。
・D5500とD5600の違いはWifi画像転送機能の有無のみ。
 正直転送速度はあまり良くないので、SDカードとカードリーダーをスマホに直接刺して使っています。ここら辺の利便性も考慮して選びましょう。



そういえばフルサイズって高いしデカいけどどうなの…?

⑥  フルサイズ機と比べて


フルサイズ機はAPS-C機と比較して、下記のようなメリットがあります。

フルサイズはボケが強く出せる
ボケはセンサーの大きさとレンズの絞り(F値)に影響します。センサーが大きいほど、F値は小さいほどボケます。同じF値のレンズで撮影する場合、フルサイズのほうがボケは強くなり、表現が豊かになります。

フルサイズはパースが効いた絵になる
APS-Cはセンサーサイズが二回りほど小さいため、同じレンズを使用しても1.5倍拡大した望遠気味の画角になります。逆にフルサイズはパースの効いた絵になりやすいです

街並みをいつもの35mmレンズで
画角も狭くボケも弱い面白みに欠ける絵ですよね。

もしフルサイズだったら外枠が約16.5%ずつ広くなります。
ただ注意点として、特殊設計のレンズ以外は写真の四隅が暗くなってしまう周辺減光が起こります。
昔は欠点とされていましたが、今では逆に「味のある撮影技法」という扱いになっています。
サイズと重さに目を瞑れば、フルサイズは良いことづくめです。
逆にAPS-Cのいい所は、自然風景の撮影時に全てにピントが合う事です。

APS-C機で注意するべきこと
 
APS-C機で35mmレンズを使うと、実際に撮れた写真の画角は
「35mm×1.5倍=52.5mm」になります。
この1.5倍掛けする計算式をフルサイズ(35mm判)換算と呼びます。

このフルサイズ換算をどこで使うかというと
①レンズ選び
 超広角でパースつよつよな20mmレンズを買ったぞ!
 と思ったら実際撮れた写真は30mmでちょっと迫力ない…など
②CG内のカメラ
 基本的にCG世界のカメラはフルサイズ表記なので、APS-Cの感覚でレンズを選ぶとイメージと違う1.5倍望遠の結果に…など

【以下変換表】

1.5倍掛けさえ覚えれば、特に見る必要はありません。

■超広角・超望遠の魅力
今回は紹介できませんでしたが、広角には広角の、望遠には望遠のそれぞれにしか出来ない美しい表現が沢山あります。

筆者はインドア撮影が多いですが、APS-C機+フルサイズ用ズームレンズの、中心のおいしい所だけを使った野生動物や航空機、風景の作例もまた見事な出来になります。

D5600はズームレンズとのセット販売があるため、望遠の作例も多めです。



⑦ 作例サイトを使ったカメラ選び

GANREF:
カメラの機種を絞ってプロレベルの作例が検索できます。
好みの写真を見つけたら、どんなレンズならこの絵が作れるのか見てみましょう。

PHOTOHITO:
レンズのモデルを絞って作例を検索できます。
ある程度使いたいレンズが決まったら、こちらのサイトで。
素人からプロレベルの作例を見てみましょう。


最後に

少しでも皆様がカメラの世界に興味を持って頂けていたら幸いです。
以上、入門機のお話でした。
最後までお読み頂きありがとうございました。筆者:デザイナー・Oより