Houdiniを使ったエフェクト作例
皆様、こんにちは。
エフェクトデザイナーのSです。
第2回目の技術記事を書かせて頂きます。
エフェクト班ではHoudiniというツールを使ってエフェクト素材を作ることがあります
Houdiniでどんな素材を作っているかを、簡単な説明を加えながら書いていければと思っています。
Houdiniとは?
Houdiniはどんなツールか簡単に説明すると、
ノードベースでモデルの形状などを作っていくので、大きな修正があった場合も変更しやすいツールです。
逆に苦手なものは、キャラモデルのようにデザインが完璧に決まっているもので、こちらはモデリングに特化したツールで作った方が早いことが多いです。
実際に作られたものを見た方が早いと思うので、Houdiniで作っている素材をいくつか紹介していきたいと思います。
■セル調の画面エフェクト
こちらは手書き調の画面エフェクトを作れないか検証した時のデータになります。手書き感を3Dに落とし込むのに苦労しました、、
エフェクトの構成としては
・迫りくる炎
・渦巻く炎
・最後の千切れる炎
の構成になってます
「迫りくる炎」、「渦巻く炎」の作成工程を書いていこうと思います。
▼「迫りくる炎」
「迫りくる炎」の作成工程
押し出し用のノイズを正方形に焼き込み、ノイズをスクロールアニメーションさせます
この正方形を、円柱状になるように変形させます
中心が少しへこむように変形
ここで押し出し用のノイズが効果を発揮します!
押し出し用のノイズを元に上方向に押し出します。
大きなノイズの動きによって、迫りくる炎の動きを強調しています
炎の質感を付ける用のノイズを上書きします
炎のノイズの白黒情報を元に、ランプで色付けをします。
あとはシーン終わりの消し込み効果などを付けています
今回は動画編集用にテクスチャとして持っていますが、ゲームエンジンのエディター上でノイズテクスチャを使った押し出ししてスクロール、炎用のノイズをスクロールをすれば同じ効果が得られると思います
▼「渦巻く炎」
「渦巻く炎」の作成工程
パスを作成し、作成していた炎モデルがパスに沿うようにします
「迫りくる炎」でやった色付けと同じように、頂点カラーを元に色付けをします。今回は炎の縦軸のグラデーションと内積で取った色をブレンドして、それを元にリマップしています。
ここからは、
Houdiniでこんなものも作っているよ、というものをザザザっと書いていきたいと思います。
■煙素材の作成
シュミレーションを使って作った煙素材です。
煙素材の消え際は動きが単調になりやすいので、渦巻くような力を与えてふわっと消えるようにしています。
■水素材の作成
シュミレーションを使って作った水素材です。
プロジェクトのテイストによって、メッシュのまま使ったり、テクスチャ化して使ったりします。
■破壊エフェクト
破壊用の素材をエフェクト班で作成することもあります。
ゲーム上では、
・アニメーションをベイクした破壊
・パーティクルで瓦礫の位置を合わせて、疑似的に破壊
・瓦礫にコリジョンを持たせて破壊
など、状況に応じて手法を変えて実装しています。
■デカールエフェクト
Substance Designerで作ったハイトテクスチャを元に、デカール素材を作った作例になります。
もう少し詳しい内容は、過去記事でご確認頂けます。
Houdiniを使ったエフェクト作り
少し長くなってしまいましたが、Houdiniでの作例をダーッと書かせて頂きました。
なにか制作のヒントなどになると嬉しいなと思っています。
最後までお付き合い頂きありがとうございます!
また、面白いネタが見つかったら書いてみようと思っています~